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小沢健二東大900番講堂講義

9月30日小沢健二東大900番講堂講義
教育学セミナー《イメージの影響学》を
受講した。

5月に東大駒場第2キャンパスにある
先端科学技術研究センターで働き始めてすぐ
この講義の告知があり
運命を感じつつ教職員枠で
受講希望理由欄に割と熱いメッセージを書き込み
エントリーしたところ
めでたく抽選に当たったのである。

駒場900番教室といえば
旧制第一高校時代には
講堂として使われていた建物で
大好きだった大学のゼミの先生が
よく一高時代の話をしていたのを思い出し
時間を超えて空間を共有できることも
この日の楽しみのひとつであった。

講義の2週間前に
チケットの発券ご案内メールが届き
その日の夕方ローソンで発券すると
整理番号B6番。
なかなかの席なのでは?と
ちょっと期待が膨らむ。

事前販売のグッズであるジャガード織のバッグや
持ち物の懐中電灯などを購入し
ワクワクしながら当日を迎えた。

ライトアップされたヒマラヤ杉
開場を待つ

蚊に刺されそうな気がしたので
会場時間18:00ギリギリに着くようにした。
ドレスコード:パーティに向いた格好とあったが
目立たないように普段着のワンピースで行った。
割とみんな普通に普段着だったので
気合いを入れなくてよかった。

時間になり番号順に入場。
整理番号AとBの1番から呼ばれた。
なのでとても早い入場だった。
座席は前から5列目で
前の4列は業界っぽい方や
ありえないほど顔のちっちゃいモデルのような方
主催研究室の学生らしき人が座っていたので
おそらく教職員枠の最前列だったのではと思う。

まあでも座席順は大して重要ではなかった。
なぜなら会場は薄暗かったし
小沢氏は被り物をしていて
表情などはよく見えなかったから。

青白く照らされた講堂内
照明はずっとこんなかんじ

定刻を少し過ぎ講義が始まった。
教科書は125ページにも及ぶ
小沢氏のオリジナル。
その教科書のページを行ったり来たりしながら
講義は進んでいく。
ときどき懐中電灯で照らしながら。

ざっくり言うと内容はとても濃厚で熱量がすごく
なかなかに難しくて一言一句集中して聞いた。
途中3回ほど新曲を含めた楽曲を披露してくれた。
900番教室のパイプオルガンと小沢氏のギター。
とても美しくて楽しい時間だった。

講義のタイトルは「イメージの影響学」。
もしかしたら全然違うかもしれないけれど
私なりに受け取ったメッセージはこうだ。

私たちは毎日たくさんの情報を浴びせられていて
その情報とは企業とか国家とか
とても大きな存在によって
作られたイメージも多く
人はそのイメージをスタンダードだと
思い込んでしまう。

しかし例えば色や音をデジタルに変換すると
色ならディスプレイで再現できる色領域は
現実世界よりかなり狭くて
音なら0と1でできたコードでは
聴くことすらできないように

同じ情報でも
実際に自分が目で見て耳で聞いたイメージと
誰かが変換して細工して作ったイメージでは
違って当たり前なはずだ。

小沢氏は言葉や音楽で表現活動をするとき
手段は限られているし取りこぼしたものもある
ということを感じながら
自分の主観でイメージを作り出す
イメージを決めつけていると言っている。
発信する側にある程度の決めつけがあるのは
仕方のないこと。

では決めつけられ
コントロールされたイメージを
どう受け取るか。

たとえばプラセボなんかが
信頼している医師から
これはよ効く薬ですよと砂糖玉を渡されれば
本当の薬と同じくらい効いてしまうように

結局、受け取る側の解釈次第だなと思った。

かつては小沢氏も
作られたイメージ
作られたキャラクターとして
活動していた時代があった。
色々と思うところがあったのではと推測する。

結局のところ
オチというか
小沢氏が本当に伝えたかったこと
あまり理解しきれていないような気がする。

けどなんとなく
毎日土砂降りの雨の様に降ってくる情報を
自分なりに噛み砕いて消化したいと思った。
講義が終わっても色んなことを考え続けている。
すごく熱い何かを受け取ったのは確かだ。

講義は予定を1時間オーバーして終了したが
こんなに集中して眠くならなかった講義は
初めてかもしれない。

駒場で聴く「いちょう並木のセレナーデ」は
格別だった。

終了後
夜の1号館
教科書とジャガード織のバッグ

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