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まいにち土鍋

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「365日の土鍋コッチョリーノ」 蒸す、炊く、煮る、焼く...などの調理法と土鍋サイズを記すだけの質素な日記。レシピは別にしたためているので、いつの日か有効活用できればいいな。
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#食

ズッキーニとミント #まいにち土鍋

「こういうもんだ」という概念が料理にもあって、それぞれの人や国によってちがい、各文化や個性につながっていたりするから大変興味深い。 ズッキーニの炒めかたや、ほうれん草の茹でかたが、国や民族によってちょっと違う。それが暮らしの中での知恵だったりするから、決して比較してああだこうだ言わないことを鉄則としてる。自分たちのやり方が「ふつう」と思っているからだね、そして「ふつう」って誰が決めるのだよと思う。 🌱  🌱  🌱 ズッキーニはくったくたになるほど炒めるミラノの師匠。ほう

ジャルディニエーラと知己朋友との晩餐 #まいにち土鍋

ジャルディニエーラとは 「女性庭師」のほか、「野菜のピクルス」を指し示す単語。(ジャルディーノは庭という意味) たしかトマトソースづくりの前に、夏にたくさん獲れる野菜を、せっせと酢漬けやオイル漬けにしてたなぁと、遠い夏を思い出しながらつくっている。(文末にレシピあり) きのうつくったのは、庭で大豊作な不断草(スイスチャード)と、配達してもらっている無農薬野菜のカブ(たぶん農場で大豊作なのだろう)の「ジャルディニエーラ(ソット・アチェト)」(野菜の酢漬け)。 次は、先日

あんかけカニ玉はごはんに乗せたくなる #まいにち土鍋

あんかけは天の川みたいだなあと、七夕をこじつけるようにキッチンで熱いフライパンを持ちながらカニ玉をつくる。 途中、ギャラリーのオーナーから電話があり、2年先の企画個展について打診くださった。可能不可のお答えよりも先にとっても嬉しかったし、制作ができない状況においても「陶芸作家」と思って下さっていることに感無量。「まだつくれますよ、がんばって」と檄を飛ばしてくださった。イタリアから帰国した際「これから伸びますよ」と、わたしを救ってくれた作家の登竜門ともいわれていたギャラリー。

酢飯のおむすび葉っぱ巻きとうちのカナチョロ #まいにち土鍋

庭の住民 おむすびを巻いた葉っぱは、庭の不断草(英: スイスチャード/伊: ビエトラ)。その放任育成っぷりについては、先日の書いた通り。前回は不断草のフリッタータ(オムレツ)をつくったが、このあとも食べきれないほど茂っており、おひたしやら炒め物やら作り放題。取り損ねてもある一定の大きさで成長をとめて、私たちを待っていてくれるくらい寛大で。 不断草の森には一匹のカナチョロ(カナヘビ)が住んでいて、毎朝水をまくと「おいおい、なんだよ、聞いてないよ」と、今やちょっぴり悲しいギャ

面取りの手間を惜しまなかったジャガイモの煮っ転がし 八百屋と工房 #まいにち土鍋

暗くなるまで仕事をしていて、昼間は買い物などの家事をあまりしてこなかった。子どもが保育園や学校にいってる間こそ、集中して仕事できる時間だったので、八百屋より工房だった。 もともとは八百屋さんだったスーパーが近くにある。朝仕入れられた野菜は手際よく並べられていくのだが、その威勢よい仕事っぷりに見惚れていたりすると、あ、ごめんなさいと、お邪魔になってしまう。 昼前には、店先に旬野菜がごろごろ並ぶ。日差しや雨を避けるため、テント屋根が出っ張っていてその下にきゅきゅきゅっと箱が整

上半期おまけ記事No.1 「ゲストハウスから森の野草と土鍋が待っている場所へ」 #まいにち土鍋

ゲストハウスから森の野草と土鍋が待っている場所へ ある日、森の中で野草パーティーが開かれた 天気予報は曇りや雨マークだったけれど、近くの山々がそれをさえぎった。所用もあったので前入りしてゲストハウスに素泊まりする。背中には大きな登山用のザック。天気予報が雨マークだったこと、6月初旬は寒暖の差もあるので、レインウェア、野草摘み用の長靴やら長袖、花切りバサミ、そして野草料理の試食会でつかう食器、ゲストハウス泊まりなのでバスタオルやら洗面道具、水筒も入っている。わりとパンパンだ。

ハコベと内藤とうがらしのごはん #まいにち土鍋

庭のハーブが育っているそのあいだに、身を潜めるように、春の七草でもあるハコベがまだ咲いていた。こんなに急に夏がきてしまうと、庭の春がいってしまうのをとめたいような、そんな気持ちになり、ハコベすら愛おしくてたまらない。 🌱  🌱  🌱 繊細な植物なので、ていねいに抜き、やさしく水洗いする。沸騰したお湯に洗ったハコベを入れてさっと湯がき、水にとったら冷水で色どめする。水気をよく絞り、硬い茎をのぞき、柔らかい茎や葉をすべてみじん切りにする。 土鍋で炊き上がったごはんに、塩を少

