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まいにち土鍋

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「365日の土鍋コッチョリーノ」 蒸す、炊く、煮る、焼く...などの調理法と土鍋サイズを記すだけの質素な日記。レシピは別にしたためているので、いつの日か有効活用できればいいな。
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#フード

土鍋でつくるボンゴレ・イン・ビアンコ #まいにち土鍋

土鍋でつくる Gli spaghetti alle vongole in biancoは、毎年恒例「旅する土鍋イタリア」で、頻繁につくったメニューのひとつ。作りかたは、 ボンゴレが ビアンコにインして蒸されるスパゲッティという名の通りでシンプル。貝が硬くならないように、スパゲッティが柔らかくならないように、このリズム感、ラテン風にノリよくいきたいなって思う。 IH炭かまど®︎+コッチョリーノの場合は、ダブルの蓄熱効果(※)があるため、パスタを投入してからはスイッチオフにし

しあわせ鶏の土鍋スープとホームパーティ 知ることのすべて #まいにち土鍋

昨日受注が開始された IH炭かまど COCCIORINO Edition ご覧いただけましたでしょうか。初日は好調、みなさまに感謝申し上げます。不明な点やお迷いごとなど、お気軽にご相談ください。引きつづきよろしくお願いします。 ちょっとブレイク 仕事が押して到着が遅くなった。 冷やした土鍋コッチョリーノにチーズを詰め込んで、早足にベルを鳴らす。こんばんは。シャンパーニュを注いでもらい乾杯。みんなは、もう前菜まで食べ終わっていた。ごめんね、ごめん。 今夜のホストは、フレ

タケノコ玄米ごはん「うつわはなんのためにある」 #まいにち土鍋

個展のためスーパーハードなまいにちを過ごしている。朝も夜も盛りだくさんで、料理の「りょ」の字も出ない毎日だけれど、とても幸せな時間を過ごしている。なぜなら、一日中お客様とうつわの話をしているからだ。 うつわをつくる時、どんな料理を入れようか考える反面で、あらゆる理由で「料理できない」「食べられない」という状況も、想っている。 小さな手の我が子に与えるお茶碗が欲しくてつくったごはん茶碗だが、食が細くなられたご高齢の方々にも喜ばれていることを知った。胃のほとんどを除去した友人

玄米ごはんの蟹穴と展覧会初日 #まいにち土鍋

個展初日を無事に迎えることができた。 8割ほど作品がなくなってしまったこと、嬉しく思うと同時に、明日の2日目からどうしようかとうれしい悲鳴で深夜も心がうるさい。 今回の個展初日も、あふれるほどのお客様がエネルギッシュにご来店くださり、こういうエネルギーはものごとを動かすよねというくらい空間がぐらぐらしていた。宮崎駿監督の映画みたいに神がかる瞬間があるのだ。歌が聴こえるような。風がびゅうと吹くような。お客さまが、神っぽい。 こういうのを、人とモノのエネルギーというのだと思っ

ピスタチオのドーナツとまるくまるくと願う展覧会 #まいにち土鍋

ピスタチオのドーナツを子が買ってきてくれた。「ホーカス・ポーカス」のドーナツだ。全てうまくいきますようにと呪文を唱えながらまるいドーナツを食べる。 スープ皿の把手を丸くしている理由はいくつかある。大きな指にも子どもも指にも使いやすいサイズを探求しつづけた。 それともうひとつ。我が子が3歳くらいのとき作品を見て「おいしそうな色やおいしそうな形が好き」と言っていた。それだ!と思った。 展覧会「道」 いよいよ本日11:00から、工房休止前の展覧会「道」がはじまる。なんとも自

タンポポのヨーグルトソースと個展の準備 #まいにち土鍋

タンポポのヨーグルトソース プレーンヨーグルト大さじ5くらいに、オリーブオイル大さじ1くらいをツツーッとかけて小さな泡立て器でかき混ぜる。個人的にはオイル多めが好き。 タンポポの花びらを散らして和え、塩と胡椒はお好みで。蒸したり茹でたりしたブロッコリーにかけたりすると春らしい一品に。 メルヘンだからタンポポを入れると思うなかれ。日本でも古くから薬草として使われてきたし、漢方の世界では生薬名を蒲公英という。イタリア人やフランス人の友だちも、サラダやサンドイッチの具として食べ

桜ブッラータに山の料理を想う #まいにち土鍋

「春の山を想う」 いただいた桜ブッラータを土鍋に盛りつけた。 岩塩をガリッガリ桜香を楽しみたいから今回オリーブオイルはなしで、さっぱりいただく。中から生クリームが決壊しても大丈夫。真っ白なチーズを見ていたら、春の雪山のぼりを思い出した。 山の料理 毎年、5月の連休は八ヶ岳の山開きしたての山小屋に泊まるのが恒例だった。麓には山桜が咲いていても、中腹からザックザクとアイゼンをつけて登る5月の山行。溶けては凍るをくり返した氷の道が怖い。 夏はテントを担いで登った。 山で料

