見出し画像

昨日のバイト先での話




昨日、私のバイト先には予約で15名ほどの団体が来店した。

私の働いている飲食店の店内はそこまでの広さがない為15名入ると店の3分の1ほどが埋まってしまう。

その日はとてつもない忙しさが予想され、シフトに入っている誰も彼もが憂鬱だった。

何の集まりなんだろうかと考えていると、ちょうど予約のお客様方がやってきた。

年齢層は30〜60代ほどと意外にも広く、余計に集まりの謎は深まるばかりだった。
そして、とにかくうるさかった…。

一つ言っておくと私のバイト先は居酒屋ではない。お茶をしにくるお客さんも多いいたって落ち着いた雰囲気の店だ。

甲高い声で何をそんなにまくしたてる必要があるのだろうか…と考えつつ、15名分のお茶のおかわりをうんざりとした思いで注いでいた。
もちろん顔には一切出さなかったが。

案の定それなりに大変な思いをしながら、ふと、その団体客の中で1人何度も何度もお手洗いに行っていた中でも若い女性が気に掛かった。

女性が何度もお手洗いに行くのはそこまで不思議な事でも無いし、単純に具合が悪かったのかもしれない。

しかしその団体客の様子を横目で見ていると、その女性が1人居心地悪そうな表情であまり喋る事も無く座っている事に気がついた。

その様子を見てぐっと親近感が湧いた。

彼女がどういう経緯で今回の集まりに参加する事になったかは不明だが誰でも、たいして行きたくもない集まりに参加しなくてはいけない事は人付き合いをする上で往々にしてあるだろう。
少なくとも私はあった。

というか、私は集団の中に入っておしゃべりをする事自体苦手である。私が一度にまともに会話をできる人数は最大4人までだ。

小学生から芸能界という華々しい場にいるくせにこいつは何を言っているのだろうと思われるだろうか。
確かに芸能関係の人々の多くは社交的かもしれないが、当然そうでない人間とて居る。

例えば同じ事務所の某有名若手俳優は事務所の若い後輩女子達にキャアキャア言われながらもずっと顔を俯けていた。床のシミでも数えていたのだろうか…。

周りはキャアキャアいうだけで挨拶すらしなかったが、だからと言って私も挨拶をしないという選択肢も無かった為、その時私は1人前に出てその先輩に挨拶をする羽目になった。最悪だ。

…と、話が完全に脱線してしまったが。

とにかく私が言いたいのは、たいして行きたくない、又はあまり自分とフィーリングの合わない集団の集まりにやむを得ず参加した時の居心地の悪さは尋常でないという事だ。

もちろん昨日の女性がそうであったかは分からない。ただ、その様子を見て私が勝手にあれこれ考えただけではあるけれど。

集団客が退店した後、
あの女性は
「すごく騒がしくしてしまって、本当に申し訳ないです。すみません…。」
とわざわざ私に謝ってきたのだ。


いやあなたが謝る必要はどこにも無いです。
という気持ちで私はいっぱいだった。

行きたくない、だが行かなくてはならない集まりへと今日も参加する人達にお疲れ様と言いたい。

この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?