土鍋ごはんでルーコラおにぎり #まいにち土鍋

ルーコラよ、どう生きたいか 庭のルーコラは、やわらかい葉の幼児期から成人期に入っている。花を咲かせて生育を競い合い、なかには花盛りをおえて、実をつけているものもいる。花を咲かせたらおいしい葉が伸びないと言われているが、この暑さだと、やわな葉っぱもぐったりするだろうから、ぐいぐい伸ばし放題にさせている。彼らが生き生きしているように見えるからだ。植物と対話すると、どう生きたいか、生きる決着みたいなことも話してくれるのだから、おもしろい。 まいにちの暑さに負けず、好きなように生

冷製タマネギのミルクスープに入れる隠し味 #まいにち土鍋

冷やしてさっぱりと、たっぷりと飲める。 タマネギには血管を守る成分が多く含まれていることは周知の通り。タマネギをたっぷり使いフードプロセッサーで細かくし、牛乳や豆乳でわる。 肉だけでなく、ミルクの脂肪香をほどよく消すのがナツメグ。冬はナツメグなしで温かいままミルクとバターの風味を消さず楽しむのもよいけれど、夏は甘い芳香漂うナツメグを削り入れ、乳製品の香りを抑え、さらには冷やせばタマネギの爽やかな香りが楽しめる。同じスープでも、季節によって主役を変えるのも面白い。スパイスひ

マウンテントマトライス #まいにち土鍋

きのうのフリッタータに添えたのは、豪快なトマトライス。トマトライスの山に登りたくなるでしょ。たいしたことでは驚かなくなった家族も、この山には「おお!」と言う。 中華屋さんで、炒飯の山が登場するのは、冷めにくいからだと聞いたので、そんな効果も狙った一品。 タマネギとベーコン入りのトマトソースだったと思う、冷蔵庫にあったそれを冷えたごはんを炒めながら、半ばころにトマトソースをジャーっと入れてさらに炒めただけ。ごはんに均等に混せたら、そのあとは片面ずつ焼くような感覚でカリッとさ

土のうつわで食べるおそうめんやアイスクリームはなぜおいしいか #まいにち土鍋

365日使える土鍋コッチョリーノ かつて陶芸の展覧会は、秋と冬にお声がかかることが多かった。「まいにち使える土鍋コッチョリーノ」を訴求したくて、10年ほど前、あえて夏に挑みたい!と各種ギャラリーにお願いした経緯がある。「冬は土鍋が売れない」という慣習から逸脱したかったのだ。 ココットでアイスクリーム Hiro Homemade Ice Cream さんとコラボして、ココットコッチョリーノで召し上がっていただくという企画を茅ヶ崎のギャラリーが企画してくださったたこともある

毎年恒例!土鍋トウモロコシごはん #まいにち土鍋

夏はどこに隠れているか。 少し前になるけれど、おいしそうなトウモロコシを見つけたので、さっそく恒例の炊き込みごはんを。先日、散歩で見つけた近所の畑のトウモロコシが食べごろになるのは、もう少し先かな。人間たちだけでなく、もう少しおひさまが照るのを待っている表情だった。 去年コッチョリーノの動画をご参照していただけたら!動画と変わったのは炊きかた。この半年はIH炊飯に変えて、スイッチオンにしたら火加減の調整なしで放置するだけの革命的簡単炊飯に変わった!(炎の炊飯も動画の頃より

リズミカルに粉吹き芋 #まいにち土鍋

ジャガイモのデンプンをつないでいるペクチンの働きが弱まると、角が取れるように煮崩れる。粉はデンプンが浮いてきた証。小学生の家庭科でそう習ったと思う。茹でるときに塩を入れて茹でるのは、そのペクチンを溶けやすくするからだったと思う。あってるかな。 食べられる理科という感覚があったので、家庭科が割と好きだった。 料理というのは、どこかのタイミングで自己流になるもので。茹でたら、水を切って、蓋をしてゆさぶる。わりと派手にリズミカルにゆさぶる。少し火にかけて水分とばしたらまた蓋をし

IH炭かまど®︎に平皿コッチョリーノ乗せて山ちゃん焼いてみた #土鍋コッチョリーノ

出張先から帰ってきた青年が、世界の山ちゃんの手羽先をいっぱい買ってきてくれた。山ちゃんの手羽先は冷たくても食べられるが、じゅうっと焼くとふんわりさが戻ってきて、やっぱり熱々はおいしい。 ああ、おいしかったの後、実は….。 6月11日(土) 焼く「耐熱の皿コッチョリーノ」 まえがきでもあとがきでもないくらい短い日記コッチョリーノ