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べっどるーむ・まんどりん <今ひとつマイナーな楽器への考察と対策#5>

演奏方法について

演奏方法について書いてみようと思います。
これについては、私自身がそれなりにギター演奏のキャリアがあってマンドリンを演奏するにあたっての奏法解説のようなものです。これから楽器をはじめてみようという向きにはあまり参考にならないかもですが、「似たような楽器でも色々あるんだな」程度に考えてもらうと良いかと思います。

ピッキングについて

ギターに於いても最重要なポイントの一つですが、圧倒的に演奏者人口が多く、Youtubeなどでも多くのプレイヤーが奏法解説に登場。テクニックにおいては日進月歩で、私がギターを初めた頃とは全く違ったアプローチが常識となっていたりします。
ギターについては、実際にYoutubeなどでご覧いただくと参考になるものがあると思います。
ただマンドリンの場合、詳しく解説したものは少ないです(ギターのテクニック追求がマニアック過ぎるという面も)。
尤もピッキングについては文字だけでは説明が難しく、図解や動画を併せても個人差(身体的な)を考えると当たり障りのない簡単なものになってしまうのかもしれません。

何を使うか?
撥弦楽器ですから、当然弦を「弾いて」音を出します。指もしくはピックを使う訳ですが、マンドリンの場合、
・金属弦である事
・複弦である事
・弦のテンションが強い事
の3点から自然ピックの使用がメインとなり、フレーズや音色の変化によっては補助的に指(爪)も使用する・・・という事になるかと思います。
この「ピック」ですが、ギター界ではもうそれこそありとあらゆる「形」「資材」「厚さ」のモノが出ており、今だに新素材など登場したりします。
まずは「形」ですが、特にボウルバックタイプのマンドリンで顕著だと感じましたが、かなり小さく、細長いハート形をしたものが一般的のようです。

数少ない比較動画でも、一般的なギターピック等と弾き比べて「やっぱりこれだ!」と結論を出されていましたが・・・私が使った感想としては「?」でした(笑
ギターであろうがマンドリンであろうが、ピックを安定して操作する必要があります。そうするとこのデザインでは明らかに保持しにくいですし、音色面では独特の音色となりそこはメリットと言えるかもしれませんが、個人的にヒステリックな音色に聴こえてしまいます。


ジムダンロップ(左) ゴーリデンゲート(右)

私自身は色々試してみた結果、今はこちらを使っています。どちらも厚さは1.5mm。マンドリン用に購入したのですが、今はギターもこれで弾いています。
先が丸いのですが、元々カントリーなどのフラットマンドリンでは使用されているデザインらしく、コツを掴むととても弾きやすいです。弦に当たる角度の変化でソフトなトーンからアタックのあるトーンまで表現できます。
特にダンロップは先端を微妙に斜めにカットしてあり、角度の付け方でソフトで丸いトーンから、エッジのある明るいトーンまで出せます。素材はUltexという素材です。

どう弾くか?
マンドリンの場合、通常弦は2本で1組です。つまりギターに比べピック先端部の移動距離が長いという事になります。これはある程度まではあまり差はないのですが、早いフレーズになってくると影響が出てきます。ギターの場合、細かなアラも楽器が吸収するというか、それなりに鳴ってくれますが、マンドリンの場合、音色との兼ね合いもあって悪いところはハッキリ音となって出てきます。
ピックの軌道としては、弦に対して「弾く」というよりも、「押す・引く」という感じの方が近いと思います。また教則本などでは、「手首を使って弾く」というように書かれている事が多いのですが、速いフレーズをフルピッキングで演奏する場合などはもっと腕全体を使ったものになります。腕全体
を振るという大きな動きでなく、全体的に小さな動きで、肘から先は回転運動に近くなります。

トレモロ奏法
マンドリンならではの奏法としてトレモロ奏法がありますが、解説が少ないように思います。これがそもそもバイオリンのボウイングを模したものであるとすると、持続音をピッキングで表現しようという訳ですから、かなりの速度でピッキングする必要があります。
個人的には、最低でもBPM120で6連符を演奏するぐらいの速さが必要だと思います。「6連符」と書きましたが、実際はロングトーンを表現するのですから、一定時間均一に弾く必要があります。そして連続した音符は、ピアニシモからフォルテシモまで無段階で行き来する必要があります。さらに通常のピッキングによるフレーズと組み合わせる為には、トレモロのスタートは、ダウン・アップピッキングどちらからでもスタートできるようにする必要があります。

以上言葉だけでは、さっぱりわからないと思いますが(笑 演奏における考え方として捉えていただけると良いかと思います。ピッキングについてやはり動画を見ていただくのが一番わかり易く、ヘビーメタルやテクニカル系を検索し、自分に一番しっくりくる演奏方法を取り入れるのが近道です。
私自身も習得中のテクニックもあるのですが、フレーズの表現を向上させる為には必須の要素ですから、ギター関連のテクニックを研究するのは重要だと思います。


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