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まいにち土鍋

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「365日の土鍋コッチョリーノ」 蒸す、炊く、煮る、焼く...などの調理法と土鍋サイズを記すだけの質素な日記。レシピは別にしたためているので、いつの日か有効活用できればいいな。
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#まいにち土鍋

おむすびと涙 #まいにち土鍋

さて、7日の荷下ろしを終えた我らは、洗濯機をジロジロ見ながら(しつこい)、とりあえず急ぎの荷物を探したり洋服を引っ掛けたり、カーテンのサイズ測ったり、ガスや水道の対応したり。引越し荷物の受け入れが完了しても動きは止められず、結局、夜の高速道路を走り東京の空っぽの家に戻る。日付け変わって深夜到着。 その日は、粗大ゴミを20個出す。深夜に工房から全室のブラインドを外す。眠ったのは明るくなったころ 8日朝、体力的に相当辛かった。 立ち上がれるかなあ?と一瞬危機を感じたけど、屈伸

ココットでビールを 大きなカタツムリ住居兼工房の移動 #まいにち土鍋

もういつの話をしているのか、どの写真がいつの日に食べたものなのかわからなくなってきた。 6日の運び出しを終え、我らも荷物を追いかけて深夜の高速道路を移動した。寝不足、痛む体、ほんと良くないことわかっているけど荷物より先に着いてなくては始まらない。いまごろ我らの10トントラックも高速を走っているのだろうなと、ハイスピードで抜かして行く大型トラックを横目に。 現地到着。寝袋を用意して、泥の体は溶けてゆく。ココットコッチョリーノに注いだビールがおいしい。 📦  📦  📦 7

ひっこし炒飯 溶けてゆく食材とからだ #まいにち土鍋

晴れ。日差しは熱いが、心地よい風が全開放窓から突き抜ける気持ちのよい日だった。工房兼住宅の荷物の積み込みは5時間に及んだ。うつわは地味に自分たちで運び出したし、庭のテラコッタもバンに積み込んだのに、なのに。ろくろとか、配電盤とか、工房棚とか、とにかく無骨なものだらけ。 その5時間、プロの荷物運び人たちは集中力を欠かすことなく優秀で。まるでお芝居か、はたまた曲芸でも見ているようで感動すら覚えた。柔和な挨拶を欠かさない反面、うぉー!と雄叫びを上げて運ぶ。こんなに熱く全身を仕事に

餃子と鼻歌 #まいにち土鍋

時刻が変わってきょうはトラックが来る。3人家族という換算でなく土間工房つき。家庭用電源だけでなく工場用200V電源も延き込んでいたというイレギュラーな引越し。 子が夕食時に訪ねてきた。 まだまだやることはあるけれど、土鍋で米を炊いた。家人が芸術的に焼く餃子と、本場のフカヒレスープを温めて、そこに卵を流した。食材は限られている。ひよこ豆にオリーブオイルとリンゴ酢で味をつけてレタスとサラダにした。 「引越し先にたまには顔出してよね」と声をかけても、返事はなく大きな音で音楽をか

豚肉ズッキーニ土鍋丼 #まいにち土鍋

あぶないあぶない。 体力のエンプティランプが点灯している。 そんなときは、お肉を食す。 野菜中心な我が家だが、ちょっと力つけるよ!な時は鶏肉、よーしターボかけるよ!という時は豚肉をもりもり食べる。 素揚げしたズッキーニと生姜とニンニクで焼いた豚肉を、ごはんが見えなくなるまでたっぷり乗せる。みんなでつつく土鍋コッチョリーノ丼どうぞ。 8月29日(月) 盛る「土鍋コッチョリーノ3合炊き浅タイプ)

土鍋ラーメンチャーシューはいらない サボテンとの別れに想う #まいにち土鍋

中華三昧 北京風香塩をつくる。 土鍋に専用の汁を入れ、麺が茹で上がるのを待つ間に、トッピングになる食材を探る。タマネギ細めのくし切り、ニンジンは短冊切りにして炒める。コーンも炒めて隠し味に醤油を垂らす。あくまでも香塩の風味を消さないように。 「チャーシューもナルトもいらない」(矢野明子風に)って言ってたわよねって思ったけれど、「ネギは山盛りいれてね」ということで、冷蔵庫からネギを取り出してザクザク刻んだ。 土鍋でラーメンすると冷めにくい。 仕事関係の片付けと梱包が8割く

モロヘイヤとオクラのキムチ和え #まいにち土鍋

#まいにち土鍋は、前の日のことを書いて投稿しているのだが、さすがにオーバーキャパシティでやることなすことシワシワである。 そうであっても、食べる。とにかく食べる。 モロヘイヤは茎から葉を取る。オクラは板ずりして、ヘタの硬い部分を鉛筆を削るようにとる。そのあいだに鍋に湯を沸かし、沸騰したらオクラを入れ、2分後にモロヘイヤを入れて1分したら、ざるにあける。オクラは輪切り、モロヘイヤはギュッと絞って細かく切る。どちらも包丁を入れるとさらに粘り気が出て元気になる。だから、人間もこ

