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うつわマガジン2016 上半期

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アトリエをとびだし日常でイキイキする「日日陶うつわ」
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2016年2月の記事一覧

食べることを初に知り 最期に忘るる

食べることを初に知り 最期に忘るる

このところ、フレッシュな人の生と、大事な人とのお別れが入り混じり、そして立てつづきました。

さようならのシーンなんて冗談だよと信じてやまなかった肉親は、水木しげる氏やデビッド・ボウイと一緒に宇宙に旅立ったので、きっと今ごろ、地上では考えられないエキサイティングな日々を送っているに違いありません。

ぼくら器の中から、より小さな仲間が選ばれて、毎日、宇宙に向けて少しだけ夕食を運ぶのだけれど、彼

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おかしなうつわ #お菓子

おかしなうつわ #お菓子



「なかみ」でなくて「そとみ」を想像してごらん

1. どんな味?
2. どんな温度?
3. どんな食感?

この3つが想像できたら、そのうつわは、何をいれてもおいしいはずです。ぼくらうつわは、自信を持つと、相手にやさしくできる。つまりは「なかみ」という相手を大きく手を広げて迎え入れられるのです。せいいっぱいの擁護と、おもいきりの誉めそやしで。

そして刹那は訪れる…。「なかみ」というも

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桃と杏に雪が降る

桃と杏に雪が降る



桃のオーブン焼き アーモンドとアマレット味
(PESCHE AL FORNO CON MANDORLE E AMARETTI)

Cocciorino の大きな土鍋にドルチェ。

アーモンドの芳ばしい香りとじゅわっと浸みたアマレット。そこには、老舗を守る腕とやわらか頭。オーナーとシェフが何やら相談。シェフが「おっと!ちょっとお待ちを!」と言いながら厨房の奥から何やら最後の仕上げのための道具を。

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うけとめる皿

うけとめる皿

炎やオーブンに耐える小皿ですが、ふだんは水玉の服を着ていてフルーツを入れたりおやつをぽろぽろと。でも実は無骨で、めだまやきを焼くのが得意なんでやんす。

でやんす?ケムンパスじゃないよ!と、アトリエの人はコンロの火の前でぼくらがふざけるといつも怒ります。「うけとめる器になりなさい」と、アトリエの中のひとは言います。

ところで、アトリエの中のひとが、友人との「絵しりとし」の「ぐ」のために描いた「ぐ

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タマテバコ(OPEN IT!)

タマテバコ(OPEN IT!)

ミニ土鍋でお茶わん一杯分のごはん炊けちゃいます。

Cocciorino(コッチョリーノちきゅうのかけら)

もうパラパラ踊るのはイヤなのよ

もうパラパラ踊るのはイヤなのよ

ぼくたち器はあまった料理と、それをなんとかする料理のはざまに立ちます。

あまったご飯がわたしたちにボヤくのですよ。「わたしたち、あまった」と。「いいじゃないか、チャーハンに変身だよ」と励ましていたのですが、もうパラパラ踊るのはイヤなのよと泣き出すのですよ。

それならば、ちょっと気高くジェノバの貴族の名「ドリア」の称号をつけてさしあげよう、いかがかな?ルイ・ド・ベシャメル伯爵もお連れしておいたよ

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がまんできますとも器

がまんできますとも器

エスプリのきいた名前つけられてパリジャン気取りですって?いやいや、けっきょくね、しのぎを削りながら戦に忍ぶサムライですよ。

「がまんできますとも」ぼくらココット。

オーブンサウナの経験は、ぼくをこんがりなオレさまにさせたし、フリーザー氷点下の世界は、あたくしを雪の女王にさせました。

セ ラ ヴィ。

がまんできますとも器「しのぎココット」」はCreemaこちら ⇒(^.^)

紅緋ふねの街

紅緋ふねの街

アトリエからとびだしたぼくらを「ふね(BOAT)」と呼んだハイセンスなイタリア人の知人がいました。小盛りパスタを入れてもいいし、萌木色のオリーブの実をコロコロ入れて船で運んでもいいです。紅緋の太陽に照らされた街にどんぶらこっこ。

きょうCreema「新作40選」で紅緋の「ふね(BOAT)」が出港してました。Creema:http://www.creema.jp/exhibits/pickup/1

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わたしをみてくれなくてもいい器

わたしをみてくれなくてもいい器

ひとりでいるととても地味で誰も声をかけてくれません。
赤かったり青かったりすると、「あらきれいね」と言ってもらうことがおおいです。わたしは「渋いね」とも言ってもらえません。

あら「おいしそうね」と声をかけるひともいるけど、それはわたしのことではないようです。でも「似合うね」と言ってくれる人がいるのでうれしいです。
わたしをみてくれなくてもいいのです。あの子をおいしそうねと言うならば。

アトリエ

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