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本当の「友達」ができた日

小学生の頃からいつも学校に行くのが嫌だった。人の目が気になって何もできなかった。そんな自分が嫌いでいつも苦しかった。

両親には相談できない。暗い話をするときの雰囲気を想像してしまうから。不安や沈黙、マイナスな感情に僕は耐えきれないのだ。

もちろん友達にも相談できない。いつも嫌われないようにビクビクしていたし、自分すらも偽っていた僕が他人と強い関係を作れるわけもない。

そう僕は生まれた時から激しいHSP持ちだった。

そんな自分が唯一目指していたのものがある。それが「普通」だ。普通になれば嫌われることもないし、特に興味を持たれることもない。平穏に暮らしていける。僕が小学生の頃に願うたった一つの「夢」だった。

だが中学生となり「普通」が僕に牙を向き始める。普通の男子ならば運動部に入らなければいけない、一度始めたら辞めてはいけない、毎日学校に通わなければいけない。他人の感情や表情に強い感受性をもつ僕にはそれが苦痛でしかなかったのだ。

しかし中学、高校をなんとか逃げ切った僕に転機が訪れる。それが「自己受容」と「自己開示」の存在だ。

「普通」を目指して、自分の性格を嫌って、逃げていた僕に「自分の性格を受け入れる」なんて選択肢はこれっぽちも無かったし、他人に「自分の性格を伝える」なんて考えたことも無かった。

僕は出来るだけ自分を受け入れて、勇気を出して友達に感情や思い、性格を全て話した。

嫌われるかもしれない、引かれるかもしれない、不安でたまらなかった僕に友達は「意外だった、でもそんなこと思ってたんだな。知れてよかった」

そんな言葉をかけてくれた。

そのとき僕は初めて本当の「友達」を手にしたのだ。









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