マガジンのカバー画像

まいにち土鍋

246
「365日の土鍋コッチョリーノ」 蒸す、炊く、煮る、焼く...などの調理法と土鍋サイズを記すだけの質素な日記。レシピは別にしたためているので、いつの日か有効活用できればいいな。
運営しているクリエイター

2022年6月の記事一覧

上半期おまけ記事No.2 「夏至のころに仕込むクルミのお酒と一緒に」 #まいにち土鍋

エネルギーに満ちる季節 エネルギーに満ちる夏至の前後に、農作物に新しい命を与えたり、または魔除けの儀式をする風習が世界中にある。 カトリックの国では、暦に、ほぼまいにち「オノマスティコ」というゆかりの守護聖人の名が記されており、友人によっては「ボクの日だよ私の日よ」「おめでとう!」と返すこともある。夏至に近い6月24日は「聖ジョバンニの日」(聖ヨハネの日)とされている。この日は、焚き火で魔除けの神事を行ったり、太陽からふりそそぐエネルギーの恵与にあずかり聖なる花水をつく

上半期おまけ記事No.1 「ゲストハウスから森の野草と土鍋が待っている場所へ」 #まいにち土鍋

ゲストハウスから森の野草と土鍋が待っている場所へ ある日、森の中で野草パーティーが開かれた 天気予報は曇りや雨マークだったけれど、近くの山々がそれをさえぎった。所用もあったので前入りしてゲストハウスに素泊まりする。背中には大きな登山用のザック。天気予報が雨マークだったこと、6月初旬は寒暖の差もあるので、レインウェア、野草摘み用の長靴やら長袖、花切りバサミ、そして野草料理の試食会でつかう食器、ゲストハウス泊まりなのでバスタオルやら洗面道具、水筒も入っている。わりとパンパンだ。

ハコベと内藤とうがらしのごはん #まいにち土鍋

庭のハーブが育っているそのあいだに、身を潜めるように、春の七草でもあるハコベがまだ咲いていた。こんなに急に夏がきてしまうと、庭の春がいってしまうのをとめたいような、そんな気持ちになり、ハコベすら愛おしくてたまらない。 🌱  🌱  🌱 繊細な植物なので、ていねいに抜き、やさしく水洗いする。沸騰したお湯に洗ったハコベを入れてさっと湯がき、水にとったら冷水で色どめする。水気をよく絞り、硬い茎をのぞき、柔らかい茎や葉をすべてみじん切りにする。 土鍋で炊き上がったごはんに、塩を少

土鍋ごはんでルーコラおにぎり #まいにち土鍋

ルーコラよ、どう生きたいか 庭のルーコラは、やわらかい葉の幼児期から成人期に入っている。花を咲かせて生育を競い合い、なかには花盛りをおえて、実をつけているものもいる。花を咲かせたらおいしい葉が伸びないと言われているが、この暑さだと、やわな葉っぱもぐったりするだろうから、ぐいぐい伸ばし放題にさせている。彼らが生き生きしているように見えるからだ。植物と対話すると、どう生きたいか、生きる決着みたいなことも話してくれるのだから、おもしろい。 まいにちの暑さに負けず、好きなように生

冷製タマネギのミルクスープに入れる隠し味 #まいにち土鍋

冷やしてさっぱりと、たっぷりと飲める。 タマネギには血管を守る成分が多く含まれていることは周知の通り。タマネギをたっぷり使いフードプロセッサーで細かくし、牛乳や豆乳でわる。 肉だけでなく、ミルクの脂肪香をほどよく消すのがナツメグ。冬はナツメグなしで温かいままミルクとバターの風味を消さず楽しむのもよいけれど、夏は甘い芳香漂うナツメグを削り入れ、乳製品の香りを抑え、さらには冷やせばタマネギの爽やかな香りが楽しめる。同じスープでも、季節によって主役を変えるのも面白い。スパイスひ

マウンテントマトライス #まいにち土鍋

きのうのフリッタータに添えたのは、豪快なトマトライス。トマトライスの山に登りたくなるでしょ。たいしたことでは驚かなくなった家族も、この山には「おお!」と言う。 中華屋さんで、炒飯の山が登場するのは、冷めにくいからだと聞いたので、そんな効果も狙った一品。 タマネギとベーコン入りのトマトソースだったと思う、冷蔵庫にあったそれを冷えたごはんを炒めながら、半ばころにトマトソースをジャーっと入れてさらに炒めただけ。ごはんに均等に混せたら、そのあとは片面ずつ焼くような感覚でカリッとさ

フダンソウのフリッタータとわたし #まいにち土鍋

不断草は、スイスチャード、イタリアではビエトラ(ロッサ赤/ジャッラ黄色)などと呼ばれる野菜。 厳冬期以外、断つことなく生えることから「不断草」というらしい。 我が家の庭にわさわさに生えていて、みずみずしい景色をもたらせてくれている。ありがとう。まいにち食べるぶんだけ収穫。土を耕したときに肥料をまいただけで、育成期は、雑草だけスイスイっと取って自然農法的に育てた。 虫にかじられても「どうぞ食べなさい」的な気持ちで育てた。虫が食べてもなくならないくらい種をまいた。葉脈を残し

