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ちょっとブレイク「愉快から生まれたミニ土鍋」

嘆かない。なぜならば愉快であるから。今夜も夕食をつくる時間がなかった。食べる時間も危うかった。

玉手箱的なおねがいごと

わたしも家人も料理が好きである。
ふと、思い出す。窯と乳飲み子の両方が泣いていた時代を。その上、出張が多かった家人は海外にいる時間が長く、大いにお惣菜やインスタント食品も使ったが、そんなときこそ自作のうつわを目の前に「愉快なアイデア」が山のように浮かんだ。

うつわの使いやすいサイズや色など、理想をいっている場合ではなかった。それは「料理する」という理想像があってこそで、食べるものが目の前にない場合どうするの?あわよくば料理がはいる前からうつわだけでもおいしそうであれ!と思った。

そんな「玉手箱的なお願いごと」から小さな土鍋は生まれたのだ。

お米をひとくち炊こう

多く炊いて冷凍する方がおいしいと言うけれど、それは理想。おままごとみたいに0.3合とか炊ける愉快なミニ土鍋があればなあ。それは幼少期に憧れた「ママレンジ」(←やっぱりかわいい!)でつくる手のひらサイズのホットケーキの発想からだった。

ホンモノと同じで、ただ小さいオトナ用の土鍋をつくろう。ミニチュアになった時のおもしろさを出すには、まず大きな土鍋に愉快を仕込もうと思い、大きな土鍋の蓋に小さな家をつけた。

学生時代「お鍋からラーメン食べたらおしまいだ」みたいな厳しい提言があって、そうねと苦虫をかんだ。それならば「つくって食べられるうつわ」それが許される愉快な土鍋があればいいじゃない。

インスタントスープを飲もう

乳飲み子は、映画祭に行くから夕食いらないよという青年になった。変わらないのは食べる時間もない泥だらけのわたし。なんにも改善されていないなあ。今夜もささっとキッチンのカウンターで食べられるイタリアンバールみたいな簡単夕食を家人が用意してくれた。パンとおいしそうなパテやチーズ。そして「インスタントスープでも飲もう」と、ミニ土鍋八分目(150cc)の湯をそそいだ。

愉快が冷めない夕食。
あらためておいしいと思った。

**2人展のおしらせ **

我妻珠美 ・五十嵐貴子 うつわ展
「食を楽しむ」
2019.05.22(水)-28(火)
新宿高島屋 10F 暮らしの工芸

過去の記事
→「ミニ土鍋で食べるどん兵衛」記事


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