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まいにち土鍋

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「365日の土鍋コッチョリーノ」 蒸す、炊く、煮る、焼く...などの調理法と土鍋サイズを記すだけの質素な日記。レシピは別にしたためているので、いつの日か有効活用できればいいな。
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2022年8月の記事一覧

窯のさよなら。 #まいにち土鍋

その姿は残すなよな 窯の記録最初のページ。 台風で一日延期され、まさしく私の誕生日に窯は設置された。 コッチョリーノ移転にむけて、今を「さよなら」しないといけないことがたくさんある。これを決めた1年くらい前から、感傷的になることは捨ててゆくよう心に誓ったはずだったが、きょうはさすがに、ギュッと手を結んだ。解体中の写真は撮れなかった。「切り刻まれたその姿は残すなよな」と、窯の声が聞こえたのだ。 作業は8:30から始まった。硬い鎧をはがす前に、どうやら内側のレンガを、地響き

豚肉ズッキーニ土鍋丼 #まいにち土鍋

あぶないあぶない。 体力のエンプティランプが点灯している。 そんなときは、お肉を食す。 野菜中心な我が家だが、ちょっと力つけるよ!な時は鶏肉、よーしターボかけるよ!という時は豚肉をもりもり食べる。 素揚げしたズッキーニと生姜とニンニクで焼いた豚肉を、ごはんが見えなくなるまでたっぷり乗せる。みんなでつつく土鍋コッチョリーノ丼どうぞ。 8月29日(月) 盛る「土鍋コッチョリーノ3合炊き浅タイプ)

土鍋ラーメンチャーシューはいらない サボテンとの別れに想う #まいにち土鍋

中華三昧 北京風香塩をつくる。 土鍋に専用の汁を入れ、麺が茹で上がるのを待つ間に、トッピングになる食材を探る。タマネギ細めのくし切り、ニンジンは短冊切りにして炒める。コーンも炒めて隠し味に醤油を垂らす。あくまでも香塩の風味を消さないように。 「チャーシューもナルトもいらない」(矢野明子風に)って言ってたわよねって思ったけれど、「ネギは山盛りいれてね」ということで、冷蔵庫からネギを取り出してザクザク刻んだ。 土鍋でラーメンすると冷めにくい。 仕事関係の片付けと梱包が8割く

モロヘイヤとオクラのキムチ和え #まいにち土鍋

#まいにち土鍋は、前の日のことを書いて投稿しているのだが、さすがにオーバーキャパシティでやることなすことシワシワである。 そうであっても、食べる。とにかく食べる。 モロヘイヤは茎から葉を取る。オクラは板ずりして、ヘタの硬い部分を鉛筆を削るようにとる。そのあいだに鍋に湯を沸かし、沸騰したらオクラを入れ、2分後にモロヘイヤを入れて1分したら、ざるにあける。オクラは輪切り、モロヘイヤはギュッと絞って細かく切る。どちらも包丁を入れるとさらに粘り気が出て元気になる。だから、人間もこ

冷凍スープはミニミニ土鍋にぴったりサイズ #まいにち土鍋

家の階段を昇降し、重い荷物をうんしょと運び、おまけにきょうは「さようならの庭の木」のひとつである思い出深い桑の木の根っこを掘り出した。(漢方薬のために本来は冬に掘るのだが間に合わないので夏の根っこで試してみる) どのくらい「てんてこの舞」が上手になったかというと、記憶なく瞬間的に床に仰向けで眠ってしまうほど。 荷造りでも断捨離でもない。 生活いっさいがっさいの革命を起こしている感じなのだ。 何リットルの汗をかいたろう。 陶芸仕事をするなかで、いつものことだったから人より

東京生まれの土鍋コッチョリーノ最後のご納品 #まいにち土鍋

2019年12月、土鍋コッチョリーノワークショップを行った。小さな土鍋から「旅する土鍋」の特大サイズまでを使って蒸し料理をつくりながら、土鍋の魅力について語り合い、土鍋の疑問や料理の仕方の意見交換をするという会だった。 それは世の中を大嵐にまきこんだ直前のことだった。 当時、嵐のことなんか私たち何も知らないなか、マサチューセッツから一時帰国された佐藤政人氏も参加してくださった。わわわわ、遠くからありがとうございます!と、鳥肌が立つほど感激したことを覚えている。参加者のなか

まぐろテールの生姜焼き テールに生きる #まいにち土鍋

どんどん冷凍庫のものを食べていく週間。 あまりに美味しいので、横須賀の魚市場で買ったマグロのテール(輪切り)を冷凍したまま食べずにいた。 いいマグロかな?としっぽの輪切りをみて、市場の人は判断する。 1日かけて解凍して、キッチンペーパーで水を吸う。ニンニクとショウガをおろして、醤油と酒に混ぜて、輪切りを1時間ほど漬け込む。フライパンでやき、胡椒をふる。 髄にはゼラチン状のお宝がぷるんと。 食べ終わったあと、疲労困憊なカラダにエネルギーが湧き上がった。 マグロのテールの

