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共創ーアイディアが生まれるしくみづくり

武蔵野美術大学大学院 クリエイティブリーダーシップコース クリエイティブリーダシップ特論Ⅱ 第1回目 2020/05/18

株式会社グラグリッド 三澤直加さんににお話を伺う。

三澤さんが代表を務められるグラグリッドでは、新しい共創のスタイルを作ることを目指し、学校、企業、自治体でアイディアが生まれるしくみを作り、共創の場を活性化させるお仕事をされている。


共創する際に必要だと考えられているスキルが主にビジュアルシンキング・ファシリテーションで、描きながら考え一歩一歩前進する力重要となるそうだ。

紹介いただいたケースで印象的だったのが、小学校での取り組み。

議論は多数決、正解を求めてしまう小学生に対し思考力と判断力を培う教育ができないかと、グラフィックレコーディングで、創造力、概念化、抽象化を行う方法を教えて欲しいと、落合第六小学校の校長から依頼があったそう。

ワークショップを行うにあたり、全生徒が熱狂し思考力が飛躍的にアップしたらしい。

インプットのまとめだけでなく、想像から飛躍した内容を記し
解釈の内容を絵や文字で表現。

自分で考える方法を書くことを通して理解でき、既存のノートの概念から解放され、何かに例えて考える楽しさや、他の子との比べっこで、多様な視点を養えるという面白い取り組みのようだ。

講義後の質疑で、中高生や大人達の会議でありがちな、場の空気で、声の大きい人の意見に乗っかって議論が収束するというようなことにはならないだろうか、手が止まってしまい、得意な子の考えに流れてしまう子達はいないのだろうかという質問をさせていただいたが、そのようなことはほぼ起こらないようだ。

まずはファシリテーションで、声の大小が出るような展開にならないようにん気をつけられているということと、序盤には個人ワークで、それぞれがどう感じ考えたかをアウトプットするというワークがあるのでそれを通して誰もが自分の考えをだすということをやるのだそう。開始すぐは慣れないこもいるが、徐々にみんなが楽しんで熱中するのだとか。

このあたりのワークの設計や、ファシリテーションはとても重要で、空気を読みすぎて自分の考え、アイディアを自由に吐き出せづらくなってしまった社会人向けのリハビリのようなものに応用できればとても面白いだろうと個人的に感じた。

その次に紹介があった、大人向けの自分を理解し、ビジョンを明確にするツール「えがっきー」のワークシートも興味深かった。「自分が大切にしていることは?」など自分を知る複数の質問に答えながら、最後に振り返ることで、どんなことを考えているっけと気が付けるツールだそうだ。こうしたものの活用で、共創を行う大前提となる参加者個人のスタンス、ポジションを可視化して共有することはとても場づくりで重要なのだろうと感じた。

「私はこう考えます。」はっきり伝えられること、これから大きな武器だと思う。

また三澤さんが想像的に考える上で大事だと思われることは、
正解って一つじゃないという前提で、先に一歩進み、自信を持って解釈すること。一度ものごとを捉えて概念化する。具体的なまま、概念化することができれば、想像的になっていく。

このようないろんな気づき、考えるきっかけをいただいた非常に興味深い講義であった。


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