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和解への道1~グリーンピース編~

嫌いな食べ物、ありますか?
ざっくりとした分類でなら、私は嫌いな食べ物はありません。野菜も、肉も魚も好きだし、辛いものも甘いものも好きです。ゲテモノ系は別の話ね。

ただ、食材単位だと嫌いな食べ物もちょっとあります。とはいえ、たとえばねぎや玉ねぎのように随所に登場するようなもので嫌いな食べ物はないので、日常的には困らないです。

アレルギーも幸いなことにありません(今後のことはわかりません)。子どもの頃はコハダを食べるとじんましんが出ることがあったのですが、好きなので気にしないで食べていたらそのうち大丈夫になりました。たんに成長したことによるのか、自発的に減感作療法をしていたのかはわかりませんが。

日常的には困らないものの、嫌いな食べ物に遭遇することも少なからずあるわけです。

でも、いい年して「これ、嫌~い」もないもんだとは思うんですよね。
その食材を作っている人たちにも申し訳ないとも思うんです、おいしくなれ、と思って作ってるはずですからね。それを「嫌い」というのは気持ちいいものではない。
できれば和解したい。

なのでちょっとは努力をしたりはしますが、どうしても理解し合えない(食材にこちらを理解してもらう必要はないですが!)こともあります。「イエーイ!一生ともだち!」とハイタッチできたこともあります。

そんな嫌いな食材との、和解と交渉難航のどうでもいいようなお話。

まずはグリーンピースから。
嫌いなんです。味もいや、舌触りもいや。登場の仕方もいやです。
あいつはどうしていろんなところにちょこちょこ出てくるんでしょうね。炒飯に入っていたり、オムライスに入っていたり、しれっと混ざっているのが本当にイラッとします。食べたくないのでどかします。面倒くさいです。その間に冷めてくるし、脇に避けてある感じも育ちが悪そうでいやなんです。でも食べたくないからどかします。

なかでも崎陽軒のシウマイ!
崎陽軒のシウマイ自体は好きですよ。横浜方面に行ったとき、駅の構内で見つけると買って帰ったりもします。でも崎陽軒のシウマイのグリーンピースに関しては許せません。

上に乗ってるだけのことならよそのシューマイでもあることですが、崎陽軒のシウマイにはあろうことか中の餡にまでグリーンピースが入っていやがるではないですか。悪意を感じます。絶対にグリーンピースを食べたくない私は、崎陽軒のシウマイを食べるときはその前にシウマイの解剖をしなくてはなりません。小さなグリーンピースのかけらも見逃さずに取り除かないと、安心して食べられないじゃないですか。本当に面倒くさい。
(人と一緒に食べるときはさすがにそんなことしないですよ)

とはいえ私も大人なので、グリーンピースを食べなくてはならないのっぴきならない状況になったらちゃんと食べます。

旅行誌の取材でとある宿泊施設に行ったとき、広報の方とお昼をご一緒するという流れになりました。ハンバーグステーキを注文しました。それがテーブルに届いたときの絶望感があなたに理解できるでしょうか。つけあわせがグリーンピースだったんです。ミックスベジタブルとかじゃないですよ、グリーンピース「だけ」ですよ。それもたっぷりと。

もう、しょうがないですよね。友達とランチ食べに来てるんじゃないので、残すわけにいかないじゃないですか。うえー、と思いながらも、できるかぎり噛まないようにしながら全部いただきました。あいつのいいところがあるとしたら、噛まなくても飲み込めることくらいではないでしょうか。

そんなふうにグリーンピースとは平行線のままの人生を送っていたのです。

(今はお休みしていますが)らでぃっしゅぼーやでお野菜を買っていたことがあります。いろいろな野菜がセットになっているタイプのです(当時は「ぱれっと」という名称、今は「めぐる野菜箱」というんですね)。

あるとき、届いたダンボール箱を開けると、いたんです、やつが。さやに入った生のグリーンピースが。おのれどうしてくれよう、と思ったんですが、そのとき、らでぃっしゅぼーやのグリーンピースが私に言ったんです。

「和解せよ」

グリーンピースが苦手でも生からゆでたものなら食べられる、と聞いたことがあったのを思い出し、ほんとかしらと思いながらもゆでてみることに。さやを開くとグリーンピースがさやに収まっている様子がやけにかわいく、そのあざとさにちょっとイラッともしたものの、ゆでてからおそるおそる食べてみたら……。

普通でした。あのグリーンピース独特のまずさはなく、普通に食べられました。特に「すんごいおいしい!食べてこなくて人生損した!」と思うようなことはなかったものの、あれほど忌み嫌っていたものが普通に食べられたことはかなりの衝撃でございました。

ただ、ゆでたものを冷凍したら、嫌いなグリーンピースに近づいてしまったことは悲しい出来事でした。また生のグリーンピースを手にする機会があったときは、冷凍するものかと決意しました。

というわけで、グリーンピースとは全面的に和解とはいかなかったものの、一部和解となったのでした。

ではまた。

トップ画像は写真ACより

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