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足腰の強さについて

一日中歩き回っていても、疲れを知らないような足腰の強い人が世の中にいらっしゃいます。そのような足腰の強さはどこからきているのでしょうか?私たちは単純にその人の足の筋力が強いからと思ってしまいがちですが、どうもそれだけではないようです。

私がそのように思う理由は、自身の農業のアルバイトの経験からきています。私は以前山芋の栽培のお手伝いの作業を毎日約8時間こなしていました。その時私と一緒に、70代の高齢者が3人と、50代と40代の男性が2人働いていました。

山芋栽培の作業は、体全身を使い、無理な体勢で立ちっぱなしでいることも多くかなりハードな作業です。そのため、一般の常識的にいって、若いほうが筋力や体力が有って有利なように見えますが、実際は全く異なっていたのです。

実際にその中で、一番身のこなしが軽快で疲れ知らずの人は、70歳の小柄なお爺さんでした。いつも元気な笑顔をみえる人で体つきは、ごつごつしている感じではなく、真っすぐ引き締まった感じに見える人です。

他の2人の老齢の方も、体つきは筋肉がそこまであるようには見えません。しかし何時間働いても平気で仕事をこなしているように見えます。比較的若い人も、作業慣れしていて、自分より仕事の手際が速い人達でした。その中で一番若い私が一番作業スピードが遅くて、直ぐに腰に疲労がきて、きつそうにしているのでした。

40歳の男の人は、柔道経験者で、いつも足を酷使していてそれでいて疲れ知らずなのでやはり足腰が強いという印象を持ちました。しかし特別足がごつくて筋力があるようには見えないのです。

私はこの経験から、単純な筋力以外の要素が足腰の強さに影響を与えていると感じました。その時から、私は筋トレで足を強くするという発想から色々な作業で、あちこち足に刺激を与えて、自分で試行錯誤して疲れない足を身に付けるという風に考え方を切り替えました。

山芋栽培でも、速い人に何とか遅れないようにして、工夫しながら作業をこなしていって、アルバイトを始めた時に比べて、段々楽にこなせるようになっていきました。

山芋の栽培のアルバイトを終えて、しばらくして、今度は根菜類を栽培している農家の元で半年間アルバイトをこなしました。草刈りや芋を植えたり、肥料をまいたり農薬をまいたり色々こなしました。中でも草取りは、足腰を鍛えるのに役に立つと感覚的に思います。最初の頃は手慣れた動きをするおばさんに中々ついていくことができませんでしたが、辞めるころには、同じくらいのスピードになっていました。

その後札幌に移住して、アルバイトをしながら太気拳の道場に通うことになりますが、その時に始めようと思ったのも農作業の経験で直感的に、機具やマシーンで合理的に筋力を上げるよりも、色々な変化に富む環境で体を動かしたり不規則な動きで鍛えたほうが、実戦的な足を作る事ができると思ったためでした。

太気拳の道場では、立禅とスワイショウを主に学び、這いも少しトレーニングをしました。立禅は、膝をかがめながら静止するトレーニングで主に、体の内的な感覚やインナーマッスルを鍛えることができます。実践すると全体的なまとまりや安定感が段々良くなっていきます。

立禅を毎日することで、今までの筋トレや他のトレーニングで身に付けた部分を補い合って、機能的で、切れの良い体になっていきました。普段徒歩で活動していても、どこまでも歩いて行けるのでは?と思えるほど最近の体の足どりは軽快です。私は他の人にも是非この立禅というトレーニングをお勧めしたいと思います。


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