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旅する土鍋2018

2018 07/09 Switzerland Lausanne
グリュエール地方の山小屋にて

旅する土鍋は、友人のシャレー(山小屋)へ。フランス語を母国語とする友人とはイタリア語を共通言語としてコミュニケーションする。

20年年以上前にも、ふたりでピクニックに来た場所だ。帰り道にチーズフォンデュを食べたけれど、きょうはあれを土鍋でやろう!ということで、ローザンヌからクルマで登ってきた。

彼女の仕事はギャラリーやテレビなどの展示プランナー。おいしいチーズとパンをそろえ、山小屋のテーブルもしゃしゃっとしつらえてくれた。決して見栄優先でない。素朴でおいしさを第一優先。

20数年前、彼女のシトロエンに乗ってこの付近にきた。スイスの山にピクニックに行った。デジャブじゃない。

牛たちが夕方になると帰ってくる。部屋の壁一枚隔てたそこが牛小屋だ。

しっかりとふたりには過ぎてきた日々があり、いまという現実が目の前にある。いい具合にふたりともシワが増えたが、笑い声は同じだったから、一気に喜びのシワが増えた。まるで昨日のことのようにあれこれを思い出し、ふたりで20年いっぱいに詰まった時間を少しずつ共有する。

土が火にかけられ形になるように。そして、そこにパンとチーズと、水と少しの葡萄酒があれば、熟成した香りが広がる。

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