天海玉紀(ウラナイ8)

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最近の記事

刀より団子。太郎太刀さま顕現から蘇る美味しい記憶

熱田神宮。おかげさまさま、ここ5年くらいのあいだに、何度もお邪魔させていただきました。 特に御本殿奥の「こころの小径」は、外界と隔絶され別世界のよう。 左奥の「一之御前神社」、右奥に水が湧く「清水社」など、ゆっくり巡るだけで心洗われます。 こちらの宝物館に展示されている「太郎太刀」に2019年10月、拝謁してまいりました。 どん。入り口すぐ正面におわしまする。 えっ?ものすごく大きいとは聞いていたけれど、実物を前にするとその巨大さと圧倒的な迫力に慄きます。 刃長2

    • 白山吉光くん顕現から蘇る記憶

      文京区の白山神社は、こじんまりと静かでとても美しいところです。ん?なにやら視線を感じませんか? 6月のあじさい祭りの頃、雨降りの早朝にこんな場面に出会いました。 雨音だけ。都会の静かな一角です。 同じく白山神社。桜の季節には、ぽっと頬を染める色白美人がおわしまするような。御祭神の菊理媛神(くくりひめ)はさぞかし美しい方なのでしょう。 突然ですが、わたしは2020年1月末よりオンラインゲーム「刀剣乱舞」にハマっています。そこまでの経緯はまたそのうち。 個性きわだつ

      • 2006年8月 場所の記憶

        青森県 恐山 (宇曽利山湖) 早朝の恐山。 岸辺には、毛髪のようなものに包まれて白くて長いものが重なり合っている。 白骨だ! どこかから流れ着いたのか、鹿の死骸。 そっと手を合わせる。 たくさんの石が積まれ、たくさんの棒が地面に挿されている。 からからと廻るたくさんの風車の音。 たくさんの願い。 そっと手を合わせる。 誰も居ない。 たくさんのトンボと私だけ。 トンボは棒に止まる。たくさんたくさん。 細くて頼りない棒に、たくさんたくさん止まっている。 そっと

        • 2010-07-04 ちぎり絵「百笑」

          ここは「治療院」というより、限りなく私の個人スペースに近いので、 置いてあるモノはみんな私の趣味です。(自分勝手でスミマセン) 「どこで買うんですか?」ってこないだ訊かれましたが… なんといいますか、いろいろです。(参考にならなくてスミマセン) 基本的に、こだわるわりにはモノへの執着がないんだけど、 いちばん大切にしているのは、これ。 じゃん。「百笑」 素敵でしょ?(クリック拡大可) 小さな顔は、みーんな笑ってる。きっちり百人います。 本物はちぎり絵のはず。それを

        刀より団子。太郎太刀さま顕現から蘇る美味しい記憶

          2010-07-13 マンモスと夢の途中

          あのころは、よく夢を見ていた。インディジョーンズも真っ青の、大アドベンチャースペクタクルなシリーズばっかり見ていた。 2005年から2006年にかけてのことかな。 ある日、夢の中で、私は見知らぬ妊婦の身代わりになって死んだ。 マンモスに追いかけられてる妊婦の身代わりになって死んだ。 死に際の瞬間に、考えた。 「こんな風に、見も知らぬ人の身代わりになるなんて。相変わらず私は向こう見ずで、おひとよしで、つくづく馬鹿だ。でも、これで二つの命が助かる。私は私らしく死ぬ。これで

          2010-07-13 マンモスと夢の途中

          2010-6-22 あまりにも、個人的すぎる話

          だいぶ昔に書いたものですが、そのまんま載せます。 《再録》2010年6月22日「あまりにも、個人的すぎる話」 月がだんだん満ちてきます。きょうの月は蠍座の月。心の深い深いところに降りていくには、最適なのかもしれません。 もう思い出せないくらいひさしぶりに、涙が出る機会がありました。 なんだかたくさん、いろんなことを思い出しました。 ごくごく個人的な話ですので、表からは隠して、こっそり書きます。悲しかったこと、腹が立ったこと、エピソートがてんこ盛り!!!です。くれぐれも

          2010-6-22 あまりにも、個人的すぎる話

          自分語りです。乙。(其の3)

          いまどきのことは知りませんけど、治療院勤務の労働形態なんて、どこもおよそブラック職場もいいところでございました。わたしの勤め先のように、きちんと毎月お給料が出て、定休日がある、というだけでも御の字!!!でございました。残業代?なにそれ食えるの?給料遅配、院長の私用に呼び出されて使われる、みたいな話はざらざらとあふれていて、業界的にも枚挙にいとまがありません。 そのときわたしは29歳になったころで、サターンリターン真っ最中。(そのころは占いは一切していません)せっかく25名だ

          自分語りです。乙。(其の3)

          自分語りです。乙。(其の2)

          前回の続きです。 2003年秋のこと。臨床心理士の養成課程の大学院試験は、もう残酷なくらいなーーーんにも書けなかった。仕方がないので、得意の創作作文をずらーーーっと書いた、ような気がする。しかたない。あたりまえなのだ。 そもそも大学の時点でわたしには専攻分野がなかったうえに、受験先はもうすでに心理系の職種で(病院とか、警察とか、児童相談所勤務ですよ。みんな超エリート!!!)実務経験がある人たちが主に合格するコースなのであった。どう考えたって、落ちるのあたりまえなのに、なぜ

