アマルフィの食文化とレモン。レモン畑を見学。

レモンと言えば、アマルフィ。バスに揺られながら移動した道中。町に近づくにつれて、そびえ立つ断崖に並ぶ、多数のレモンの木々が見えてきました。バスを降りれば、レモンの壁画がお出迎え。町を歩けばレモンの風景で溢れている、そんなアマルフィの町のレモン畑を訪問しました。町の中心に立つ大聖堂の前で、レモン農家さんのSalvtoreと合流。レモンツアー、と書かれたゴルフカーのようなかわいらしい車で町を案内してくれました。はじめに訪れた場所は、断崖に段々と並ぶレモン畑。一昔前までは頂上まで坂を歩いて上っていたようですが、今は便利な世の中です。備え付けられたエレべーターで上りました。

上へのぼると、レモン畑が広がっていました。そしてレモンの木々とともに、家々や海や山も一望できます。

アマルフィレモンは、地域の伝統食材としてスローフードにも認定された食材です。甘くて大きな果実を実らせるのが特徴的。畑には手のひらサイズのレモンがごろごろと実を付けていました。皮の表面がゴツゴツしているのも個性的です。スーパーのようにどのレモンも表面がつるつるしていて同じ形の実が並んでるのではなく、色んな形の実がなっていました。

「できる限り農薬を使わず有機的方法で育てているから、個性のある果実が育つのだよ」と話をする彼から、ひとつひとつのレモンに対する愛着を感じる。他の地域のレモンとどう違うの?と聞くと、「どのレモンも素晴らしいし優劣は決めたくない、でもそれでもアマルフィのレモンの質の高さは一番だと言えるよ」と。試しに味見してごらん、と近くのレモンをもぎ取って手渡してくれました。半分に割って、手で絞りながらそのまま豪快に果汁を飲んでみました。酸っぱいはずだとちょっぴり覚悟をしながら味見してみると、あら不思議、とても甘い。もちろん酸味はあるものの、いちフルーツとしてそのままぱくりと食べれてしまう。そんな甘くて美味なレモンは、このアマルフィの町に欠かせない食材です。というのも、理由のひとつが地元の人々の食生活に多用されているから。レモンの果汁やレモンで作ったソースをパスタとあえたり、果汁をサラダや魚にかけたり、と日常の食事で多用されています。また日常の食事に加えるだけでなく、体調を整えために食べるみたいです。例えば、風邪を引いたり熱になったりしたときに。さらに、果汁だけではなく皮も活用するのが彼ら流。例えば、皮を削って料理の仕上げにトッピングしたり、皮をアルコールと砂糖と水に漬けてお酒を作ったりします。他には、食べるためでなく、アロマとして香りを楽しんだり、蚊除けとして香りをまいたりするみたい。レモンの町では、私が普段使うよりも多くの方法でレモンが使われていました。
食生活だけではなく、土地や歴史にも密接に関わっています。断崖に育つレモンの木々は力強い根を地面に張ることで、断崖の岩が崩れることをから守っているみたい。


レモンひとつにしても、ただ食すだけでなく、土地に密接に結びついていたり、新たな活用方法があったりしていて、違う視点からレモンを見てみてみる面白いと思いました。

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