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タタッタなんとかってやつ

私の夫は文字が苦手らしい。
苦手というか、興味がないらしい。

歴史上の人物、有名な本の名前、ことわざとか、ちょっと昔からある様式についてのことばとか。
英単語もちょっとあやしい。中学から英語はあまりやってこなかったという。

「この本おもしろかったよ、読んでみる?」といっても読まない。
じゃあ見て読むのが好きでないなら、私が短編でも読み聞かせてみようかといって声を出して読んでいると、三分と経たないうちに寝ているかスマホをいじって聞いていない。

読めないわけではないのに。と私は思う。
「親はみんなそう言うんですよ」
昨日見た映画「家族ゲーム」を思い出す。

勉強を真面目にやらず成績が悪い息子を嘆いて母親が松田優作演じる家庭教師にそう洩らす。
「あの子、はじめっからできない子じゃないと思うんですけど」

中学の頃は西村京太郎のシリーズを読んでいたらしいし、お知らせの手紙の文章だって読める。
これもお母さん役の由紀さおりさんと同じようなこと言っていると、自分で笑ってしまう。

ほとんどの成人が知っているような言葉の意味を、実は知らなかったりする夫。あまりにも知らないので私が唖然とすることもある。
すると夫は「バカにして」と拗ねてしまう。
だったら勉強すればいいのに、、、とは思っても言わない。

先日、晩御飯に何を作るかを話していると夫が
「アレ作るっていってなかった?」
という。
「アレって?」
私は自分が何を作ると言ったのかを思い出せない。
「あのほら、たたたったーとかいうやつ」
「たたたったた?全然わからん」
「言ってたじゃん!たたったーたなんとかって。買い物した時言ってたじゃん!」
「全然わからん!なにつくるって?たたた?」
「たったたーとかなんとかいうやつ。俺だってわかんないよ!」
「フリッタータ?そんなことを言ったっけ?」
「そうそれ!(小声で)フリッタータ?作るって言ってナス買ったじゃん!」
(フリッタータでナス、私使ったことないけどなぁ)
「ナス、、、ラタトゥイユか!」
「そうそれ!」

おい。
覚えろ!

どうやら特に横文字が苦手らしい。
知ってたけど!!

こういうことがしょっちゅうで、会話がなかなか進まない我が家。

最近我が家にアレクサをお迎えした。
毎朝「今日はなんの日?」と聞くと豆知識をすらすらと披露してくれる。
これで夫を知的な紳士にしようと画策してる妻である。

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