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まいにち土鍋

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「365日の土鍋コッチョリーノ」 蒸す、炊く、煮る、焼く...などの調理法と土鍋サイズを記すだけの質素な日記。レシピは別にしたためているので、いつの日か有効活用できればいいな。
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#イタリア

ズッキーニとミント #まいにち土鍋

「こういうもんだ」という概念が料理にもあって、それぞれの人や国によってちがい、各文化や個性につながっていたりするから大変興味深い。 ズッキーニの炒めかたや、ほうれん草の茹でかたが、国や民族によってちょっと違う。それが暮らしの中での知恵だったりするから、決して比較してああだこうだ言わないことを鉄則としてる。自分たちのやり方が「ふつう」と思っているからだね、そして「ふつう」って誰が決めるのだよと思う。 🌱  🌱  🌱 ズッキーニはくったくたになるほど炒めるミラノの師匠。ほう

上半期おまけ記事No.2 「夏至のころに仕込むクルミのお酒と一緒に」 #まいにち土鍋

エネルギーに満ちる季節 エネルギーに満ちる夏至の前後に、農作物に新しい命を与えたり、または魔除けの儀式をする風習が世界中にある。 カトリックの国では、暦に、ほぼまいにち「オノマスティコ」というゆかりの守護聖人の名が記されており、友人によっては「ボクの日だよ私の日よ」「おめでとう!」と返すこともある。夏至に近い6月24日は「聖ジョバンニの日」(聖ヨハネの日)とされている。この日は、焚き火で魔除けの神事を行ったり、太陽からふりそそぐエネルギーの恵与にあずかり聖なる花水をつく

カブとゴルゴンゾーラのサラダ #まいにち土鍋

ラーパ! イタリア語でカブ。 カブがたくさんあるので、おみおつけにしたり、グラタン風にしたりいろいろ調理するのだが、一番簡単なのがサラダ。 片口! 刻んだら片口に入れて塩もみして、水が出たらこぼす。そんなとき、うつわは片口が便利。きょうは土鍋でないけれど許して。15年以上前につくったヴィンテージコッチョリーノだが、シリーズ化しなかったブルーライン。琺瑯のコップをイメージして試作を重ねていたのだと記憶する。片口でボウル代わりになる深めなうつわをつくったのだ。 アチェト!オリ

ただいまカルボナーラ #土鍋コッチョリーノ

まちがえたカルボナーラがおいしかった イタリア人に話したら、きっと笑ってくれる。 正確にいうとカルボナーラをつくったつもりが、パルミジャーノチーズ(パルメザンチーズ)を入れ忘れ、卵かけごはんならぬ、卵かけパスタになってしまった。言い訳だけど、旅から帰宅して、間髪入れず諸々の予定と新規のアポにあふれ、頭の中が混乱していたのだろう。 イタリア人に話しても、怒らないだろう。けっこう寛大。 海の広場で長ばなし それどころか「日本でもカルボナーラするのね!うれしい!」と純粋に

満月のポタージュ ホワイトアスパラガスの茎と皮までいただきます #まいにち土鍋

満月なのに、月は雲のふとんにおやすみになっているのだろうか。雨ふりが多いので、庭が湿っていて虫も多い。ジャスミンも雨に重く濡れながら花殻を落としているので、ありがとうとバッサリ落とした。梅の木や桑などの樹木も、慌ただしいまいにちで遅くなったが、雨が上がったすきまに、甘さ満載な樹木の剪定をした。 きのうの記事「ほうれん草とベーコンのミネストラ」に「ヴェッルタータ」という名も羅列したが、これはポタージュのことで、ヴィロードのように滑らかなスープという意味。幻想的なネーミングだな

ほうれん草とベーコンのミネストラ #まいにち土鍋

1.ミネストラーレとズッピエラ 美食家であったPellegrinoArtusiは、プリモピアットと呼ばれるスープやパスタのカテゴリーを「ミネストラ」と称している。動詞はミネストラーレで、語源は「給仕する」というラテン語。ほら、映画などで大きな磁器の鍋にスープが入っていて、お給仕さんが取り分けているシーンがあるでしょ。イタリア人の家庭でもフォーマルな食卓で、ズッピエラという陶磁器や銀などのスープ鍋で運ばれてくることがある。 ボローニャの農場B&Bのオーナーから「パートナーのお