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多聞式 新カタレプシー法

こんにちは、石井多聞(@tamonhypno)と申します。

催眠術において、最初に起こす現象というのはとても重要で、その後の被暗示性や催眠の印象に大きく影響します。
皆が抱く催眠術の印象は、良くも悪くも「カタレプシーによる禁止暗示」であり、より早い段階でそれを体験させたいのです。

僕のノートである「多聞式 催眠誘導ルーティン」でも、カタレプシーによる禁止暗示を入れる事を目標としています。

今回は、誘導ルーティンの「手が開かなくなる」という現象の代替となる手法を提案したいと思います。
今後、僕はカタレプシーはこの方法に切り替えていくと思います。

身体化認知論

人間の認知(物事の捉え方)は、身体の状況や環境に大きく影響を受けるという仮説で身体化認知 (embodied cognition)と呼ばれています。

昔から「身体で覚える」とかいう言葉があるように、身体と認知は結び付きがあると経験的にわかっていました。
しかし、認知科学はずっと脳にしか関心がなく、身体はずっと軽視されてきました。しかし、最近になって身体化認知への関心が高まっていて、論文の数はかなり増えてきています。

例を上げると、冷たいコーヒーが入ったカップを持つ時と、温かいコーヒーが入ったカップを持つ時では、温かいコーヒーが入ったカップを持ったまま接した時の方が、相手をより温かみがある人物だと評価します(Williams & Bargh, 2008)。

このように、身体の感覚と認知が非常に大きな影響を与えること示唆しています。
今回の「新しいカタレプシー」は身体化認知の考え方を取り入れた方法です。

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