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灯りがそこに・・・

ヘッデンはあまり使いません。
テント泊の時と冬山下山後(?)の林道(八ヶ岳の美濃戸山荘から美濃戸口の間の舗装道のような)くらいでしか使うことはありません。
テント泊でも、テントの中、夜トイレへ行くとき、テントを撤収するとき、歩きはじめの30分間程度くらいしか使う機会はありません。
朝もあまり早くなく、3時半頃起床、4時半頃スタートというのが私のスタン大度なので(基本、朝食は少し歩いて眺望の良いところで食べています。)、夏場は、テントを撤収し終わるとヘッデンもザックに入れて歩きはじめるくらいです。

それでも、帰りのバスの時刻の関係で、少し早く出発することはあります。
その関係で最も早く行動を開始したのは、三伏峠に幕営、夜中の2時頃にテントを出発して塩見岳を往復した時だと思います。

日帰り登山でヘッデンを使用したことは、灯りのないトンネルの中を除けば、数えるくらいしかありません。
基本的に公共交通機関で行き来していますので、無理はしないようにしています。

そのようなこともあり、ヘッデンの予備電池はザックの中に入れていますが、ヘッデンの中の電池残量は、テント泊の時にはパッキング時にチェックをして、あまりに暗い時は家で電池を入れ替えますが、日帰り登山の時は、滅多にチェックもしていませんでした。
このことが災いして、下山時に少し危ない経験をしてしまいました。

3年前の1月の中旬、西丹沢ビジターセンター~檜洞丸~蛭ヶ岳~丹沢山~塔ノ岳~大倉の丹沢主稜日帰り縦走したとき、塔ノ岳山頂で既に3時半を回っていました。
下りを急いだのですが、見晴茶屋の少し先の分岐(雑事場ノ平)のところで、ヘッデンがないと危ないような状態となってしまいました。
特に、下山時は、雑事場ノ平の先は、それまでと違い、登山道の幅が狭く、鬱蒼とした感じの下りとなり、足元が見えづらいと少し怖くなります。
そこで、雑事場ノ平のベンチでザックからヘッデンを取り出しました。
ヘッデンを付けたところ、電池残量が少ないようで少し暗かったのですが、何度も歩いている登山道ですし、足元を照らすには十分な感じであったことから、そのまま、歩き始めました。
しかし、その後、観音茶屋の辺りから、照度が落ち、足元が見えづらくなってきましたが、残り距離から、電池を入れ替えるのも億劫に感じ、そのまま、下山を強行してしまいました。
ところが、次第に足元も殆ど見えないような状態となってきたことから、電池を交換したものかと迷っていたところで、広い道に出て事なきを得ました。
灯りが見えた時にホッとしたことを覚えています。

この後、直ぐにヘッデンの電池を充電式ニッケル水素電池(商品名を避けるとこのような記載となるようです)に代え、ヘッデンを少しでも使った後には充電するようにしています。

ところで、人間は退化しているので、暗い夜道をヘッデンなしに歩くことには不向きです。
下山時に、どのあたりから電灯が現れるのかは、ロケーションにもよりますが、山中の登山道に電灯はありません。
このこと自体は、当たり前なことで、登山道に電灯が立っていたら興ざめも良いところです。
私の好きな野口五郎岳と水晶小屋の間の登山道に電灯が数十メートル毎に立っている様子を想像すると・・・
感覚的(常識的?)に野口五郎岳と水晶岳間の登山道に電灯が設置されておらず、登山道が暗い(夜は暗いのが当たり前です)ことにより事故が発生しても法的な責任は問題にならないことは分かります。
むしろ、勝手に東沢乗越あたりに電灯を設置すれば、その方が問題となりそうなのは直感的にも分かります。

しかし、下界(?)では、公道に電灯が設置されていないことにより、交通事故が発生すれば、法的に何らかの責任が生じそうです。

この差はどこから来るのでしょうか。

この、当たり前の問題も、下山時にたどる、登山道→山の中の林道→町はずれの舗装されていない私道→交通量の少ない舗装された公道→交通量の多い幹線道路と連続的にみていきますと、どのあたりから電灯の設置に関する法的な義務らしきものが出てくるのかは容易には判断できません。
道路に電灯を設置する義務が果たしてどのような法的義務なのか、電灯を設置していないことにより事故が生じた場合に誰がどのような法的構成により責任を負うかは難しい問題を含んでいます。

この点につきましても、事務所のホームページ上の下記のブログ記事で触れていますので、興味をお持ちに方は、ご覧いただければ幸いです。


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