劇場映画感想(mixiから救出)

ブレードランナー 2049
全世界待望のSF映画、35年ぶりの続編 2017年10月27日 公開

「前作見たことないんだー」
と鑑賞後に同行した友人に言ったらドン引きされました(笑)
確かに前作見た方が100倍有意義な鑑賞になったでしょうが、なにせその後のSF近未来を一変させた名作です。見なくたってだいたい雰囲気は掴めますよ!
続編もの、とくに前作がレジェンド級の名作だった場合にありがちなたどたどしさは不自然な展開(たいてい前作のオマージュとやらを込めると多くなりがち)は目につきますが、作品全体の丁寧な「退廃した近未来」の描写には魅力を感じます。壁全体が発光しているような近未来チックな通路に埃や汚れがたまっている…みたいな。悪役の女性がホントに悪役だったり、ちょっと意外などんでん返しがあったり、見どころも多いですが、扱いがひどく中途半端な反政府組織みたいなやつとか、描写不足に思うところもチラホラ。何よりワンコが!途中に世界観的に無理がある中登場した犬がその後どうなったのか!それが気になって気になってしかたないのよ!


記憶探偵と鍵のかかった少女
スペインの新鋭監督が仕掛ける記憶の罠 2014年09月27日 公開

誰を信じればいいのか、この状況を切り抜けることはできるのか。
普段、ミステリー系の作品になじんでいる人にとってはかなり「見抜きやすい」作品だと思います。なまじ丁寧に作られているだけに、こういう展開であれば、こういう方向にもっていかないと盛り上がらないよね!みたいな。ただ、それだけに登場人物の描写もしっかりしているので、作品としては面白いです。ちょっとぬるめの温度がちょうど心地いいサスペンスミステリー、とったところでしょうか。


ダンケルク
20世紀最大の作戦はどのように成功したのか? 2017年09月09日 公開

シリアスでリアルティのある戦場を表現しようとして、しかし残虐なカットは可能な限り避ける。この監督さんのポリシーは評価すべきなのでしょう。しかし、少しひねくった構成もいかにもな感じで、うまく考えてあるなあと思う反面、さすがに分かりにくくなった部分もあるように思います。いかにもなハイウッド美形やグラミー美女はいっさい出ないので、外国人の顔を区別が苦手な人にはキビシイ映画です。CGを可能な限り使わないからこその手作り感がそこここに漏れているので、そこをどう捉えるかも評価の分かれ目かも。


シン・ゴジラ
12年ぶり!日本版ゴジラがついに復活! 2016年07月29日 公開

これだけネット評論が沸騰している、という時点ですでに「勝ち」ですよね。個人的にいうなら、自分が見たい「ゴジラ映画」とは少し違ったのですが、「ここはまあ、今のご時世では表現できんだろ」と最初から諦めていた部分を、自分の想像をはるかに超える豪速球でど真ん中に投げ込んできた、まさに衝撃そのものの映像爆弾でした。ちなみに僕は石原さとみ擁護派ですよ! 誰がやったってうまくいきっこないでしょあの役柄は!あの細くなめらかな腕で、よくぞ火中の栗を拾ってくれたじゃないですか!


ピクセル
レトロゲームの侵略から世界を救えるか!? 2015年09月12日 公開

日本の40代中盤から50代の男性に次ぐ!必ずこの映画を鑑賞せよ!面白いぞ!(いや、他の世代が見ても超面白いです!細かいところは放ったらかしで、とにかく面白さを求めて突っ走ったテンポが娯楽映画として大正解!)テーブルテニスからアルカノイド、パックマン、ドンキーコングなどなどの80年代のゲームが地球破壊を目論むのを、かつてのヲタクが立ち向かう!(テトリスだけが時代ずれてる感じですけど)ヲタクが正義の味方、というのは日本のドラマや映画でも何度か観た感じですが、この痛快っぷりは別格です。そもそも主人公とその仲間が「ムサい中年独身男」「鈍ちん無能のデブ大統領」「コミュ症の陰謀論マニア」「性格の悪い小人症」というセレクトの時点で、日本じゃ無理だろ。この映画を見ると、やはりテレビゲーム黎明期の日本の影響の大きさがよくわかります。次回作を期待したいところですが、そうなるとスーパーマリオあたりからかな…。今回のゲスト枠は「パックマン」を開発した岩谷さんでしたが、次回も偉大なゲーム開発者は日本人にこと欠かさないし、なんなら有野課長でもいいじゃん(笑)。 ところで、テレビCMにも使われたクーパーの立体駐車場ジャンプシーン。あれは「シティ・コネクション」のリスペクトだったのかなあ…。


ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション
イーサン・ハントが“不可能“に挑む人気作第5弾 2015年08月07日 公開

