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企業誘致、企業城下町の落とし穴

こんにちは。ドラクエの城下町に入ると冒険の始まりを感じられてわくわくします。たむです。

自分は地方の活性化に興味があり、どうすれば地方は盛り上がるのかということについて本や新聞を読んで勉強しています。

地方の成功事例の中で多く挙げられているのが「企業誘致」です。
例えば、大分県にある姫島村は離島で、人口は約1800人であるにもかかわらず年商5億4000万をあげる企業があります。それは観光や漁業ではなくIT企業です。

2018年に町が打ち出した「ITアイランド構想」によりIT企業を誘致したことで人口も少しずつ増え、メディアにも多く取り上げられています。

このようなサテライトオフィスを置く取り組みは東京一極集中を防ぐためにもかなり有効な方法なのは理解しています。
しかし、成功している自治体があるからと言ってその真似をして企業誘致をすることには多くの危険性があります。

というわけで今回は企業誘致、企業城下町の危険性について述べていきたいと思います。
メリットしかないように思える企業誘致にもたくさんの落とし穴が潜んでいます。

落とし穴① 地方からの撤退

地方に工場を誘致して喜んだのも束の間、その企業が撤退し地方経済が衰退していった地方自治体は数多くあります。新日鉄の工場が多くあった北九州市、日立の関連工場が連なる茨城県日立市、昨年日本製紙の工場が操業停止した北海道釧路市などです。
一つの企業に頼っていたがためにその企業の業績不振、撤退で窮地に陥っています。

ぽっかり空いてしまった穴を埋めることは難しいことです。
1つの企業の城下町ではありませんが北海道夕張市は炭鉱として多くの企業が集まり栄えていましたが炭鉱がなくなってからはその立て直しに失敗し、皆さんご存じの通り全国唯一の財政再建都市となりました。

メリットもありながらこのような危険性をはらんでいるのが企業城下町です。

落とし穴② 雇用創出の罠

企業誘致のメリットとして
①その企業で働くための雇用が生まれる。
②関連企業が増え、自治体の財政が健全化する

というものがあげられます。

しかしこれは机上の空論で、そうはなっていない現実があります。

雇用創出についてですが、確かに雇用は生まれています。しかしそのほとんどが工場で働く非正規労働者です。
さらには地方には働き手がいないからと外国人労働者に頼っている企業もあります。
つまり地元民の働き口として満足のいくものではないということです。

若者が都市圏に移住する理由に上がる「働き口がない」とは「量」の問題ではなく「質」の問題です。
肉体労働を行う仕事が多いから都市部に流出してしまっているのであって決して働き口がないわけではありません。面白いことをさせてくれるような企業が少ないから地方に戻って働こうとしないのです。
誘致した企業で戦略の部分を担うのは都市部から転勤してきた社員です。経営に携わってみたいと思ったら都市部で働くしか選択肢はありません。

落とし穴③ 経済効果の罠

では肉体労働ではない頭を使うIT企業ならいいのではないか、と考えると思います。確かに雇用という面ではアリかもしれません。
しかしそれだけでは補助金を払って誘致するには物足りません。

自治体が企業に臨んでいること2つ目に経済効果があります。
その企業が材料を地元から購入し販売することで中小企業にもメリットがあると考えます。さらには法人住民税、法人企業税を納めることによる財政改善です。
これらは儲かった分だけ自治体に税を納めるので大企業が来れば大きな収入が見込めます。

しかし地方に拠点を置く場合はたいていが本社の一部機能の移転、もしくは新たな子会社を設立しての新設となっています。
法人登記は都市部のままであるため地方税は本社のある自治体に納められます。
子会社は規模が小さくなることは言うまでもありません。

雇用創出と経済効果というメリットがどれだけ撤退のリスク、補助金負担をカバーできるのかという点を慎重に検討する必要があります。

まとめ

僕が考える地方経済の一番の活性化は起業数が多く、お互いにしのぎを削りながらスーパースターとなる企業が生まれることです。その地発祥の大企業が一つあるだけでその地域は大いに盛り上がります。
自治体ではなく民間が地方を変えると信じています。
そのために自分が今すべきことを精いっぱい取り組んでいきたいと思います!

読んでいただきありがとうございました。ではまた!



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