最終便に想う 増富きゅうりのヨーグルトサラダ #まいにち土鍋

20年弱、毎月2回配達してもらった「野菜ボックス」の最終便がきた。胸がぐっと熱くなる。 畑山農場との出会いは、ある画家のかたからの紹介だった。イタリア修行から帰国してコッチョリーノが道なき道を歩き始めたときのこと。92年から99年まで日本の陶芸界を留守にしていたので、帰国後どこに向かって歩いたら良いのかもわからなかった。 人形町の老舗画廊でのグループ展で、コッチョリーノの前で足を止め、たいそう丁寧に作品を観てくださった。それだけでも嬉しいのに、たくさんの作品をご購入くださ

保存食である乳酸菌漬物「すんきの炒飯」 人生意気に感ずる生活 #まいにち土鍋

近ごろすんきの炒飯が気に入っている。 ▶︎先日のすんき炒飯 今回は、冷やごはんを投入する前に、すんきの漬け汁を煮詰め、乾燥させたしめじを加えた。しめじを噛むと肉のような深い味がする。まあなんとも滋味深い。 ①ごま油を温めニンニクで香りをつける。 ②すんきを加えて炒める。(水気があるので油はね注意) ③乾燥シメジを入れる。(なくてもいいが出汁がでて一層美味) ④冷やごはんを投入し、炒める。 ⑤塩、醤油で味を整える。 保存食が活きるとき 太陽の力がスーッと弱くなり、夏が行

桃とミント #まいにち土鍋

耐熱のスープ皿。具材の多いスープのためのうつわとしてつくったが、野菜ごろごろグラタンにも便利。冷蔵庫でうつわだけさっと冷やして果物を盛り付けるのも良い。 🍑 🍑  🍑 東京にも秋の気配が漂うようになったが、あいかわらず滝のような汗をかいて荷物を捨てたり箱に詰めたりしている。23年間の工房兼住宅をごそっと根こそぐのは、具材の多いスープをふうふうしながら、よく噛んで食べて、次の自分の栄養にしようと心の中で宣言する、そんな気持ちだ。 弊履を棄つるが如し、自分自身のジャッ

卵かけパスタ #土鍋コッチョリーノ

「てんてこ舞い」レベルは平均値を超えた。 本が多い。洋書やアート本、イタリア時代に集めたイタリア料理やインテリア本、家人の仕事関係の本、ハードカバーなど重い。60箱近くのダンボールに指示書を書いてきれいに積んで、行き先の倉庫面積に入るのか猛烈なチカラ仕事をした。 チカラ仕事の後は、しっかりお肉でもいただきたい気分だったが、食材がなんにもない。イタリアで買い溜めていたチーズの大きな塊(パルミジャーノ)はごろごろある。本と同様に、これまた重いのだが。 🥚 🥚 🥚 冷蔵庫に

甘酸っぱい四方山話 #まいにち土鍋

いまの住居と工房を離れるにあたり、寂しいのは23年間ともに仲良く暮らしてきたご近所のご家族と離れること。 さまざまな時代の波をを並走してきたし、コッチョリーノ22年間ほぼ全展覧会のご出席者さまでもある。土鍋はもちろんヴィンテージコッチョリーノやランプまであらゆるコッチョリーノアイテムをコレクションしてくださっており、食事はコッチョリーノづくしで出してくださる。コッチョリーノはすぐそこの窯で生まれて、一度よそゆき顔になって出ていき、また同じ敷地内に帰ってきていたというわけだ。

土鍋蒸しリンゴとリンゴの想い #まいにち土鍋

ごたぶんにもれず、感染症に一家で罹った友人宅の玄関に置配した。何が食べられるのだろうか?相手を想いながら考えるのだが、それがこんなにも難しいなんて。経験した友人に聞いてもそれぞれ欲するものや受けつけるものが違う。 時代を狂わせた今回のことは「相手のことを想像する」というレベルを大幅にレベルアップさせたのではないかな。相手とは、人やものだけでなく、自然や地球や宇宙に及ぶまで。戻って自分自身かもしれない。 「想う」が、自己保存的なもので美化されていないか考えている。「想いさえ

はじめごとラッシュ 買ってきた冷やし中華でもしあわせです #まいにち土鍋

うつわと生活 コッチョリーノ作品をお楽しみくださっているお客様に、親のことに続き、我が家のご散会なんて関係ないし、プライベートをさらけるのもどうだかなぁと悩んだ末だが、自分の日記なのでリミットを設けながら綴ることにしよう。 昨日は、わたしと家人が、地方の仮住まいの荷物でごった返したなかで過ごしたことを書いた。引っ越しトラックでの荷運び本番はもう少し先なので、その住処にもちろん布団はない。ああ、登山する家族でよかったなあと思うのは、そういうときに寝袋や銀マットが各人分あると