          自分語りです。乙。(其の2)

          自分語りです。乙。(其の1)

          もともとわたしは、大きな治療院の勤務鍼灸師として仕事をする中で、鬱病や神経症的な症状を訴える方の担当になることが多かった。院長はありえないくらいの正確さで、初診の患者さんの特徴をぱっと見抜き、的確に相性の良さそうなスタッフに振り分けていたから、あの院長の直観は、そういった繊細なメンタル症状をもつ患者さんはわたし向きだ、と見立てたのだろう。 そのおかげで、夜の閉室間際の診療室で、患者さんから自殺企図の話をされて途方にくれたり、頻回に訪れる患者さんを毎回担当し、どこまでも延々と

          自分語りです。乙。(其の1)

          2010-09-11 『お墓』

          しばらく前からずっと、キヨシローさんの曲が、 頭の中でぐるぐる回っていた。 なんの歌だ? ああ。 わかった。「お墓」だ。(っていうタイトルなのです) で、こんなことを思い出した。 いつか読んだ井上陽水のインタビューにこんなくだりがあった。 「ふらっと成田空港まで行って、そこで旅行の行く先を決める。  ファーストクラスのチケットを買って、思いついた場所に行く。  ふだん命削って曲作ってるんだから、そのくらいOKでしょ」 みたいな話だったはず。 うひょーーー。すごいなーー

          2010-08-07 感覚の記憶

          あれはいつごろだったか。 とても凄惨な事件で、たくさんの方が亡くなったとき。 事件に巻き込まれた方々の顔写真と名前がニュースで流れた。 あれ??? ふとひっかかった。 もしかして??? その人の顔を、間違いなく知っていた。 どこで会った人だろう??? ああ。。。 しばらく経って、私の頭に浮かんで来たのは、 座骨神経痛の治療のために、肌を大きく露出したお尻の図。 (スミマセン。仕方ないのです。そういう治療なので…) 当時は2寸というながーい鍼を使っていたっけ。 けっこ

          2010-07-15 大嘘の才能

          高校生のころの日本史の先生が、ものすごーく変わってる人だった。 定期試験は、論述4問のみ。(国立大学の二次試験みたいなかんじだな) 私はなぜか、歴史上の人物の名前をちっとも覚えられない。 (横文字は平気。だから世界史は楽だったけど、日本史は地獄) おまけに、日本史の一般常識も欠落していて、とにかくダメだった。 あれは「藤原家が云々…」みたいな試験のときだったかなー。 採点を終えたあとの先生に言われた。 「おまえなぁ…歴史は本当はこうだったんじゃないか、と思うような、 見

          2009-02-16 TAMAGO

          「固い、高い壁があり、それに1個の卵がぶつかって壊れるとき、どんなに壁が正しくても、どんなに卵が間違っていても、わたしは卵の側に立つ。なぜならば、わたしたち1人1人は1個の卵であり、ひとつしか存在しない、壊れやすい殻に入った精神だからだ。わたしたちが立ち向かっているのは高い壁であり、その壁とは制度だ」 イスラエル最高の文学賞「エルサレム賞」を受賞した作家の村上春樹氏のスピーチの一部、だそうです。 コトバの力、感じます。ひさかたぶりに。(たぶん、私は字面としてのコトバに

          2009-02-14 (続)じっと手を見る。

          大した話でもないんですが・・・ 手のこと書いたら思い出したので。 いつぞや、どこかでマッサージにかかったときのこと。 まだ私は勤めてる頃で、どろどろに疲れきっていて、来る日も来る日も「きょうこそ死んでしまうに違いない・・・」とかなんとかつぶやきながら働いていました。ついでに言えば、当時はまだ若いオンナノコみたいな風貌だったと思います。 ある日、だまーってマッサージを受けました。ほとんどずーっと寝てたはずです。 そしたら、担当してくれた男性マッサージ師が終わったら、わざわざ

          2009-02-14 (続)じっと手を見る。

          2009-02-14じっと手を見る。

          自分の母親の手相、なるものを、先日はじめて観ました。 といっても、私がわかる範囲のレベルなんで、ごくごく大まかなことしかわかんないんですが、それでも「へぇーそうなんだ!なるほど」 ってかんじ。(最後の方に、いちおう観察記録を載せました) 新たな発見があった、というよりは、よく知ってる人を他の角度から眺めて、やっぱりそうだったんだー、と再確認した、というのが正確なところかもしれません。 なんといってもワタクシ、ふだんから他人様の身体つきとか、動き方とか、質感とかをずーっと観察

          2009-02-14じっと手を見る。

          2009年01月25日 このごろ、夢をみない。

          私の仕事場、つまり治療室は、とっても静かで、日当たりが抜群。 とにかく冬の昼間は最高なんです。(ご存知の方は、納得してくださるはず) 南側は床から天井までの大きな窓で、目の前には建物が何も無い。だから、太陽が南の空を低くかすめるこの時期には、昼間たっぷりとお日さまの光が入って、暖房要らずの温室になるのです。 以前、私はずっとこの部屋に住んでいました。 なんといっても冬の楽しみは、午前中にふとんを干して、午後になったら取り込んで、そのままぬくぬくと暖かい部屋でごろごろして、

          2009年01月25日 このごろ、夢をみない。