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茶たまごとぐいのみ

エッグスタンドに懐古的なものを感じる。おそらく和の盃に酒でなく卵を立てるという最初にみたときの驚きは、子どものわたしには強く印象づけられたのだろう。

ごはんとおみそしるの朝食から、物心ついたころ西洋化した朝ごはんが我が家の食卓に並べるようになった。わりとカッコつけだった父と流行を取り入れたおしゃれ大好き母は、トースターやバターケース、ティーセットにエッグスタンドなどを揃えた。キッチンを黄色にアレンジした母は満足そうだった。

先日、スープ作家 有賀薫さんのトークイベントのあと、中国 東北農家料理である鉄鍋を食べに行った。その前に立ち寄った店で買ったのが、中華まんと茶卵。茶卵をコッチョリーノがつくった盃に立てて食した。

右は25年前ミラノの工房でつくった盃。左は最近の試作であり新作。渋くにごり酒でも注ごうかと思っていたが、中国の茶卵もお似合いだとは。

うつわのおもしろさとは、中身の文化を着せかえられるということだ。


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