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ちょっとブレイク「春の土鍋」行者ニンニクのポタージュ

春になり、店頭で行者ニンニクを見つけるとつくる横山アディナさんの春のデトックススープ。ココットにチューリップのように飾るのもかわいらしいけれど、ニラの香りが充満しますよ、あしからず。

異なる太陽

先般、旅をした東欧。現地の料理に興味をもったきかっけはいろいろあるけれど、ルーマニア生まれの横山アディナさんのレシピに出会ったのもそのひとつ。

ルーマニアのおばあさまから伝えられた料理や言葉の数々には「無口な太陽」を感じる。私にとって第二の故郷であるイタリアの「おしゃべりな太陽」に対して、同じヨーロッパであるのに。だからこそ好奇心が高鳴るのかもしれない。

土からできているもの

「炒める」「煮る」「温める」「サーブする」土鍋ひとつで。

みじん切りにしたタマネギ、長ネギ、そして行者ニンニクを炒め、塩を少々と指定量の水を入れて煮る。(レシピにはニンニクも入れるとあるが今回はなし)ミキサーでポタージュにして、食べる前にあたためて味ととろみを整えるだけ。とろみがあるのに、口の中がさっぱりする。少しの苦味と食材の甘みがおいしい。(※行者ニンニクがない場合はニラで代用)

おばあさまがアディナさんに伝えた「生きものはみな土であり、そして土へと還る」という言葉。“人は土からできているから、死ぬとまた土にもどる”と説明を添えて。

陶芸という仕事柄、毎日ほとんど土をさわっている私には感慨深い言葉。スープを飲んだあと、徹夜を覚悟しながら夜の工房にもどると、カラダは緩やかにあたたたくなった。ほら、無口な太陽がほほえんでいる。



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