見出し画像

紅をまとって

盆栽のこと、noteに残しておこう。
初回は思い入れの深い、ヤマモミジです🍁

-------------------------------------------------------------------------

出会いは四国の山の中

四国でひとり旅をしたとき、徳島の内陸部にある祖谷渓(いやけい)という場所に行った。ここは山奥にあるV字型の渓谷で、植物の蔓でできた橋(かずら橋)を見に行ったのだ。

ちなみにこの橋渡るの超怖い

結構な長距離の旅行だったけど、かずら橋周辺での渓谷歩きがめちゃくちゃ楽しかったので、よく覚えている。鮎の塩焼きのお店などが並んでいるエリアがあり、その道端でおじいさんが植物の苗木を売っていた。
それがそのときに買ったヤマモミジの写真。

当時はまだ家にミズキの盆栽しかなく、なんかもう一つくらい欲しいなと思って買ったのだ。

(私は燃えるような新緑が好きだ。特に5月頃のケヤキとモミジの青葉の美しさは格別に感じる。
徳島の山村で買ったときも、夏のエネルギーを全身から発しているような気がして、心が弾んだ。)

しかもこういうローカルな場所で売ってる苗木は、だいたいお手頃価格だ。
このもみじも300円だったらしい。(旅の手帖に書いてあった)
また行きたいなあ、四国。他の場所も最高だった。

日曜市にあった苔

もみじの苗を下げて高知へ行った。
最終日に高知市の日曜市にすべりこんで、いも天を片手に食べ歩きしていたところ、シート状の苔を売ってるおじさんがいた。こちらも100円でお買い上げし、もみじのポットに入れて持ち帰る。

買ってすぐ鉢に植えたら、もみじの根元にも種がいろいろついていたのか、いろんな苔や草が生えてきてにぎやかになった。左下のユキノシタは数年かけて巨大化したので、庭に放った。

ちなみにこの苔の名前が知りたくて「コケ図鑑」なる本も買ったのだけど、結局どれにも見えてわからず。誰か詳しい人…教えてください…

初めての手作り盆栽

全体はこんな感じに。

左は塩津先生の盆栽ワークショップでいただいたミズキちゃん。
最初の年は環境が急に変わったからか、モミジは葉がすぐ落ちてしまった。まだ枝も少なくて、全体的に寂しい雰囲気。

紅葉本番

秋といえば、紅葉。紅葉といえば、そのままモミジですよね。
モミジ、大好きです。緑から赤に変わる様が本当にきれい。

1年目は緑のまま葉が落ち、2年目もあまり紅葉!って感じにはならなかったうちのヤマモミジ。今年はようやく状態も落ち着いたのか、きれいに紅葉してくれました。

1年目と比べて、格段に枝葉も増えたし、少しずつ背も伸びたし、もうほんとうにかわいい。襟元のマフラーみたいになってる部分もかわいい。

紅葉狩りを庭でするのも、なかなか乙なもんです。

冬を越す

モミジは普通、紅葉の後は葉を落として冬をやり過ごす。そして暖かくなると赤い葉芽が出て、初春〜秋の手前までは緑色の葉を生やす。早ければ10月頃から紅葉が始まり、葉が落ちて一年が終わる。

今の状態はこんな感じ。

この真ん中あたりの赤い芽から、春に葉っぱがもこもこと出てくる。ちなみに葉は出てすぐに5本指になります。小さくてこれもまた良い。

モミジのような落葉の葉ものは冬に細かい剪定を行うといいらしいんだけど、この木にはあまり手を入れていない。数年、数十年先にものすごくかっこいい形になるようにしたいんだけど、どこに手を入れるのがいいのかなあ。剪定のワークショップとか、行ってみたい。

3年目の冬を迎え、青々してた幹も、根元から少しずつ木質化してるのが嬉しい。幹周りも太くなったねえ。もはや子供の成長を見守る親の心境。

ちなみに高知の苔は夏の暑さにやられ、若干枯れが目立つ。もう少し湿り気がないとだめかな…そして君の名は…

鉢は1年目の冬、盆栽の入った段ボールを移動させる途中で落としてしまい、割ってしまった。運良く、植物たちにはさほど影響せず(強い子たちだ)。
鉢は、東京では中目黒のグリーンスケープで買うことが多い。今の鉢は、だいたい3、4千円くらいかな。名前は忘れてしまったけど、同じ作家さんのものにした。

春待ち

これから春までは盆栽はみな静かだ。でも眠りは案外短く、2月には芽が少しずつふくらんでくる。それまでは少しの辛抱。

霜が降りるのを避けるために、東京の片隅にある我が家でも冬は家の中に入れる。そして植物たちの自然なリズムを壊さないよう、なるべく寒い玄関とかに置くようにしている。3月頃には徐々に外に出すようにして、日光にもよく当てる。

日々成長の夏

春に芽吹いたあとの成長は早い。5月にはこんもりと葉がしげり、1本だけぴょこっと飛び出る徒長枝も多いので、剪定はこまめに行う。

このヤマモミジのように若い木は、根っこの成長も早い。
今年の2月に土の入れ替えを行ったときは、太い根が鉢の中でぐるぐるととぐろを巻いていた。これだけの大きさの木であれば多少根を切り詰めても大丈夫なので、思い切ってばっさり。

若い木は土から栄養を取り込む力も旺盛なので、植え替えも1〜2年に1回はやった方がいいとのこと。来年植え替えるときは、どれだけ根が張ってるだろうか。鉢ももう少し大きいのに替えようかな。

いつかは広い庭に

ミニ盆栽としても十分に素敵だけど、やはりモミジの大木を見ると地植えがいいなーと思ってしまう。数十年も生きてる木だと、枝ぶりが繊細ながらも堂々としていて、ずっと見ていられる。
いつかこの木を自分の家の庭に植えて、新緑や紅葉を下から見上げることができたら…まあそこまで大きくはならないだろうけど。

当面は、庭の広い家に住むことを目標に生きていきます。

-------------------------------------------------------------------------

盆栽が好きすぎて、将来は盆栽の置いてある何らかの店をやりたいくらいなので、経験はたくさん積んでいきたい。このマガジンは、趣味の記録として気が向いたときに更新していきます。
よろしくお願いします!

最後まで読んでいただき、うれしいです。 サポートをいただいたら、本か、ちょっといい飲みもの代に充てたいとおもいます。