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まいにち土鍋

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「365日の土鍋コッチョリーノ」 蒸す、炊く、煮る、焼く...などの調理法と土鍋サイズを記すだけの質素な日記。レシピは別にしたためているので、いつの日か有効活用できればいいな。
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#料理

エビのトマト煮込みと庭のパセリ きっといいことあるなと思うから料理する #まいにち土鍋

冷凍庫のさよなら 窯のさよならにつづき、庭のさよならも、ただならぬ悲壮感があるのだが、昨日も書いたが「感傷的になるまい」と心に誓ったからこそ、どう心をもちあげていこうかまいにち考えている。 そうそう、冷凍庫のさよならも、けっこうグッとくる。こちらは消費期限にも関わってくるので、スパッとそこで断ち切るのが常識だ。このエビは、わたしの独立を強く支えてくれた上司であり人生の先輩が毎年贈ってくれた海鮮物。彼女は去夏「さよなら」も言えないまま旅立ったが、そのあとも贈り物はそのご家族

豚肉ズッキーニ土鍋丼 #まいにち土鍋

あぶないあぶない。 体力のエンプティランプが点灯している。 そんなときは、お肉を食す。 野菜中心な我が家だが、ちょっと力つけるよ!な時は鶏肉、よーしターボかけるよ!という時は豚肉をもりもり食べる。 素揚げしたズッキーニと生姜とニンニクで焼いた豚肉を、ごはんが見えなくなるまでたっぷり乗せる。みんなでつつく土鍋コッチョリーノ丼どうぞ。 8月29日(月) 盛る「土鍋コッチョリーノ3合炊き浅タイプ)

モロヘイヤとオクラのキムチ和え #まいにち土鍋

#まいにち土鍋は、前の日のことを書いて投稿しているのだが、さすがにオーバーキャパシティでやることなすことシワシワである。 そうであっても、食べる。とにかく食べる。 モロヘイヤは茎から葉を取る。オクラは板ずりして、ヘタの硬い部分を鉛筆を削るようにとる。そのあいだに鍋に湯を沸かし、沸騰したらオクラを入れ、2分後にモロヘイヤを入れて1分したら、ざるにあける。オクラは輪切り、モロヘイヤはギュッと絞って細かく切る。どちらも包丁を入れるとさらに粘り気が出て元気になる。だから、人間もこ

東京生まれの土鍋コッチョリーノ最後のご納品 #まいにち土鍋

2019年12月、土鍋コッチョリーノワークショップを行った。小さな土鍋から「旅する土鍋」の特大サイズまでを使って蒸し料理をつくりながら、土鍋の魅力について語り合い、土鍋の疑問や料理の仕方の意見交換をするという会だった。 それは世の中を大嵐にまきこんだ直前のことだった。 当時、嵐のことなんか私たち何も知らないなか、マサチューセッツから一時帰国された佐藤政人氏も参加してくださった。わわわわ、遠くからありがとうございます!と、鳥肌が立つほど感激したことを覚えている。参加者のなか

まぐろテールの生姜焼き テールに生きる #まいにち土鍋

どんどん冷凍庫のものを食べていく週間。 あまりに美味しいので、横須賀の魚市場で買ったマグロのテール(輪切り)を冷凍したまま食べずにいた。 いいマグロかな?としっぽの輪切りをみて、市場の人は判断する。 1日かけて解凍して、キッチンペーパーで水を吸う。ニンニクとショウガをおろして、醤油と酒に混ぜて、輪切りを1時間ほど漬け込む。フライパンでやき、胡椒をふる。 髄にはゼラチン状のお宝がぷるんと。 食べ終わったあと、疲労困憊なカラダにエネルギーが湧き上がった。 マグロのテールの

保存食である乳酸菌漬物「すんきの炒飯」 人生意気に感ずる生活 #まいにち土鍋

近ごろすんきの炒飯が気に入っている。 ▶︎先日のすんき炒飯 今回は、冷やごはんを投入する前に、すんきの漬け汁を煮詰め、乾燥させたしめじを加えた。しめじを噛むと肉のような深い味がする。まあなんとも滋味深い。 ①ごま油を温めニンニクで香りをつける。 ②すんきを加えて炒める。(水気があるので油はね注意) ③乾燥シメジを入れる。(なくてもいいが出汁がでて一層美味) ④冷やごはんを投入し、炒める。 ⑤塩、醤油で味を整える。 保存食が活きるとき 太陽の力がスーッと弱くなり、夏が行

卵かけパスタ #土鍋コッチョリーノ

「てんてこ舞い」レベルは平均値を超えた。 本が多い。洋書やアート本、イタリア時代に集めたイタリア料理やインテリア本、家人の仕事関係の本、ハードカバーなど重い。60箱近くのダンボールに指示書を書いてきれいに積んで、行き先の倉庫面積に入るのか猛烈なチカラ仕事をした。 チカラ仕事の後は、しっかりお肉でもいただきたい気分だったが、食材がなんにもない。イタリアで買い溜めていたチーズの大きな塊(パルミジャーノ)はごろごろある。本と同様に、これまた重いのだが。 🥚 🥚 🥚 冷蔵庫に

