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昨日の本棚

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読書記録、本や書店に関する考察など。 読書記録は月に1回のふりかえりをベースに、おもしろかった本は個別に考察も書きます。
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#千葉雅也

新しいレンズで世界をみよう ––千葉雅也『現代思想入門』

現代思想というカテゴリが、誰のどんな理論によって形作られているのかがわかりやすく解説されている。だけでなく、「思想書をどう読むか」というプロ視点での指南も数多く盛り込まれており、「読むこと」の楽しさを味わえる一冊。 本書を読んで、現代思想というものがちょっと身近になった。それぞれの哲学者の論点だけでなく、それまでの哲学史に対するその人のスタンスを知ったことで、現代思想の生き生きとした感じ、躍動感に触れた気がした。 なぜこんなにわかりやすいのか思想や哲学の本はあまり読まない

2019年の読書記録 October - December

1. 出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと(花田菜々子)少し前にこの本が新刊で本屋に並んでいるのを見てちょっと衝撃を受けたことを覚えている。タイトル通りの内容が展開されるが、出来事に対する彼女自身の気持ちが徐々に変化していく過程を見ていると、「好きなものを媒介にして人と言葉を交わすことが、ある時はものすごく救いになるのだなぁ」と感じさせられる。 最近、本(そのもの)や本屋や図書館などに関する本を読むことが多いのだけど、この作品で