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「おかって」の思い出

「おかってから入って!」そこからお邪魔することは、ちょっと特別あつかいしてもらったような悦びがこども心にあった。

両親の東京の実家にも、おかってがあった。祖母に「おかってから取ってきて」といわれ、しのび足で入った空気はひんやりしていて。北側に位置していたのではないかな。

「弓道」の世界では、右手を「勝手」と呼ぶ。自由に使える右手、料理する女性が自由に使える場所=「おかって」という言い伝えが、諸説あるなかで印象的。

当時は、社会的に、家庭内においても、女性への制限がきびしかったのだろう。だからこそ、無償の仕事であっても女性たちが活躍できるのは家事だったのでは。寒い北側にある場所であっても、ホッとする場所が「おかって」だったと思うと微笑みを感じる。

友人宅のお勝手口から入ったら、おばあちゃま、おかあさまと、おばさまなのか女性が3人が土間式のお勝手にいて、楽しそうにペチャクチャしべっていたことを思い出す。なんだかごはん作るの楽しそうだなと思えた。

いつの時代も、勝手になれる空間・時間が必要で。それは性別や年齢にかぎらず、こどもだって大人だって必要なのだ。


あとがき
先日、okatteというシェアハウス兼イベントスペースにてトークと土鍋料理を披露させていただきました。シェアハウスご在住者のご縁もあり、朝ごはんの時間に「おかって」からお邪魔した印象から、この記事を書きました。
イベント内容については→ Cocciorinoブログにて


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