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まいにち土鍋

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「365日の土鍋コッチョリーノ」 蒸す、炊く、煮る、焼く...などの調理法と土鍋サイズを記すだけの質素な日記。レシピは別にしたためているので、いつの日か有効活用できればいいな。
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#陶芸

窯のさよなら。 #まいにち土鍋

その姿は残すなよな 窯の記録最初のページ。 台風で一日延期され、まさしく私の誕生日に窯は設置された。 コッチョリーノ移転にむけて、今を「さよなら」しないといけないことがたくさんある。これを決めた1年くらい前から、感傷的になることは捨ててゆくよう心に誓ったはずだったが、きょうはさすがに、ギュッと手を結んだ。解体中の写真は撮れなかった。「切り刻まれたその姿は残すなよな」と、窯の声が聞こえたのだ。 作業は8:30から始まった。硬い鎧をはがす前に、どうやら内側のレンガを、地響き

がんもと厚揚げのみぞれ煮 反省する土鍋 #まいにち土鍋

ヴィンテージコッチョリーノやらとお客さまに手に渡りちょっぴり気取って名乗っているけれど、実はどうしてもお売りできないものもある。 割れやヒビが使用に支障をきたすもの。それともうひとつ、使い勝手が悪いもの。 ひびを金継ぎしたものなどは前回のヴィンテージコッチョリーノでお出ししたが危険性のないものに限り。さすがに「使い勝手が悪いもの」だけは出せない。いや、出さない。プライドは低いようだだが、唯一のポリシーはあるようで。 写真は、その反省すべく土鍋コッチョリーノ。つまみのない

展覧会完売の御礼をいちご大福のように大切に包みながら #まいにち土鍋

満員と完売のお礼申し上げます 個展の最終日は、きれいにお皿をなめてくださったような状態で幕を閉じた。 250個いやもっとあったとギャラリー情報。 200人以上のお客様と、絶え間なく交差して、一週間まいにちずっと立ち話をずっとしていたことになる。最終日にかけてもう一度ご来店いただくお客さまもいらっしゃり、頭が床につくほどありがたい。 出会いの物語 なぜコッチョリーノに出会ったのか?お尋ねすることがある。不思議なご縁や、必然的な出会いが多すぎて、ひゃっ!といちいち驚いてい

土鍋もココットも呼吸をしています #まいにち土鍋

個展中は帰宅が遅く朝が早く、食事の支度ができないのだけれど、このパターンは22年前、自分の窯を設立した当初から変わらないので家族も何も言わず当然のように流れていく。子が0歳のときからこうだった。ちなみに3人核家族だ。 子の1歳の誕生日、2歳も、個展のまっさい中だった。ケーキを買って一緒に祝うこともできなかったが、それでいいと思った。それくらい育児と工房の両立は、泥まみれで美化できるものでなかったし、充実していたからかもしれない。子はまいにち笑っていた。子と窯の両者が日々育っ

土鍋から導かれる磁土のうつわコッチョリーノ #まいにち土鍋

個展がはじまって2日で、たくさんの作品が飛んでいった。それは勢いのよいタイムマシーンのように。土鍋がないにも関わらず、磁土タイプのうつわコッチョリーノを大事に愛でてくださって、ありがとうございます。 土鍋で炊いたごはんを召し上がるには、まいにちのごはん茶碗が必要だし、ごはんの進むお惣菜を盛りつける小鉢やお醤油のお皿も。土鍋でお鍋をしたならばお取り腕も欲しい。そんなふうに、結果としては土鍋コッチョリーノから、コッチョリーノの過去作品(磁土のうつわコッチョリーノ)に触れていただ