見出し画像

ちょっとブレイク 牡蠣とシングルモルト

厚岸の牡蠣

北海道の愛おしい友人はやはりコロポックルかもしれなくて。北海道厚岸(あっけし)の「海のミルク」をどっさり送ってくれた。コロポックルはアイヌの人々に獲物や魚を贈ったり、物々交換をしていたという。コロポックルかもしれない友人は、雪が遅いと話し、灯油ストーブの替芯を買いに行くと言っていた。寒いんだろうな。

うまい酒は旅をしない

北海道の気候といえば。
余市にニッカウヰスキーが創業された理由は、もはや周知の事実で、ひとつはスコットランドの気候に似ていたから。(*スコットランドは北海道よりだいぶ北に位置するが、暖流の影響で北海道より温暖である) もうひとつは泥炭が入手できる土地だったからという。

そんなことを考えていると、スコットランドの醸造所を周った家人がおいしいシングルモルトを出してきた。スペイサイドの蒸留所のものらしい。

村上春樹の小説『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』のなかにあった「うまい酒は旅をしない」という一節を思い出す。ウィスキーも葡萄酒も、その地でいただくものこそ格別。「旅する土鍋」も同じ考え方であり、その地でいただく郷土料理を土鍋に入れたときのそのおいしさたるや、絶品なのだ。

ぷるんと白い牡蠣の実が乗っている殻にシングルモルトをつつっとたらす。黄金色の液体は海水のきいた出汁と混ざり合い、白濁琥珀の上品な指輪の石のように魅惑する。ちゅるっと大きな実が口に入り鼻に蒸留酒は響き渡る。

前略コロポックルさま、最高です。

(おあとは牡蠣ごはんにつづく)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?