喫茶ランドリーの中

ポケットにくしゃくしゃになって入ってる小さなあなた。


東京の喫茶ランドリーに行ってきました。


そこでね、

5歳の大切なお友達ができました。


危険生物のビデオを見ながら、いろんな話をしました。

サメはトマトが苦手なこと、

未来からお母さんのお腹を選んでやってきたこと、

未来には白いトマトがあること、

そのトマトは、大人が食べると苦く感じること。


あぁ、君はこんな風に世界を見ているんだね。
私はね、こんな風に世界を見ているよ。って。


こんなに人と「対話」をしたことがあっただろうか。


ただただ君がいて、私がいる。

君が何を考えて、何を思って、何を大切にしたくて、何を信じているのか。

私は何を考えて、何を思って、何を大切にしたくて、何を信じているのか。

伝わるかな。伝わらないかな。

伝えたい。伝わりたい。


君が見てる世界を、ちょっとでもいいから味見させて。

私のもね、結構美味しいよ。


どうしよう、幸せだ。



周りには、

私たちのことを見て微笑みながらカレーを作っているこの子のお母さん、

仕事帰りのサラリーマン、

お散歩の途中に寄ったお姉さん、

明日からの現代アート展の準備をしているお兄さん、

そんな空間全体を眺めて笑っているオーナー。


みんながみんな、そこに「いる」。



ただそれだけで、それだけなのに、

お互いのことがどうしようもなく愛おしい。

安心して一人でいられて、でもちょっと他の人が何してるかも気になって。

なんとなく、ゆるく、繋がってる。

みんなずっとそこにいるわけじゃなくて、たまたま出来た一瞬だからこそ、

その心地よさと儚さに胸が締め付けられる。

みんな、「いる」んだ。


何にも気にせず全力疾走している時のような、

歌いたい歌を思いっきり歌っている時のような、

家に帰ってきてホッと一息ついた時のような、

お風呂に浸かって肩の力が抜けた時のような、

日曜日の朝にベッドでごろごろしている時のような、


そんな、なんでもないけど「生きてる」って感じる一瞬をポケットにしまいこんで、

みんな生きてる。


東京は特に、人がいっぱい。

こっちに行っても、あっちに行っても、誰かいる。

でも、どこに行っても自分がいない。

あの時、白いトマトを食べて笑ってた自分がいない。

あの時、未来にタイムリープできた自分がいない。

あの時。

あの時。

あの時。



でもね、たぶん、ポケットの中でくしゃくしゃになってるだけなんだ。

どのズボンの中に入れたか忘れちゃったけど、どこかに大切に大切にしまいこんであるんだ。


あなたはあなただから。

私は、あなたと話がしたい。

あなたと一緒に、くしゃくしゃになってチリヂリになったあなたを見つけにいきたい。


なーんだ、ここにしまってあったのか。

って、みんなで微笑みながら、

あなたを受け入れたい。


そして、

その人がちょっとでも自分を表現できるようになったら。

誰かと誰かが出会って、支え合って、

これまで世界に無かった、小さなくしゃみみたいな幸せが生まれたら。


そんな、ちょっとくすぐったくて涙がこぼれそうな、一瞬をつくっていきたいな。


たま



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