ちょっと思ったこと

誰かのことを考えて文章を書くことはあまりない。

でも、その「あまりない」そんなことを書いてみたい気分になった。酔っ払っているわけでもなく、なにか特別なことがあったわけでもない。今日だっていつものように起きて、いつものようにご飯を食べて、いつものように仕事をしていた。

春はもすぐそこまで来ている、と感じさせてくれる多摩川の辺りを歩いていたとき、風が強く消防車のサイレンが鳴り響いていた。少しだけいつもと違ったのはそんなことくらいだろうか。

野球ファンにはいろいろな形がある。全部が好きな人、チームが好きな人、選手が好きな人、観戦が好きな人、応援が好きな人……あげていけばキリがない。人の数だけ楽しみ方があるわけだ。

これはなにも野球に限ったことではない。サッカーだってそうだろうし、音楽のアーティストだってそう、アニメや読書だってそうだろう。

どんな形であれ、応援していることには変わりない。そこには恋愛とは違った愛情やらなんやらが溢れている。いや、溢れ出している。それこそ、お風呂をためっぱなしで忘れて放置していたときのように。

プロ野球の世界では昨日からオープン戦が始まっている。いわゆる本番前の試運転に相当する試合だ。公式戦に向けての準備段階。もちろん結果が出るに越したことはないが、大きく考えすぎないでもいい、そんなイメージだ。

そのオープン戦で「ある選手」が乱調ぎみだった。本番ではないとはいえ、もちろん選手は本気だ。遊びでやっているなんてことはない。

それでも、SNS上でファンからは怒号に近いことばが大量に何十も何百も書き込まれる。その選手が所属しているチームのファンも対戦相手のチームのファンも書き込んでいく。

自分の応援している選手がこのような目にあうのはきっとツライ。多くの場合、選手は自分自身でも友人でも家族でもない。それでもやっぱりツライはずだ。

ぼくの知っている人はその乱調気味だった「ある選手」のことを応援している。それを思うと、なんだかぼくも切なくなった。きっとツライだろうな、と思う。ぼくがかけることばなど何の意味もないし、なにをするわけでもないのだけれども、大丈夫かなぁとちょっと気にしてみたのである。



こちらサポートにコメントをつけられるようになっていたのですね。サポートを頂いた暁には歌集なりエッセイを購入しレビューさせて頂きます。