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「法人noteのカスタマーサクセスって一体なんなんだろう」という問いについて、現時点で私が思うこと

カスタマーサクセス(CS)という言葉を、実はnote社に入るまで知らなかったのですが、今ではSaaS業界を中心にかなり一般的になっているように思います。
直訳すれば「顧客の成功(を生み出す仕事)」ということで、要は継続的に顧客の支援を行うことで、長くそして積極的にそのサービスを使ってもらうことを目指す仕事、というふうに理解をしています。

ただ、noteの法人向けサービス「note pro」のカスタマーサクセスとしての仕事をしながら、「世間で認知されているカスタマーサクセスの仕事観とはちょっと違うところがあるんじゃないかなあ」と思うことが時折あります。

結論から言ってしまうと「コンテンツによるコミュニケーションを通じて、読み手や話者に変化を起こす」「そのための場所をつくり発信者の後押しをする」というのが私たちの仕事の特徴であり醍醐味なのでは、ということです。

今回は「noteのカスタマーサクセス」としての仕事の棚卸しも兼ねて、ふだんチームでどんなことをしているのか、その一員として何を思っているのかについて書いてみたいと思います。


改めまして、「note pro」のカスタマーサクセスをしている漆畑です。

note社に入社したのは2020年4月ですが、この2年8ヶ月もの間、趣味に関するnoteしか書いていないので、ちゃんとお仕事について書くのは実は今回が初めてです。

あくまでいちメンバーとしての主観的な話が多くなりますが、「へぇこんな仕事もあるんだな」というくらいの気持ちで読んでいただけたらうれしいです。

※ この記事はnoteのみんな Advent Calendar 2022の11日目の記事です。
※ トップ画像は先日同僚と食べた焼き鳥です。

日々なにをしているのか

ふだんのお仕事がどんな感じかというと、

  • noteを開設された法人のご担当者と、オンボーディングのミーティングを行ったり

  • さまざまな法人noteの実例を解説したノウハウ集をつくったり

  • note proを活用されているお客さんにインタビューをしたり

  • note proのお客さん限定でオンラインイベントを開催したり

などなど、ユーザーであるnote proご利用企業の担当者さんと直接コミュニケーションを取ることが多いポジションです。

※ 私はフロント寄りの業務がメインですが、カスタマーサクセスチームには他にも、数値全般の分析を担っているメンバーや、note proの戦略立案を主業務とするメンバーなどがいます。

窓口としてお客さんの支援をさせていただく中で、こちらからノウハウをお伝えすることももちろんあるのですが、ふだん楽しさを感じるのはそうした「情報提供」以外のところにあるんじゃないかなと思います。

コンテンツを相手にする面白さ

noteを運営する企業の目的はさまざまです。どんな山に登りたいか、あるいはどれくらいの装備を用意できるかによって、そこに至るまでの道のりの選びかたが変わってきます。

そのため、お客さんとのコミュニケーションはヒアリングから始まることが多いです。
noteの運営は必然的にゼロからコンテンツを作ること、つまり創作を前提としているので、決まった形式や成功パターンが(いい意味で)少ない世界である、というのも面白いところだと思っています。

個人的には、ヒアリングや公開された記事を通して、お客さんの仕事の細部を知るのが本当に楽しい。世の中には、自分が想像したことのない仕事が無数にあるんだなあと思います。

業務内容がどうかということもそうですが、そこで語られるそれぞれの会社の雰囲気や、個性的な社員さんのお話を直接聞ける面白さというのは、今まで仕事で体験したことのないものでした。
これも、自由にコンテンツを発信できて、用途がしばられることもないnoteというプラットフォームならではのことだと思っています。

大事にしていること

お客さんと話をする上で、私が大切にしている考え方は抽象化言語化の2つです。

具体と抽象を行き来する

抽象化については、担当者から聞いたお話や読んだnoteから視点を変える、あるいはもう少し一般的な話に置き換えてみる、というイメージです。

単純化した例ですが、「このnoteではBtoB製品の新機能のリリースが主題になっているけれど、立場の異なる複数の社員の声が取り入れられることで、プレスリリースの内容に深みが増してるな」というふうに、コンテンツを鳥の目で俯瞰することによって、「じゃあ、業界がちがう●●さんみたいな会社のnoteでも、いろんな社員を巻きこむことによってよりリアリティのある記事が書けるんじゃないか」と具体的なコンテンツのイメージに下ろすことができます。

