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昨日の本棚

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読書記録、本や書店に関する考察など。 読書記録は月に1回のふりかえりをベースに、おもしろかった本は個別に考察も書きます。
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#本

読むことについて話すこと

日常の中に潜む驚きを、探す努力を怠らないこと。 先日のBOOKTALKイベントでの再発見について。 断続的に一人細々と読書をしてきたけれど、人と本や読書の話をしたことはなかったな、と思い。最所さんの読書のセンスはマガジンを購読していたときからとても信頼していたこともあり、寒空の青山ブックセンターへ。 深津さん以外のゲストは存じていなかったけど、結果として3回とも聞けてよかった。 偶然にも3人目の渡邉さんが紹介していた『プルーストとイカ』は、前日に自分が読み終えたばかりの本

2019年の読書記録 April - June

うっかり上げ忘れ。 今季もたくさん読む! 1. 人類と建築の歴史(藤森 照信)建築、もといその原形としての「住まい」を、原始時代から近現代までの流れを追って見ていく。 マズローの5段階欲求説じゃないけど、人間のいろいろな欲求の中で「安全な空間にいたい欲求」ってすごく大きいと思う。野山に暮らしていた祖先の時代では、家はまず安全であることが第一で、人類の本当にプリミティブな欲求がはっきり現れるよね、っていうことが確認できた気がする。 寺社建築にかぎらず、どこの国の文化にも同じ建

読む

今読んでいる本がすごくおもしろくて、読み終わらないうちに読書感想文を書きたくなっている。 「一冊の中にぴんと来る箇所がひとつでもあれば読書としては成功」という話、たしかに、たしかにそうだとは思うけれども、やっぱり記憶からこぼれおちそうな話なども、なんだかんだ記録に残しておきたい、と思う性である。 今回でいうと、たとえば「本屋」という生業について、「職業」というせまい領分でしかとらえていなかったけど、それは情報の取り入れかたにかかわる話であり、またインプットこそがアウトプッ