土のうつわで食べるおそうめんやアイスクリームはなぜおいしいか #まいにち土鍋

365日使える土鍋コッチョリーノ かつて陶芸の展覧会は、秋と冬にお声がかかることが多かった。「まいにち使える土鍋コッチョリーノ」を訴求したくて、10年ほど前、あえて夏に挑みたい!と各種ギャラリーにお願いした経緯がある。「冬は土鍋が売れない」という慣習から逸脱したかったのだ。 ココットでアイスクリーム Hiro Homemade Ice Cream さんとコラボして、ココットコッチョリーノで召し上がっていただくという企画を茅ヶ崎のギャラリーが企画してくださったたこともある

豆腐サラダ十八番 #まいにち土鍋

学生時代にバイトしていた小さな家庭料理の店のオーナーに教わった料理のひとつ「豆腐サラダ」。粉をはたいた豆腐を多めの油で焼いて、熱いうちにレモンをキュッとしぼって、隠し味にお醤油をタラっと一滴、カッテージチーズをぽんぽんと乗せて、ドレッシングみたいな白いソースをかけてた。いつか「明太子豆腐」について書いたと思うが、南青山の路地にあった小さなお店。その界隈にはファッションやデザインのオフィスがひしめき合っていてね。 あれから何十回、いや何百回つくっただろう。イタリア在住時代も材

夏至のトウモロコシごはんと決心と #まいにち土鍋

まいにちに、どうもありがとう ここ数日。ドキドキするくらいパワー強いなあ、直感力がはたらくというか、いけいけと背中をだれかにドンと叩かれている感じがするのだけれど、どなたかしら。そのおかげで落ち込むような状況でも、それ以上の出会いや思考が降ってくるので、どうもありがとう。 夏至のちからに、どうもありがとう 突然だけれど。実は、今まで、工房やキッチンの取材をいっさいお断りしてきた(ギャラリーの展示風景でのインタビューだけはお受けしてきた)。未熟な作家の背景なんてお見せでき

トマトとココナッツミルクのカレー風味ソース #まいにち土鍋

トマトたっぷりのカレーをつくって、そこにココナッツミルクが1/2缶くらい残っていたので加えた。ちょっと甘めのカレーになるんじゃないかなと思って。それがとってもおいしかったので、感動している。 具材はジャガイモとニンジン、トッピングに茹でたブロッコリーの残り。忙しいから、シンプルなことに冴える。 こんなに歳を重ねても、はじめての境遇にまいにち遭うものなのだなあと。きょうの心の動き、緊張というか、感情の動きは、なんとも体験したことのないものだった。いやいや昨日もそんなシーンが

今年の紫陽花とポット #まいにち土鍋

ポットに花を飾るのが好き。 剣山を入れてもいい。 ことしの庭の紫陽花は、花が少ししか咲かなかった。今年に限って剪定を失敗したのだと思う。背が高くなり、庭の角で大きく繁茂してた紫陽花は、もともと鉢植えで2輪咲けばいいほどのサイズだったが、いまや背は届かないし花は数えられないほど咲く。20数年経ち庭の植物が大きく育った。まいにちは、誰かの成長あってこそ自分の存在に気づきもの。 アポがあり早朝より遠征。 高速道路がガラガラだった奇妙な時代がとうとう終わった。あの感覚が大好きだっ

ドクダミヌーヴォ茶と古き良き友 #まいにち土鍋

16年前に旅立った友は大切なものを遺してくれた。それは古い親友たちに定期的に会うこと。 お世辞は言わない。突っ込める。昔の失態も失言も消すことのできない関係は、実は悪いものでない。人生は薔薇色ではないし、それを理想とするから疲れる。ちょっと曇ったくらいの彩に、時に華やかな色があるから明日が頼もしい。 まいとし、この日には庭のドクダミ茶をポットに淹れて持ってゆく。お墓の前でお菓子を頬張りお茶を飲む。最初はやりきれなかった気持ちからだったが、いまは笑いのコミュニケーション。

夏のはじまりとヨーグルト #まいにち土鍋

自家製ヨーグルトと庭の花 まいにちのプログラムがイレギュラー続きで、はじめてづくしで、目がまわっている。実際のめまいではない。すこぶる元気なのだが。少し考えごとがあったので、庭のサボテンに話しかけに行った。 玄米フレークにヨーグルトをかけてオレンジとバナナ、ドライにしておいたブルーベリーを入れて庭へ。庭のミントとレモンバーム、タンポポの花、ムラサキカタバミの花、ルーコラの花とつぼみを摘んでトッピング。 ケフィア菌が反応する気候になってきた。 自家製ヨーグルトがおいしくな