これは「具体と抽象を行き来する」作業だと思っています。全然関連のなさそうな企業どうしのnoteが、実はすごく近い視点で作られているのを見つけたときは、ひそかにわくわくしています。

※ ミーティングなどで企業から個別にお伺いした機密情報などを、勝手に他社にお伝えしたりすることはもちろんありません。

「スキ」の理由を言語化する

中の人が自社製品への愛やこだわりをとめどなく語っていたり、企業とお客さんとのすてきな関係が垣間見えたりする記事に出会ったときは、ひたすら心の中で「いい会社だなぁ〜」とつぶやいているのですが、とはいえ、漫然と読んでいるだけでは他のお客さんに実のあるお話ができません。その良さを誰もがわかる良さとして言語化する必要があります。

「好きに理由はいらない!」という考え方もとても共感できますが、この仕事に関しては「なぜこの記事が好きなのかをあえて言語化すること」、そして「その良さを他の法人の担当者にもしっかり伝えられること」が求められているな、と日々感じています。

100の書き手がいれば100の読み手がいるのがnoteなので、抽象化したり言語化したりしてみたことが、他のチームメンバーと異なることも多々ありますが、その受け取り方の自由度もnoteならではだと思います。

…とはいえ、そうした視点も持ちながらも(結局のところは)記事を読むだけで何かしらの学びがあったり、ポジティブな気持ちになれることが、一番のモチベーションではあります。

ちなみに私は、商品やサービスそのものの良さというより、その商品やサービスへのあふれる思いを語っている担当者さんの姿が好きです。(居酒屋などで他のお客さんやマスターのマニアックな話をただ聞いているのが好きなんですが、なんとなくそれとも似ているなーと思ったりします)

読み手の一人として、変化を起こす側に立つ

少し抽象的にまとめると「自分自身も読み手としてさまざまな影響を受け取りながら、より多くの読者にもその変化を届けるために企業の側に立つのが、note proのカスタマーサクセスである」ということになるかと思います。

私はnote社のミッションである「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」という考え方も好きなのですが、ふだんの仕事では、どちらかというとその後に続くビジョン、「noteがあることで、人々は本当に伝えたいことに専念できるようになる」を意識することのほうが多いように思います。

大切なのは法人が伝えたいことをしっかり汲み取り、発信のための土壌を整えながら、さまざまな法人の記事を読んでいる専任担当として、あるいは単なるいち読者として思ったことを伝えること。
その結果、noteが発火点となって「社内でこんな変化があったよ!」「お客さんからこんな声をいただいたよ」という声を聞けたら、これほどうれしいことはありません。

ありがたいことにたくさんの法人でnoteが活用されるようになり、読むべき記事も日々ものすごく増えているのですが(うれしい悲鳴)、企業の情報発信を今までにない形でお手伝いできたらいいな、と思っています。

note proをご利用いただいている企業のみなさま、今後もよろしくお願いします!(個別ミーティングもぜひご利用ください)

あとがき

ずっと仕事に関するnoteが書けなかったのですが、ようやく書けてほっとしています。
企画の段階からそこそこ時間がかかったので、noteを日々運営しているクリエイター(note/note pro、個人/法人を問わず)はすごいと改めて痛感しました。

今回自分で名乗りを上げてみて、アドベントカレンダーという建て付けが法人noteに向いてる理由がなんとなく言語化できたので、最後にまとめておきます。

  • 期間限定のお祭りである
    →継続して更新しなきゃいけないといった縛りがなく、とりあえず一回書いてみるか、という気持ちになりやすい

  • 自分ひとりではないという安心感がある
    →みんなで渡れば怖くない

  • 時期的にもちょうどいい
    →ついでに1年のしめくくりができる


ここまで読んでいただき、ありがとうございました!!



おまけですが…

もし!万が一!note proのカスタマーサクセスという仕事に「ちょっと興味あるかも…?」と思ったかたは、ぜひ採用ページもごらんいただけたらうれしいです。


最後まで読んでいただき、うれしいです。 サポートをいただいたら、本か、ちょっといい飲みもの代に充てたいとおもいます。