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修行について

修行とは日本的な仏教的な取り組みで自分と向き合って試行錯誤して、自分の精神や肉体の状態を高めていく行為を広い意味で指しています。

修行の内容は、昔から広く普及している坐禅や立禅や滝行などがあります。これらの方法はみんなに共通するやり方は精密に決まっているわけではなくて、おおまかな形を練習した後は自分で継続させることで自分に合った方法を模索していきます。

現代人は修行と聞くと、自分自身に厳しくしたり、辛いことをこなさなければいけないと思いがちです。実際に荒修行にはそういう一面があります。しかし修行自体にそういう意味があるわけではありません。

今の日本社会には西洋的な身体観が取り入れられていて、多くの人が日本的な身体観と混同していて日本的な風習を誤解しています。西洋的な身体観は一つの正しい方法にみんなが収まるようにしないといけないという考え方です。日本的な身体観は自分が一番心地よい状態であるかを重視しています。

例えば体育の授業で行われている、「休め」、「気を付け」「前に倣え」などのポーズやみんなでそろって行進することはもともと日本にはない文化で、西洋から取り入れられたものです。そういうものは、自分の体をみんなで意識的に特有の形にはめようとする考え方があります。

そういう考え方が浸透しているので、現代人は修行に対しても、決まったとおりに自分をしたがわせないといけないと思い込みやすいところがあります。

しかし坐禅も立禅も自分自身が主体となって取り組むもので、自分自身が状態が良くなっているかを自分で確かめながら納得しながら行うもので、他人がその方法が良いとか、間違っているとか細かく指摘できるものではありません。

実際には坐禅や立禅は自分に厳しいことを課すという感覚はなくて、自分の自然な心を開放したり自然なリラックスした体の状態を目指していきます。それらは自分自身の状態を高めることに大きな目的があります。そうするためには自分と普段から向き合って状態の変化に敏感になる必要があります。


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