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満たされないこころ

毎日忙しく過ごしていると、ふとした瞬間に寂しさを感じる。
ときには発作のように胸がしめつけられて、うずくまりたくなる。
答えは分かってる。
誰かに大切にされたいと願っていて、でも満たされてないのだ。

子供のころは両親や祖父母が無償の愛を注いでくれた。
私は毎日その愛につつまれて、孤独なんて感じることなく過ごせた。

いまは違う。
当然のことだけど、子供たちは私が守る。
私が家族をつつみこむ。
でも私をつつみこんでくれるものは、なにもない。

甘えなのは分かってる。
大人は誰しも自立しなくてはならないし、そもそも誰かの庇護を受けなくても生きていけるのが大人なのだ。
だから強く生きていこうとしている。

それでもときおりやってくる寂しさに、耐えきれないときもある。
そんなときにこころに浮かぶのは、まだ小さな私が家族で夏休みに旅行に行ったときのことだ。
遊び疲れた私は帰りの車のなかでぐっすりと眠った。
そこにはなんの不安も寂しさもなかった。
私のなかの幸せの象徴のようなシーンだ。

眠りにつくとき、私はいつも願う。
明日こそは、なにかが私のこころを満たしてくれますように。

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