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自転車カンボジア縦断#2

13/08/2018

翌朝。
扇風機のファンの風に起こされ
旅の疲労が抜けきれず身体が怠い。

久しぶりの感覚だ。旅を連日続けているとこの怠さからは逃げられない。この疲労にも慣れたものだ。懐かしく感じながら重く軋む身体を伸ばしながら起きる。身支度を整えカンボジア2日目の自転車走行へ。ここでサングラスが行方不明になっている事に気付いた。探し回るがどこにもない。しかし、昨日の宿へチェックインする前に休憩した時には写真の中に間違いなくサングラスが写り込んでいた。

昨日の跡を辿るも見つからず。。
タイムロスが大きくなるばかりで限られた時間に焦りが出始めた。

旅をしているといつか大切にしているものと
突如別れを告げなくてはならない場面が必ず来る。できる限りの事はしたからその場を飽きらめ重いペダルを前に押した。

朝食は無く、水だけで走っていた為
どこか食べる場所はないか探しながら
走っていた。

宿を後にして数時間後やっと見つけたのは
バスで観光する人が休憩するポイントらしく
カンボジアの田舎に突如一部だけ安心できるポイントが現れたのだった。
そこを逃すわけがなく転がり込んだ。


現代的な雰囲気だが金額はカンボジア。
これで$5以下。

レシートはクメール語で読めないが、、、

カンボジアへ着いて始めて
カンボジア以外の味がする優しい食の時間だった。この安心できた時間を噛み締め
また現実に戻されるのであった。。

何もない田舎道を後にし町が見えてきた。
町にルートの標識がある。自分はクメール語は読めない為、字幕代わりは英語だ。
とにかくシェムリアップ、アンコールワットと書かれている方向へ道を選択して進む。
分からなければ現地の人にシェムリアップやアンコールワットと問いを投げる。幸い、シェムリアップはクメール語なので英語が通じない現地の人でも理解してくれた。

道中はかわいいちびっ子達が「Hello!!」と元気よく真っ直ぐな瞳で挨拶してくれる。
この挨拶に何度励まされたことか。
日本で通りすがりに挨拶するのは今ではほとんど無いのではないだろうか。
自分が幼い頃は挨拶するようにと教えられていたが今は物騒だからかそんな会話もない気がする。しかし、日本の治安よりも遥かに安全とは言えない海外の方が人懐っこい人、優しい人が多いのも事実。旅を経てつくづく思うがこれほど日本よりもフレンドリーな人が沢山いることに違和感を感じていた。日本の方が遥かに治安は良いはずなのに海外の方がたわいもない会話や挨拶が多いのだ。

独特の門は大通りから横に入るときに必ずあった。中には作りかけの門も多かった。そして一つ一つが手で石、コンクリートを装飾掘りを施していた。

旅を進めると必ずこの日が来るだろうと思っていたスコールが遂に襲ってきた。

ポツポツ、、、

ザザザアアアア

瞬く間に舗装が乏しい路肩は泥泥になり
排水が無い路面は小さな川が現れる。、

これはヤバイ。、と目に留まった
屋根のある家にすかさず逃げ込んだ。

すると家の中から手招きされ

止むまでここにいなよ。と
イスを出してくれたのだった。
"急に飛び込んだ自分にだ"
信じられなかった。素性も分からない外国人を
自分の家の屋根の下でいつ止むか分からない雨の中滞在させてくれたのだ。
奥では子ども、家族が暮らしていた。
スコールになれているからか雨が降っている間は家の人は奥で寝ていた。

雨戸があり中まで入ってこない。
ここは田舎の商店の家だった。
カンボジアの田舎はほとんどの家がこのように
赤っぽいクーラーボックスで飲み物や軒先でお菓子を売っていた。

スコールも止み、また前へ走り出す。

自転車カンボジア縦断#3へ続く

(おまけ)走ってると飛んできてクリーンヒットしたビニール袋。

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