よもぎごはんと草むしり #まいにち土鍋

庭いっぱいのよもぎが薫る朝。 草むしりが楽しい季節。 東京の野草 庭のよもぎと桑は、15年ほど前、近所の小川から10センチくらいの茎と根を引っこ抜いて挿木したもので、桑の葉は、子どもが飼っていたお蚕さまの安全な野草として。桑の木は大木となり、この10年は甘い実が鈴なりで野鳥の安全な実になる。 よもぎは、人間の安全な野草として。よもぎは、放っておいてもこぼれ種で自家繁茂する。 草むしりと東京 朝、草むしりをしながら聞こえてくる自然音と生活音がとても愉快だ。 近ごろ里

だからシナモンロールを魚グリルで温める #まいにち土鍋

前の日に、PASCOのシナモンロールを買っておいたので、朝起きるのが楽しみだった。子どもじゃないのに、案外こういうことにウキウキする。人気店の食パンでもなく、炊き立てのごはんでもない。手づくりでもなんでもない。そんなものだ、ウキウキというのは 展覧会に出す作品に金継ぎをしながら、約束のない明日を考える。明日は、あすかもしれないし、1年後であり10年後かもしれない。あの曲を聴きながらあの本を絶対に読むんだとか、あの山を歩きながら食べるおむすびの具は何がいいかなとか、どんなうつ

牡蠣ごはんと喝采 #まいにち土鍋

喝采 丁寧に牡蠣の下ごしらえをして炊いた牡蠣ごはん。料理ができあがった瞬間や、いただきますの前に、思わず拍手喝采(心のなかで小さくパチパチでもいい)することがある。ひとりでつくって食べる時、家族や友人がいる時、それは関係ない。 誰かに拍手されたいのではない。喜ばれるからつくるのではない。自らに喝采を博す。料理も、陶芸の仕事も似ていて、まいにちだれかに期待していたら続かない。食材を、素材を味方につけるのだ。 土鍋牡蠣ごはん 煮汁の中から豊潤に光る牡蠣を取り出す。 牡蠣の

土手鍋つくりながら吹きガラスの弟子だった頃を思い出す #まいにち土鍋

北海道 厚岸の牡蠣が届いて、胸が高鳴った。 もちろん生牡蠣にレモン垂らしてチュルンと。 あとは、どうやっていただこう。 ありがとうMさん。 どうしてこの料理を知ってるんだろう ふと、思うことがある。 今夜の土手鍋もそのひとつだった。 しかし、そのこっくりと味噌味の鍋のなかに牡蠣が泳いでいたことが思い出せない。土鍋の縁に赤い味噌を塗った記憶はある。一発で手の記憶がよみがえり、迷いなく土鍋の縁に味噌の土手ができた。 料理って、不思議だ。 まいにちにの記憶、アルバムだ。

土鍋との相性よき カルド・ヴェルデ「世界のスープ図鑑より」#まいにち土鍋

里山の販売所で見つけたケール。深緑色に加えて、今年は春先の寒波に当たった効果で、赤紫ケールの葉もいっそう鮮やかなのだそう。 「世界のスープ図鑑」(佐藤政人 著)の中で、最も頻度高くつくるのが ポルトガルの「カルド・ヴェルデ」(緑のスープ)。質が良く、価格も手頃なケールを見るとつくろう!と、反射的にこのレシピが思い浮かぶようになった。もうページを見なくてもつくれるかな。 相性の良い言葉とレシピ 先日、蔵書の整理をしていて思ったことがある。 本棚には、大人になる前から集めた

工場見学と土鍋実験② #まいにち土鍋

横のつながり 工場見学と土鍋実験① に行ったのは東大阪市。 最寄り駅にお迎えに来ていただきお世話になったのだが、会社に到着するまでの道すがら、工場が並ぶ風景に興味津々。「ここはなんの工場ですか?」「どんなものを造っているのですか?」「規模はどのくらいですか?」などなどたくさん質問してしまった。工場には「鋳物」「アルミ加工」「ネジ」「部品」など、専門業種名が掲げてあり、クルマの窓からキョロキョロしてしまった。 加工といっても素材によって機械や技術が変わるわけで、工場団地内

工場見学と土鍋実験① #まいにち土鍋

「旅する土鍋」久しぶりに再始動。 ただし今回はスペシャル。旅先で郷土料理をワイワイでない。IH調理器を土鍋で使うための道具をつくっている会社に、工場見学とコッチョリーノ実験(計測)にきたのだ。 本当に有能な製品なので、もっと早くご紹介の段取りを組もうと思っていたのに、世の移動を控える策やらで滞っていた。ご紹介スルスルと言いながらお待たせして、ごめんなさいね。数年探し続けてようやく見つけた優れた商品だからこそ、丁寧にご紹介したいと思っている。 先ずは炊飯実験。加えて東京か