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なぜ顧客ロイヤリティーにおけるブランドパーパスが重要なのか?

消費者である私たちの身の周りには、今まで以上に大量の商品で溢れています。言い換えれば、その商品を買わない理由もまた数多く存在するということです。

ネットフリックスやエアービーアンドビーのような、所謂「産業の破壊者」(ディスラプターブランド)、あるいはバルミューダやアイリスオーヤマのような、所謂「産業への挑戦者」(チャレンジャーブランド)たちは、長い間信頼され続けてきた老舗企業に多大なるプレッシャーを与えてきました。そして、数多くの「マイクロブランド」企業たちが設立されては消滅し、インターネットはかつてないほどの大量の情報を私たちに届けてきました。

こうした流れを受け、消費者はますますどの商品を購入するかを気にかけなければならなくなりました。もっとわかりやすく言えば、消費者は商品やサービスの質のみならず、企業そのもののブランドをも気にかけるようになったのです。

インターネットを通じて多種多様な情報に触れられるようになったことにより、私たちはより透明性の高い社会で生きられるようになったとは言えるでしょう。とはいえ、そのおかげで企業は、「どんな商品を届ければ良いのか?」「その商品は社会に一体どのような影響を与えるのか? 」 そういったことをますます気にかけなければならなくなったのです。

今や消費者は、企業ブランドの意味を今まで以上に気にかけている〜ブランドが顧客ロイヤリティに与える影響とは?〜


ハーバードビジネルレビューの調査によると、企業ブランドに価値を置いている消費者の64%は、商品の購入理由として「共有価値」を挙げているそうです。

さらに、 “DoSomething Strategic”のレポートによると、消費者の77%はとある企業の商品やサービスを、「企業ブランド」という1点の理由のみで買ったことがあるということです。その理由は、消費者が企業のブランド価値を心から信じているからに他ならないでしょう。

また5人に2人の若者は、上記のようなブランド力を判断基準とした購買活動を日常的に行なっているとのことです。

私たちは、今や消費者の嗜好を”Yelp”のようなレビューサイトで確認することができます。例えば”Yelp”では、私たちは気軽に「この企業のビジネスはビニール袋を使っているかどうか?」などを簡単に調べることができます。ですから、この企業のビジネスが環境に配慮したものであるかどうか、一瞬で把握することができるのです。

では、企業はどのように自社ブランドを形作っていくべきでしょうか?

企業は自社ブランドの存在目的を理解し、真摯に体現し、誠実にコミットしていく必要があります。

“Dream Crazier” という女性を応援するナイキのキャンペーンや、ベン&ジェリーズが、アメリカ議会の人種的少数派の人たちに対するマリファナ所持の有罪判決に苦言を呈した件を考えてれみば、企業のブランドというのは単に自社商品を売る目的だけに留まらないということがわかると思います。

また、スターバックスはスターバックス・ストーリーズというページにて、彼らのコミュニティーの人々の物語を伝えたり、自社従業員が大学教育を受けることの手助けをするなどのアクションを起こしています。。こうした取り組みも、単なる自社商品の販売だけでなく、企業のブランド価値創造の一端でしょう。

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スターバックスのようなこうした企業の取り組みは、「本当の話ではない!」と度々批判されることがあります。しかしながら、もしこうした取り組みが単なる企業の宣伝であるならば、企業は従業員を公平に扱うことはしないでしょう。今日の消費者は、真実を見抜く目に長けているのです。

例えばZ世代と呼ばれるデジタルネイティブの彼らは、 “取り繕い”を見極める能力に長けています。Z世代を代表するアメリカの活動家であり、国際的な若き詩人でもあるAmanda Gormanは、「Z世代は企業の誇大広告やプロモーションによる誇大表記を見抜くのが非常に上手い!」と言っております。

いわばブランドパーパスは企業の営業力、そこで働く従業員の情熱が世界のニーズにマッチすることで成り立っているのでしょう。

カンターコンサルティングによると、高い目的意識を持つ企業ブランドは、しばしば企業に追加の利益をもたらしてくれます。カンターコンサルティングの研究によると、こうしたブランドを持った企業は過去12年間で175%もの成長率を叩き出していたとのことです。これは一般的な企業成長率である86%に比べると驚異的な数字でしょう。実に2倍以上の数字を叩き出しているわけです。


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By: 石田 バレット
翻訳:三須 雄介

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