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旅する土鍋 −生産者のパッション2−

2018 07/14 Marche マルケ州

歳を重ねるということは老いるばかりではなく、むしろ工夫と経験を重ね、歴史を語るということに強くつながる。

「旅する土鍋」はイタリアの郷土料理を紹介しつつ、ボーダレスで土鍋の使い方を伝えたく各地をまわっている。今や東京にいてもイタリア料理はつくれる時代であるが、ここに来る意味としては –生産者のパッション1−でも書いた通りだが、可能な限り地産地消の産物を使いたいから。土鍋を囲んで料理をすれば、そこには会話が生まれ、彼らの長い歴史、経験や工夫の数々を聴き味わうことができる。

そして「旅する土鍋」は伝統料理のお返しに、時に日本の料理をつくってみんなでいただく。写真のパスタ(SALVATONI SABINA)は、マルケ州はカンポフィローネという町で生まれたマッケロンチーニというカッペリーニのように細いパスタ。むかしむかし、卵というものはニワトリが毎日うんでくれるものではなかったそうで、あるときは大量に消費できないほどうんだとか。その卵をどうするかということで村の主婦たちが考え出したのが卵をいっぱい練り込んだパスタ。卵がいっぱいだと乾燥して割れたりするので糸のように細くなったらしい。彼女のプロフェッショナルな眼は誇りを語る。

そして、我らは、翌日の「旅する土鍋」と日本食の会のためにこのカンポフィローネというパスタを彼女から大量に入手した。今回の会のためにお誘いした料理研究家ほりえさわこ氏の手にかかかったらどんな一品になるか、是非とも後日投稿できるであろう記事をお楽しみに。



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