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VRミュージカル「人魚姫」を観た

covid19の影響で芸能やアートの活動も制限されてしまうことへの危惧は世界中で論じられてますが、そんな中でVRを使ったミュージカルの初回公演があったので、それがとてもよかったよ、というお話です。
(タイトル画像がしがみん @4g3n さんの作品。Excelで描画したという…素敵すぎてPCの壁紙にしてる)

VRを使ったミュージシャンやアイドルのライブは(世間一般から見たら地下活動以下かもしれないけど)既に行われていて、その技術はどんどん進歩しています。
https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1555477132

そんな中、去年の話になりますが、VRも使いこなす女子高生マルチクリエイターの東雲めぐちゃんがVRミュージカルを計画していることを発表しました。
https://gugenka.jp/event/megu-vark.php
https://shinonomemegu.com/pages/special?p=ningyohime
当初は2019年秋を予定されてましたが、2020年春に延期、さらにcovid19の影響により日程が調整され、2020年6月7日に待望の初回公演が行われました。

VRミュージカルとは言っても、実際の舞台に似せたステージが作られていて、上手下手のそでにはけることもできるし、上には照明がぶら下がっていて、演者を照らします。周りを見渡せば客席があり、自分が一番前に座っていることがわかります。
VR上の表現だけを考えたらこれらの描写は不要なのだけど、敢えてそれを描画することで「劇場を独り占めして特等席で観ている」という感覚を与えてくれます。
もちろん使われるエフェクト等は現実に即する必要もなく、光や影、花びらが舞う様子などが客席の自分までも包みます。
ストーリーはオリジナル、海を守る人魚のお話。詳しくはここでは割愛します。まだ公演あるからね。

私はこのミュージカルを観て、いろいろな可能性を感じました。
現実の世界で出来る表現がかなりのレベルで可能なこと、ステージを観る上で現実から隔離されたVR環境が適していること、もちろんおうちでも楽しめること。
折しもcovid19の影響下で、やりたい表現ができずにもやもやしているアーティストや表現者が少なくない中、このVR空間での試みはいろんな人にチャンスを与えてくれていると思います。
だから、表現をするミュージシャンやアクター、それに携わるスタッフの人、公演を計画する立場の人、投資する人、表現に関わるいろんな人にみてほしい。そして何かを感じてほしい、表現する場所や方法がまだあるんだ、と感じてほしい。

もちろん実践するにはVRに明るい技術が必要だし、その技術を持っている人は世の中に多くないと思います。やり始めるまでのハードルはまだまだ高いし個人で出来るほど簡単じゃない。バンド活動の傍らWebサイトを作るのとはちょっと訳が違う(やってる人もいるけど)。
表現上の課題もまだまだ多いと思います。演者の表情は限られるし、音との同期も難しいかも知れない。複数の場所から複数人の演技をリモートで合わせることはもっと難しいでしょうし、例えば今回のVRミュージカル人魚姫は、主演のみリアルタイム演技、その他キャラクターは録音かつ立ち絵で、実際に生で演じているのは一人、という環境でした。

でも、それでも表現できることはあるんだな、って。やり切るんだというスタッフの意気込みを感じます。
これはミュージカルだけでなくステージを使うことなら何でも、例えばコントやお笑いも向いてると思います。落語は既にやった人がいるみたいです。2年前に!
https://www.youtube.com/watch?v=cKkakzqC2Ik

ぜひ興味を抱いて、VRの空間に足を踏み入れて欲しい!
このVRミュージカル人魚姫は、VR機器(Oculus Go、Oculus Quest、PCVR)で観ることが出来るほか、持ってない人はニコニコ生放送やbilibiliでも有料チケットで観ることができます。ですがやはりVRは「体感しないと良さが分からない」ものであると思うので、これを機に一つ買ってみてもいいのではないでしょうか。今のおすすめはOculus Quest、これ単体(Wifiは必要)で体験できるほか、VR ReadyなPCと接続してより性能が要求されるゲームなどプレイできます。Oculus Goは安いけど性能が高くないのでそろそろ非対応なものが増えてくるかも…それでも対応してくれるVARK(今回のVRミュージカルのプラットフォーム。歌のライブとかもやってる)やambr(国産VRSNS。みんなでおしゃべりしたりできる)は本当に力を注いでいると感じています。

VRミュージカル人魚姫、次回は7/12の予定です。詳しくは公式ページをチェック!
https://shinonomemegu.com/pages/special?p=ningyohime


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