土鍋蒸しリンゴとリンゴの想い #まいにち土鍋

ごたぶんにもれず、感染症に一家で罹った友人宅の玄関に置配した。何が食べられるのだろうか?相手を想いながら考えるのだが、それがこんなにも難しいなんて。経験した友人に聞いてもそれぞれ欲するものや受けつけるものが違う。 時代を狂わせた今回のことは「相手のことを想像する」というレベルを大幅にレベルアップさせたのではないかな。相手とは、人やものだけでなく、自然や地球や宇宙に及ぶまで。戻って自分自身かもしれない。 「想う」が、自己保存的なもので美化されていないか考えている。「想いさえ

その地の食はじめ #まいにち土鍋

エネルギー残量閾値が警告を鳴らしているが、これは仮住まい(工房に関しては仮置き場)。引越し本番まであともうちょっと。しかも、その後にもう一回引っ越しが待っているのだ。 引越し業者は作品関係の運びはできないというので、自分たちでせっせせっせと東京から地方を何回も往復して運んでいるのだ。 その地のお惣菜 既に仮の住処は荷物でいっぱいだ。まだガスは通っていないしガスコンロも冷蔵庫もないから料理はできない。 ちいさな町のお惣菜屋さんに入る。 使い込まれて焦茶色になったアルミ

豚キムチのナムル丼 食べる時間に愛を捧げる #まいにち土鍋

冷蔵庫と相談すればいい。 あとは、カラダの声を聴く。 豚の生姜焼きを数枚のこしてあったものを短冊切りして、さっと湯通ししたもやし、プチトマトが少しあればいい。きゅうりがあれば加えてもいいし、トマトがなければいれなければいい。常備してあるキムチを入れて、ごま油をつつつーっとかけ、塩をぱらぱら、黒酢を隠し味に。 残り物の生姜焼きに、じゅわんと染みた黒酢味がなんともおいしい。温かいごはんでもいいし、冷たくなったごはんでもいい。もろもろ苦労したイタリア生活で磨いた技だと思うが、冷

ポーク丼 まいにち土鍋

てんてこ舞が警戒レベルのサインを鳴らしはじめ、夕刻に突然ペタリ床でもどこで寝て忍者みたいに気配をくらますようになってしまったので、豚肉をがっつり焼くことにした。 お酒につけて、味つけは塩麹。ニンニクで香味つけたオイルにお肉を並べる。フライパンふたつ使って木琴弾きみたいに手を交差させてお肉をひっくり返して、ちょっと焦げ目つくまで焼く。その合間、もやしをざっと湯がき、短冊切りにしたズッキーニも炒める。トマトも切って。 土鍋で炊いたごはんの上にどうぞ。 部屋のなかまで香ばしい。

お惣菜とゆくらすという生き方 沁沁と満月を #まいにち土鍋

忙しくても疲労困憊でも3食とる。 健康のためだけでない。想う時間をつくるためだ。 買ってきたお惣菜をうつわに移す。このひと手間だけで意識が変わることに気づいたのは、子どものころポテトチップスを食べるときに親が言ったあの一言だ。インスタ映えとか、そういう見た目ではない。気持ちの話。 「ポテトチップスやかっぱえびせんもお皿に出して食べてごらん」 幼少期、スナックは体に悪いと教えるのでなく「お皿に出して食べてごらん」と言った親には、大切なことを教わったと思っている。 冒頭の

オールインワンたこ飯がとまらない #まいにち土鍋

重量あげチャンピョンになれるか!というような、発汗王者になれるか!というようなまいにちを過ごしているが、なんせ人生で食欲不振というものに至ったことがない。 冷凍庫のものもそろそろ消費していかねばならない。 札幌市中央市場から!という「たこ親爺 お墨つき」という駄洒落ダブルネームのタコの煮付けの冷凍が見つかった。土鍋でおいしいごはんを炊いて、そこに解凍して薄切りにしたタコと煮汁も入れて、ふんわり和えた。庭にありあまっているシソを刻み入れ、ちょんとわさびを添えて。 土鍋炊飯

キュウリともやしの黒酢和え #まいにち土鍋

工房を片付けていたら、見本として使っていた埃まみれの土鍋VIVA!(おとぼけだけど元気な顔がいっぱい描いてある)シリーズが見つかったというより、発掘された。その土鍋は、ふちのところに大きな亀裂があり、窯で焼く前までは、土鍋人生うまく行くだろうとウヒョヒョだった子。窯から出てきたら予想外の結果で、個展デビューできなかった子。残念で胸がキュンとして切なかったこと忘れない。 こういうこと、人間にも大いにある。 いつだってうまくいくわけでない。なんなら、いつだって、うまくいかない