冷凍スープはミニミニ土鍋にぴったりサイズ #まいにち土鍋

家の階段を昇降し、重い荷物をうんしょと運び、おまけにきょうは「さようならの庭の木」のひとつである思い出深い桑の木の根っこを掘り出した。(漢方薬のために本来は冬に掘るのだが間に合わないので夏の根っこで試してみる) どのくらい「てんてこの舞」が上手になったかというと、記憶なく瞬間的に床に仰向けで眠ってしまうほど。 荷造りでも断捨離でもない。 生活いっさいがっさいの革命を起こしている感じなのだ。 何リットルの汗をかいたろう。 陶芸仕事をするなかで、いつものことだったから人より

まぐろテールの生姜焼き テールに生きる #まいにち土鍋

どんどん冷凍庫のものを食べていく週間。 あまりに美味しいので、横須賀の魚市場で買ったマグロのテール(輪切り)を冷凍したまま食べずにいた。 いいマグロかな?としっぽの輪切りをみて、市場の人は判断する。 1日かけて解凍して、キッチンペーパーで水を吸う。ニンニクとショウガをおろして、醤油と酒に混ぜて、輪切りを1時間ほど漬け込む。フライパンでやき、胡椒をふる。 髄にはゼラチン状のお宝がぷるんと。 食べ終わったあと、疲労困憊なカラダにエネルギーが湧き上がった。 マグロのテールの

最終便に想う 増富きゅうりのヨーグルトサラダ #まいにち土鍋

20年弱、毎月2回配達してもらった「野菜ボックス」の最終便がきた。胸がぐっと熱くなる。 畑山農場との出会いは、ある画家のかたからの紹介だった。イタリア修行から帰国してコッチョリーノが道なき道を歩き始めたときのこと。92年から99年まで日本の陶芸界を留守にしていたので、帰国後どこに向かって歩いたら良いのかもわからなかった。 人形町の老舗画廊でのグループ展で、コッチョリーノの前で足を止め、たいそう丁寧に作品を観てくださった。それだけでも嬉しいのに、たくさんの作品をご購入くださ

保存食である乳酸菌漬物「すんきの炒飯」 人生意気に感ずる生活 #まいにち土鍋

近ごろすんきの炒飯が気に入っている。 ▶︎先日のすんき炒飯 今回は、冷やごはんを投入する前に、すんきの漬け汁を煮詰め、乾燥させたしめじを加えた。しめじを噛むと肉のような深い味がする。まあなんとも滋味深い。 ①ごま油を温めニンニクで香りをつける。 ②すんきを加えて炒める。(水気があるので油はね注意) ③乾燥シメジを入れる。(なくてもいいが出汁がでて一層美味) ④冷やごはんを投入し、炒める。 ⑤塩、醤油で味を整える。 保存食が活きるとき 太陽の力がスーッと弱くなり、夏が行

桃とミント #まいにち土鍋

耐熱のスープ皿。具材の多いスープのためのうつわとしてつくったが、野菜ごろごろグラタンにも便利。冷蔵庫でうつわだけさっと冷やして果物を盛り付けるのも良い。 🍑 🍑  🍑 東京にも秋の気配が漂うようになったが、あいかわらず滝のような汗をかいて荷物を捨てたり箱に詰めたりしている。23年間の工房兼住宅をごそっと根こそぐのは、具材の多いスープをふうふうしながら、よく噛んで食べて、次の自分の栄養にしようと心の中で宣言する、そんな気持ちだ。 弊履を棄つるが如し、自分自身のジャッ

卵かけパスタ #土鍋コッチョリーノ

「てんてこ舞い」レベルは平均値を超えた。 本が多い。洋書やアート本、イタリア時代に集めたイタリア料理やインテリア本、家人の仕事関係の本、ハードカバーなど重い。60箱近くのダンボールに指示書を書いてきれいに積んで、行き先の倉庫面積に入るのか猛烈なチカラ仕事をした。 チカラ仕事の後は、しっかりお肉でもいただきたい気分だったが、食材がなんにもない。イタリアで買い溜めていたチーズの大きな塊(パルミジャーノ)はごろごろある。本と同様に、これまた重いのだが。 🥚 🥚 🥚 冷蔵庫に

土鍋蒸しリンゴとリンゴの想い #まいにち土鍋

ごたぶんにもれず、感染症に一家で罹った友人宅の玄関に置配した。何が食べられるのだろうか?相手を想いながら考えるのだが、それがこんなにも難しいなんて。経験した友人に聞いてもそれぞれ欲するものや受けつけるものが違う。 時代を狂わせた今回のことは「相手のことを想像する」というレベルを大幅にレベルアップさせたのではないかな。相手とは、人やものだけでなく、自然や地球や宇宙に及ぶまで。戻って自分自身かもしれない。 「想う」が、自己保存的なもので美化されていないか考えている。「想いさえ