ムジナ

【詩】

 

夜の片隅ほとほとと
わたしの影が歩きます

わたし自身を引き連れて
ムジナのようにほとほとと

わたしはぐったり横たえて
影の歩みに委ねます

弛緩した腕ずるずると
足を鎖で縛られて

誰も気づいてないのです
わたしと影の入れ替わり

あなたがわたしを見かけても
ふだん通りのわたしです

悲しいことではないのです
寂しいことでもないのです

三日目の月微笑んで
知っているよと西の空

 

tamito

#詩

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