きっとだれよりもコロポックル §1

ー蕗の葉ー

会わずともだれより心を寄せあえる人というものはいる。きっとだれよりも臆病者なのに好奇心はあって、人見知りなのにだれよりもおしゃべりで、だれよりも気を配ろうとするのにだれよりもそれに気づき、気がついたら目にいっぱいの涙をためて、その涙さえだれかにあげようとする。そんなタイプの3人が集まって、いっぱい話をした。

彼は「こんにちは遠くまでありがとうございます」と照れているのにピシッと足をそろえて礼儀ただしいあいさつで出迎えてくれた。ああ、丁寧な仕事をする人だろうなと一目でわかった。高い鼻とどこかの国で会ったような深い眼を青い空にむけ、彼はあふれそうな温かい感情をのみこもうとしていたけれど、蕗の葉のように大きな手のひらはとても現実で、この人はセンスがやっぱりあるなと思った。

彼女は「はじめまして、おつかれはないですか?」と透きとおる声で、彼とおなじく足をそろえて少し斜めな角度で美しくあいさつをしてくれた。大理石みたいなおでことビー玉みたいな眼に吸い込まれそうになり、彼女は蕗の下から出てきたあの子だなと確信した。すべるような小さな足を追えば、すぐにそれが分かるような気がした。(つづく)


⇒「きっとだれよりもコロポックル2」
ものがたるコッチョリーノ

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tamamiazuma

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一人歩きするものがたり。
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