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柔らかさと優しさを持つワイン!そしてまさかの"タルトーーク!"

どんな人物がどうやって造っているのかを、ワイン生産者本人に直接会って知れるCASA AfeliZ GINZAの貴重なイベント「Vignerons table(ビニュロンズ テーブル)」

登美の丘ワインナリー長の渡辺さんが作るワインはどんな風味がするのでしょうか!(後編)

前編はこちら!

渡辺ワイナリー長
「 "登美の丘のシャルドネ2015" のぶどうは、3ヘクタールに9つのエリアに分けて栽培しています。丘の頂で栽培されているぶどうは、水通しが良い土壌なのでよく熟し、谷で栽培されているぶどうは、水分豊かな土壌なので、爽やかに仕上がります。それぞれ別々に醸造し、最後にブレンドをしています。登美の丘ワインのシャルドネはこんな造り方をしています。
バターのような味わいは、マロラクティック醗酵と乳酸発酵しているのを樽に入れるので、このような風味がでます。」

うわぁ、バターのような香りがとても強くて料理にとてもあいますね!

今の渡辺ワイナリー長の説明の"樽"という言葉から、参加者がワイン樽に関する超絶レアな質問が飛びます... 渡辺ワイナリー長も「今まで話したことがなかったなぁーー!」と ”ワイン樽” について熱く語り出しました。

ここからまさかの ”タルトーーク!” かなりディープな話題に発展します笑。

実は、登美の丘ワインの樽は、サントリー山崎のウイスキー樽と同じ製造工場で作ってもらっています。ウイスキー樽はがっちり焼く工程がありますよね。登美の丘では、2003年から材質や処理方法を変えたり、色々と評価をしてきまして、今では樽を電熱器で焼いています。これは、樽独特の湾曲を出すのに、火を入れて蒸し焼いて、柔らかくして曲げる工程です。材質はオーク材で厚みは22mmを使っています。細かい話になりますが、このオーク材でも、色々な種類を試してきましたが、現在は日本の”ミズナラ”という種類を採択しました。ぶどうの品種で、マスカットベリーAという品種をつかって、熟成させることに決めたのですが、マスカットベリーAは、”いちご”のような甘い香りがします。そこにミズナラがもっているココナッツミルクの香りと白檀の香りが混ざり合います。そうすると、それぞれの香りを感じるのではなくて、よく熟したいちごと言いますか、プルーンに近い香りになり、どっしり しっかりとした風味にまとまります。マスカットベリーAはそもそもどちらかと言いますと、軽い味がするワインになるので、マスカットベリーAとミズナラは、面白い組み合わせになるよねと言う話しになりました。そして2003年に初めて、ミズナラとマスカットベリーAを3年間熟成したものを作りました。試行錯誤の上2009年に日本の品種であるマスカットベリーAと、日本の樽ミズナラで熟成させ作った“日本オンリー”のワインができました!!

おおおぉーー樽にこんな苦労話しがあったなんて涙!確かにワインを語る時、どうしてもぶどう品種や土壌に関わる話しが多くなりがちですが、ワイン樽について知る機会が余りありませんでした。こんな良い話を引き出してくれた参加者に感謝!!

渡辺ワイナリー長
「更に余談ですが、山崎ウィスキーの樽は、シーズニングといった工程があり、新樽にウィスキーを直接入れることをしないのです。実は、そのシーズニングをマスカットベリーAで醸造していたりしています、まさに一石二鳥笑。
登美の丘ワインの場合、樽で熟成している期間は長くても1年半位で、長い期間になると、樽の渋みが強くワインに伝わってしまい、ぶどう本来の若さや優しさがちょっとわかりにくくなってしまいます。」

そうそう!この更に余談がたまりません笑。まさか登美の丘のワインを醸造した樽が、そのまま山崎ウイスキーに使われているなんて、知りもしなかったですよねー山崎ウイスキーとなると樽醸造12年とかの長期間使われるわ訳ですよね… 男のロマンを感じます。

そして、ロゼワインのペアリングに移りますが、この登美の丘ロゼワインが、わたしがこの日一番印象に残ったワインになりました。

渡辺ワイナリー長
「次は辛口のロゼ "登美の丘メルロ&カベルネソーヴィニヨン ロゼ2014" になります。私達のロゼワインは、登美の丘ワインの赤ワインを造る時に“セニエ”といって、破砕した時に皮と種とジュースに分けられますが、そのジュースには、ほのかな色、質素が溶け込んでいます。そのジュースを白ワインのように醗酵させるとロゼワインとなります。登美の丘のロゼは、このような造り方をしています。
残っている種と皮は赤ワインに使用しますが、先程ジュースを抜いていますので、よい濃厚な赤ワインになります。と言い訳で、登美の丘では、赤ワインの横で、ロゼワインが造られているのです!
ロゼワインは、どうなんだとよく思われがちですが、赤ワインで使われる、よく熟したぶどうのジュースから作られますので、少し豊かなロゼワインになるんですね!辛口といっても、このような自然な感じになり、少し膨らみがあるロゼワインになります。辛口でも美味しいロゼワインになっているのではないかと思います!
…ということなので、造る量がとても少ないんですね苦笑。毎年とはいきませんが、登美の丘では、ロゼワインもしっかりつくっています!年間1700本位の生産量ですが笑
世界的にはフランス人が、赤ワインを飲むのが50%、ロゼワインが30%、白が20%で、フランス人は白ワインよりロゼワインをよく飲んでいると言われています。フランス人がよく飲むと、アメリカ人もロゼワインを飲むのがトレンドとなっているそうです。だから次日本もロゼワインが来るんじゃないかと思っています!

たしかに、日本人でも、赤か白しか選択しかなくてロゼって本当に飲まないですよね。食中ワインとしても優れているので、登美の丘ワインのように、しっかりと造られたロゼワインならありですね。ロゼワインの見方が変わりました。

この写真はロゼワインとペアリングした桜ますの軽い燻製。これがめっちゃいい!ロゼワインとよく合う!そしてマジな話し、家までロゼワインのいちごの香りが残存していた、そのくらい風味豊かなロゼワインでした!

渡辺ワイナリー長
「”登美の丘赤2015”は、ブレンドタイプの赤ワインです。プティ ヴェルドといる品種のぶどうは、山梨の風土にとても合うので、最近栽培を増やしている品種のひとつです。よく熟したぶどうを別々に収穫して、別々に醸造し、そして樽熟成の途中でブレンドをして、1年位樽熟します。その樽は1/4位新しいものを使用しているスタンダードワインです。ものすごく強くて、ものすごく華やかとい訳でなく、優しくて柔らかくてとても繊細な味わいが登美の丘のワインのスタイルです!柔らかさと優しさがあるので、食事を引き立てるのではないでしょうか」

イベント最後は、席を移動して、さすらいのスペイン人ダビちゃんによる生演奏で、参加者を盛り上げくれました!

普段顔を合わすことがない、ワインの造り手と我々消費者がひとつのテーブルを囲んで、登美の丘ワインは、料理だけでなく、その柔らかさと優しさで、私達参加者同士も引き立ててくれた、素敵なイベントになりました。

登美の丘ワイン渡辺ワイナリー長ありがとうございました!そして、みなさまとの出会いに感謝!


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