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ウチにはまともな「時計」がない

冬眠前のクマはめざまし時計をセットしたか?

―NO!春になればおなかがすいて起きる。
そんな冬眠クマに憧れます。

冬眠クマのプリミティブワールドからうまれる直観、鋭い察知力。つまりは五感をみがきたくて、生活空間に「まともな時計を置かない」…というのは、セカンドリーズン。まんざら冗談でなく、けっこうホンキだけど。

では一番の理由は?

新作時計「月のよる 月のうた」半磁土 Cocciorino


窯から時計がでてくる

1週間前、窯からぼくら「時計」(写真上など)が出てきました。定番アイテムですが絵柄は一点モノ。16日からの個展に出品するので、そろそろアトリエから出発です。アトリエの中のひとはぼくらを撫で、「もし帰ってきたらうちのこになってね」とちいさな声で。

そう、まともな室内時計がない一番の理由は、気に入ったものがない、あっても高価で買えないということ。だから、数年前からせっせと時計をつくっているのですが、けっきょく我が家のモノにならないのです。

「みつからなければつくる!」これ、制作基本概念。加えて、どうせつくるなら「そこらにないものをつくる!」これら、創作の醍醐味。

※我が家にある唯一まともな時計は、ようやく2年前くらいに買った「ぺっぽー時計」と、水まわり空間にいくつかの小さな時計、給湯器や家電のデジタル時計。少し前の記事「たぶんで生きる」


カチャポンが時計になってる

では、ここからは「まともな時計がない」かわりに、我が家でひそかに活躍するファニーな時計たちをご紹介。

「トーマスたち時計 ロシアンルーレット風」

トーマスファミリーがギャグなシーンを描きながらマジメに時を刻む。

「トーマス時パーシー分」とか、そういう感じ。「おいトーマスおまえの時間だぜ」「おいおいパーシーしっかり9時がんばれよ」「エドワード昼過ぎから任せたぜ」「ぎょ!」こんな会話が聞こえてきます。

だい~ぶ前に我が家の青春(当時妖精)のために家人が速攻でつくったもの。ダンボール製でも健在。昨晩ほこりをはらっていると、青春が「これ無印の箱だよ」と言いました。そうだっけ?裏返すと本当にそうでした。それだけ衝撃的だったんでしょうね、ダンボールで時計つくる親ッ!

ダンボールやら陶やらで時計をつくる親のもと、青春だって負けません。


とうとう家族全員が時計をつくった!

「木工工作 時計」

小学校の技術の時間に、無骨な時計つくって持って帰ってきました。決して器用なシゴトっぷりではないからこそ、ゆるふにゃで味がある。まともな時計がない家で育ったためか、数字が書いてあっても、これじゃ正確な時間刻めませんね。でも憧れの冬眠クマは「これくらいでいいんだ」と言います。

アーバンなクマたちは、モバイルフォンでいつでも正確な時間を知ることができる便利ないま。「117」に電話して時報を聞くなんてやらなくなったなぁ…。

ちなみに家人は、懐中時計をジーンズの懐中時計専用ポッケに入れています。(ジーンズのどのポッケか知っていますか?)


クロックだけでなくウォッチまでまともじゃない!

「たぶんロレックス」
作家さんにつくってもらって友がプレゼントしてくれた時計。ベルトは古びたデニム。日本で装着していてもポーカーフェイスされるだけ。でもコミュニケーション大好きイタリアでしているとおもしろいことが起こる。

「ケ・オーレ・ソノ?」(いま何時ですか?)

-なんじか、わからないのですよ、コレ。(腕を見せる)
ようやく憧れの冬眠クマになれた気分で、とてもうれしかったのです。


時計がわりの鐘の音

最後にこちらの「時を報せる鐘の音」をどうぞ。

去年、青春とふたりでイタリアのベルガモで録ったものです。創業1476年イタリア最古のカフェといわれている「カフェ・デル・タッソ」でちょうど12時になり、目の前の鐘楼は10~15分は鳴り続けていました。

ちなみにイタリア語で鐘は「カンパーナ」(小さいベルはカンパネッラ)。むかしは村ごとに広場と教会と鐘楼があって、“おらの村が一番じゃい!”と尖塔の高さや鐘の音で競い合ったそうで、そこから、田舎(田園)を意味する「カンパーニャ」(仏語はカンパーニュ)という言葉が生まれたとか。

鐘の音をどこかで聴いたら、「カンパーニュ」(田舎パン)を思い出しておなかをすかせてください。語感のさえたアーバンクマになれる豆知識です。

投稿 Cocciorino 地球のかけら
#Conote マガジンに寄せて 2016.04.09 5:30(たぶん)

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【ウチにはまともな時計がない後記】→★
この記事はフレッシュ編集長率いるConoteマガジン004「時計」に参加させていただき書いた記事です。



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