ハート花

ジョハリの窓 他者からのフィードバックで「私を知る」

昨年受講した産業カウンセラー養成講座を振り返っている。この講座を通して得たものはたくさんあるが、その中でも実技指導の際、講師や受講生からのフィードバックは自分にとって大きな財産となった。

ジョハリの窓という心理学モデルがある。ひとは「開放・隠蔽・盲点・未知」という4つの領域(側面)をもつとされているが、講座を通じて、自分が知らないのに他者が知っている「盲点領域」を縮小させ、自分と他者が知っている「開放領域」を広げることができた。

講師や受講生からのフィードバックの中で特に印象に残っているのが、「ポジティブな面に光を当て、丁寧に拾い上げるのに、ネガティブな感情についてはスルーしがち」という傾向。自分では全く気がつかずにいた。

これは、幼少期から、辛く悲しい体験をしたとき、すぐに気持ちを切り替えて、前向きな感情を抱くように訓練してきたせいかもしれない。「辛い・悲しい」気持ちを味わうこともせず、まるで何事もなかったかのように、その感情に蓋をしてきたことに気がついた。頭の中で考えた解決策を実行し、未消化の感情には目を向けずにいた。こうしたことを何十年と繰り返してきたから、自分の感情も、他者の感情もネガティブなものはスルーしてしまいがちなのかもしれない。

養成講座でこうした「盲点領域」に気がつき、カウンセラーになる前に修正できて本当に良かったと思っている。自分の失敗を記すのは恥ずかしいが、カウンセラーとして常に意識しておくべきことだから、あえて記録した。

感情に良いも悪いもない。カウンセリングの場で、ありのままの気持ちを受け止め、相談者が自身の感情と充分に向き合えるよう支援していく。相談者は、感情をしっかりと味わってはじめて、これからどうしたいのか未来に目を向け、意思決定していけるのだ。

これからも、自己理解を深め「開放領域」を拡大し、良質なカウンセリングを行えるようにしていきたい。



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