暑さの余り、涼しい劇場で座ってから寝てしまった(笑)で、起きてみたら冒頭が終わってしまい、予告やポスターでおなじみの飛行機ぶら下がりのシーンが終わってた( ; ; )しかし、映画としてはそこからでも十分面白いです。今回は派手派手なアクションシーン連発!というのではなく、ストーリーをちゃんと作ろう!という意欲を感じるのが好感。クライマックスのアクションが一番地味、という点でもそれは伺えます。ユーモアのあるシーンが結構多いのも特徴でしょうか。劇場でけっこう笑いが起きていたのでスベっていません!良かったねクルーズ!シリーズ物の宿命たるファンサービスとかアクションのインフレとかの付き合い方としては、この辺が最適解じゃないでしょうか。


BORUTO -NARUTO THE MOVIE-
新時代、到来!主人公はナルトの息子“ボルト“ 2015年08月07日 公開(アクション) 

原作知りません。予備知識ゼロで見ました。んで、これは大したもんだ、という映画だと思います。物語は定石の範疇ながらよく考えられているし、作画演出のレベルは最高レベル。次々に新しい表現を提出し、それを物語のインパクトに確実に生かしてくるピクサー3Dにはわずかに及ばないという気はしますが、世界各国にいるこの大作漫画のファンの期待に十分に応える、締めくくりに相応しい作品というべきでしょう。ここからは蛇足の話になりますが、narutoって主人公のビジュアルのせいもあってか、なんか地方都市的というか、EXILE的というか、マイルドヤンキーっぽいというか、なんかそういう雰囲気が端からしていたものですが、この映画の都市背景が、モロに新興住宅地と旧住宅街と政治地区の混ざった地方都市そのものだったので、いよいよその印象は強まりました。どうせなら買い物のシーンとか挟んでイオンを出せばよかったのに。


マッドマックス 怒りのデス・ロード
30年の時を経て、孤高のヒーロー復活! 2015年06月20日 公開

以前のシリーズを見てませんが、どうやらその必要はない模様。作品世界の設定は一切なしのまま話が突っ走ります。いやもう説明するのに擬音なしだと難しい(笑)。ただ、ストーリーだけ見ると意外と端正な「圧政からの解放!」もので、ハチャメチャ大爆走!という感じでも無かったですね。この世界観とホンコンカンフーを足して漫画にしてみせた某作品は目の付け所が良かったなあ、と改めて思います。確かにジャンプ向けですわ。


THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦
7章に及んだ実写版を締めくくる超大作! 2015年05月01日 公開

まあ多少なりとも押井パトに親しんだ人であれば、パトレイバーのロボット大活躍!なんぞを期待しちゃいないでしょうから、それを前提に踏んでおけば、銃の打ち合いやヘリ同士のアクションも盛り込んだ活劇として十分面白い映画。実質パト2の続編なのでそこは見ておくべきですが、比較してみると、パト2のメッセージはなぞっているものの、毒味はかなり薄れて、一方で隊員の世代間葛藤を基にして、閉塞感に苦しむ若者への応援が込められていたように思います。この辺は押井の心境もありますでしょうし、オウム事件や9.11を先取りしたと言われた前作からの世相の変化が影響しているのでしょう。CGレベルは高いとは言えず、肩すかしと思える部分もあり、見覚えのある場面が多すぎ、など、不満に思う所も多いでしょうが、(個人的には、東京一千万の人質!という緊迫感があまり感じられたなかった部分が不満でした)一本の映画としての見応えはある内容だと思います。


ベイマックス

“戦わない“ロボットが世界を救う!? 2014年12月20日 公開

噂で聞いたとおり、CMなんかとちょっとイメージの違う内容ですね(笑)まあアナ雪の大ヒットがあったので、感動路線を強調したかったのと、正直に「戦隊モノ路線ですよー」というと少しマニアックな印象を与えてしまうからなんでしょう。しかし、そんなことはどうでも良くなるくらい面白い映画です。凄いねピクサーのCGアニメのレベルって。もう場面によっては実写と区別がつきません。むしろ「実写と区別がつかない」のを演出に落とし込んでいるレベル。映画全体通しての画面のコントロールの完成度が物凄く、見ている人の体感として「ノンストップ感」が尋常ではありません。決してアクションや仕掛けをギュウギュウに詰め込んだ内容というだけではなく、ゆったりとした間やしっとりした場面もあるのですが、見ている人の意識を映画の外に外すような時間がありません。こと子供向けの映画としてこれほど相応しいものもないでしょう。ピクサー映画で、しかも可愛らしい主人公という事もあって、映画館には幼稚園から小学生低学年くらいのお子さんも目立ちましたが、物語の中心が復讐の克服、というものであり、しかも難解なワードも多いので、ちょっとついていけてない感じの子がいました。それでも、クライマックスの泣ける場面では涙声の応援が上がってましたよ。


