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ちょっとブレイク 聖アンブロージョのお祭りと魚のスープとちいさな職人


ミラノは聖アンブロージョの祝日。聖アンブロージョ教会にほど近い工房に通っていたこともあり、お祭りは思い出深い。

イタリア人の友人カテリーナと、教会につづく道端で自作の陶器のかけらやトンボ玉のアクセサリーを寒さぶるぶるで売っていた日であり、初心を思い出す日でもある。

聖なるお祭りといっても、やはりそこには販売権利やショバ代のようなものがあって。今以上に20年以上前のイタリアは外国人が住みにくく、何をするにもイタリア人を背後に立てた。(今もそういう気質は残っている)

それなのに隣のブースはアフリカ人で、彼らが食べろ食べろという魚のごった煮スープで極寒をしのいだ。骨やひれをしゃぶり、生臭いスープの香りを消すスパイスとホットワインのスパイスに酔いしれた。

寒いなか、マッチ売りの少女のように幻想を見たのだろうか。いつかわからぬ帰国した日のことを想像した。そのとき工房名とコンセプトの原型「コッチョリーノ=陶器のかけら」が生まれた。(その後、家人が地球のかけらに対訳)

そしていま、理想は現実になり「コッチョリーノ: 地球のかけら」は日本での工房名となった。

ミラノの守護聖人である聖アンブロージョ。ローマで法学を学び政治の道に就いたが、カトリック派とアリウス派の調停をきっかけに民衆に認められミラノ司教となる。人望あつき人は聖人にまでのぼりつめたということだ。

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