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はぐくみのうつわでありたい

時間や体力が心底ないときは、それすらもできないやと思うことがあります。だからといって、便利ばかり探せば解決するのかな。

もっともっと、どうでもよくて、逃げてゆく湯気のような声がかけられたらいいなと思っています。いや、声をかけるのとも違う。逃げてゆく湯気のようなものを、はぐくみたいのです。

だからうつわをつくります。
やさしい温度、ときに強い火と一緒に。
もう少し、つくります。



望むものがたくさんある時代に。便利がたくさんある時代に。
足るを知る時間、安らぎをはぐくむようなうつわでありたいのです。


あとがきコッチョリーノ 

▶︎ちょうど1年前の今ごろ、港に停泊した船が大騒ぎしていたころ、横浜元町で個展を開催していました。パーティのように大勢のお客様がわいわいと。初日のあの熱気が、夢のように思い出されます。▶︎2月5日から始まる個展前半3日間の「予約お申し込み」が昨日〆切を迎えました。たじろぐほど多くの方からお申し込みいただき、ギャラリーからうれしい悲鳴と共に「ご来廊の枠に入らないお客様になんとも申し訳なくて」(もちろん抽選なのですが)と相談がありました。こんなに一所懸命つくっても、いつもの何十分の一、何百分の一のお客様にしか会えないんだなあと、思うと胸がグッとなりました。▶︎たくさんの激励メッセージやコッチョリーノ愛が届いているそうで、とうとうググッとなりました。搬入の時に読ませていただこうと思っています。ありがとうございます。▶︎いまは公平に目をつむり、皆様にお会いできることを楽しみにしています。一方で、お申し込みいただいてもお会いできない残念な場合も、その「逃げてゆく湯気」を、何かしらの方法で一緒に追いかけたいなと思っています。2月8日から13日まではご予約なしでご来廊できます。今も窯は粛々と温度を上げています。

あらためて、いつもありがとうございます。コッチョリーノ 我妻珠美


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