ゲームセンターCX THE MOVIE 1986 マイティボンジャック
あの人気ゲーム番組が10周年を記念して映画化 2014年02月22日 公開

時々、映画とか小説とか見ていると、
面白いとは言いがたいし、とても人に推められるもんじゃないと思いつつ、
やたらと印象に残ってくる作品、というのがあるものですが、
この映画がまさにそう。
まあ理由はひとつ、世代がまさにドンピシャなオッサンだからなのですが(笑)。
もう見ていて気恥ずかしくて気恥ずかしくて。
この照れくささがもうたまりません。 

上映時間の半分近くが課長が課長の挑戦に使われているので、
内容は薄々…と言ってしまうとアレですが、
この構成は普段、GCCXを見ない人にも親切、というだけでなく、
決して多いとは言えない制作費を、上映時間の半分に
集中できる利点があって、
結果、80年代の空気の再現という点で、
なかなかの高密度を達成している感があります。
80年代アイテムの散りばめ方と伏線との絡め方、二重構造の構成の妙もあり、
遊び心のある、いい映画だと思います。

ところで…80年代を語る上でちょくちょく出てくる
「金曜日発売の少年ジャンプ」ですが、
これってそんなに、全国に通用するネタなんですか?
確かにウチの近所にもあったんですが。
それがまた、映画と同様、ボロい店だったんですよね…。


STAND BY ME ドラえもん
あの国民的漫画が初の3DCGアニメーションに 2014年08月08日 公開

作品としては丁寧に準備された、ドラえもんという作品に対するリスペクトを感じられる、誠実な作品だとは思います。ドラえもんがリアルタイムだった時代~昭和40年後半から60年初期までの空気を、ここまで再現した映像作品を他に知りません。昭和30年代は繰り返し語られるけど、この時代の再現っておざなりな事が多い気がします。しかし、ここまで完成度の高い舞台を用意して、細部のガジェットまで作りこんでいるのに、映画として弱い。本来、映画を楽しむにあたって必要不可欠な「間」が、この映画には無い。とにかく詰め込むだけ詰め込んだ物語が、この作品を「下品に」してしまっています。「ドラ泣き」という押し付けがましいキャッチフレーズに違和感を感じた方は多いでしょうが、そのフレーズがこの映画の一端を明確に表しているのが事実です。次から次へとストーリーを展開させ、登場人物をドタバタさせているのは子供に対するサービス精神ゆえなのかもしれませんが、それはいささか子供を馬鹿にしている気がします。この映画の原作になっているドラえもんのエピソードを読み返してみればわかるように、いわゆる「感動する」内容であっても、そのエピソードを描写している筆致はあくまで情感を必要以上にあおることはありません。ドラえもんが日本に産まれた子供がもっとも初期に触れる、「本当の名作」です。それを受け継ごうというなら下手な小細工も、小手先の誤魔化しもなく、もっと堂々とした作品にしてほしかった、というのが正直な思いです。(まあこういう感慨は、最近のアニメ大長編によりいっそう感じることなのですが…)


GODZILLA ゴジラ
生誕60年!日本が誇る伝説の大怪獣が復活 2014年07月25日 公開

全体的に見ると、「初代ゴジラ」のリメイクというより、「ゴジラ2000ミレニアム」……いや、「ガメラ2レギオン襲来」の方がイメージ近いです。敵のムートー2体はそれぞれギャオスとレギオンって感じだし。「結果として」人類の味方をするパターンの今作のゴジラ。デブだメタボだと言われる外見ですが、動いてみるとそれなりにかっこよく、リアリティにこだわらず躊躇無くプロレスをやってくれるので、アメリカンプロレスの悪漢巨漢スターレスラーの趣があります。最後の敵怪獣のやっつけかたのえげつなさはまさに悪役っぽくて良いですが、放射能火炎のエフェクトは、個人的には日本のやつの方がいいなあ。

ゴジラがその全貌を現し、大きく咆哮するまでの焦らす感じ、そこまでは文句なしに楽しめたんですが、その後のゴジラの登場シーンはやや物足りません。完全な悪役にしない展開と最後に知れば、ゴジラに派手に都市破壊させる場面をそうそう出すわけにもいかない、という事情も分かりますが、アメリカ艦船もちゃんと潜って避けてあげるゴジラさん、やっぱ怖さはないですね。

悲しいかな、原爆や原発に対しての知識が著しく高まってしまった今の日本人からすると、この映画に描かれているそれらの描写の甘さは拭えません。怨念として、または戦争の暗喩として無差別に人間に襲いかかる初代ゴジラではなく、平成ゴジラの設定「放射能を吸収して成長する」を取り入れてしまった為に、万能放射能吸収装置として機能してしまうゴジラさんでは、反核のメッセージを任せるにはやはり弱い。東海地方を思わせる場所で原発建屋が全て崩壊する、という冒頭の描写も、メガトンクラスの原爆がサンフランシスコ沖から小型ボート10分足らずの場所で爆発しようが、ゴジラ(とムートー)が吸収するからOK!となってしまいます。ゴジラの近くにいた(あるいは放射能火炎に触れた)、避難所の子供へ向けたガイガーカウンターが大きく反応する、初代ゴジラの描写と比較するまでもありません。しかし、今の国内でゴジラを作ったら、これよりもっと原爆、原発の描写は制限されるでしょう。

まあ何にせよ、映画としては十分面白かったので、続編も期待してます。(っていうか、続編あるからゆえのゴジラの出し惜しみだよね?)


相棒-劇場版III-巨大密室!特命係 絶海の孤島へ
劇場版第3弾。今度は絶海の孤島で難事件に挑む 2014年04月26日 公開

巨大密室!絶海の孤島!と謳っておきながら、内容にはその特性はほぼ生かされておりません。なにせ殺人事件で死ぬの一人だけだし。代わりに相棒名物の世評批判がてんこ盛り。今回はいわゆる国内世論の右翼化をテーマに据えて、どっぷり書き込んでいます。 てゆーかそれを書きたいばかりにリアリティも無ければ登場人物の書き込みも浅く、トリックはちゃんとしているけど、それで引っ張るにはストーリーの規模に比べてちゃちい感じ。ファンにとっても、一番の見所はミッチー再登場の場面だったんじゃないかなあ。あそこのやりとりは楽しかった。


パシフィック・リム
鬼才デル・トロ監督、念願の巨大兵器スペクタクル 2013年08月09日 公開

「ジェラシックパーク」シリーズやハリウッド版「ゴジラ」で満足出来なかった怪獣マニアの方々、「トランスフォーマー」シリーズが納得出来なかったロボットオタクの皆様、これはどうよ!これはなかなかのものじゃないですか?
 スロー再生感を強く意識したアクションや、怪獣やロボの重量感を強調する「腰だめ」「踏ん張り」の書き込み、ロングショットとアップの絡ませ方に代表される、細かすぎないが的確に説明の意味を込めて重ねたカット割り……。全てが全盛期の円谷映画の系譜とは言いませんが、(むしろ、平成ガメラをそうとう見てるんだろうなあ……と言う印象もあるのですが、この推測は当たっています?)それらを彷彿とさせる、と言いたくなるアクションシーンのテンションの高さです。そのテンションを維持する為にも、世界観とかの説明はほとんどモノローグで済ませて、そんなんいいからこの燃えるシーンを立て続けに見せてやる!という意気込みが滲み出ているところがまた大変よろしい。出来ることなら、日本を舞台にして欲しかった……というか、日本の特撮でこのレベルのを見たい!ロボや怪獣のデザインも、今までのハリウッドでは一番ってくらい良いんだけど、やっぱり、ジャパンライクのやつを!
 ところで、テレビCMで「エルボーロケットぉ!」と叫んでいたシーン、中国では「ペガサス流星拳!」と翻訳したら怒られた、なんて話題が聞こえてきましたが、劇場の吹き替え版では「ロケットパァーンチ!」つってましたよ?


ダークナイト
年度: 2008 国: アメリカ 公開日: 2008/8/9 「バットマン」シリーズ最新作。ジョーカー、現る。

見終わった後、皆でそろって首を傾げたまま劇場を出た……。決して内容がそれほど悪いわけではないのだけど、なんかしっくりとこない。単なるヒーロー物にしたくないという理念が先走っていて、娯楽性や物語のテンポとかそういったものを犠牲にしてしまった、という感じかなあ。あと、「携帯電話」や「船の爆弾」など、どー考えても無理があるだろと、というところを話の展開で無理矢理ごまかそうとする点も目立ちました。ただ、ジョーカー役の人の演技は噂通りの見事さでした。残念。


相棒 劇場版 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン
年度: 2008 国: 日本 公開日: 2008/5/1 大人気ドラマが遂に映画化!あなたは、特命係最大の事件の目撃者になる!

全体的に作りが雑。ツッコもうとすれば100や200の数じゃ済まないほどにアラが目立つので、出来の良い映画とは言えません。ただ、最後まで観客を楽しませようという心意気だけは伝わってくるので、退屈はしない映画。一番の見所は水谷豊と「真犯人」の会話のシーンかな。その後が冗長なのもマイナスなんだよねえ……。

更新は不定期ですので、気長に待っていただけると幸いです。Jリーグのサポーターの方はどこのチームでも大歓迎。煽り合いではなくゆるいノリで楽しめたらいいなと思っています。