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DXという言葉に踊らされず、「ありのまま」を伝えて好きになってもらえるDXを目指したい。

DXには3つの視点があると思います。


1つ目は、持続可能な世界を目指していく手段としてのDX。

ちょっとボクには大きすぎるテーマですが、社会全体として向かうべき間違いない方向だと思います。人材不足や気候変動や教育やジェンダーの問題など、少しでも良くしていくためにデジタル技術は不可欠で、一企業に限らず個人でも組織でも「持続可能な未来」のために何が出来るか考え続けていかなければなりません。

2つ目はデジタル化することによって業務の効率を上げるDX。
社内業務でデジタル化されてないものを見つけるのが難しくなったくらい、この数年で進みました。
リアルなハンコもサインも一気になくなったのが寂しいくらいですが、ますます進めば良いと思います!

3つ目は、高度にデジタル化したお客さまに合わせて、自社のサービス、製品を作り替えていくDX。
その一つにお客さまのデータ活用がありますが、一筋縄でいかないのは、経験されてきた方も多いと思います。
高度にデジタル化したお客さまに寄り添い、少しでもより良い体験を提供していくことが企業のDXとしては目指すところだと思います。

DXという言葉に踊らされないようにしたい。
なんでもデジタル化すればDXに繋がるのかと言うとそんなことはぜんぜん無いと思います。
「紙」のままが良いことだってあるはずで、「接客」がデジタルになることにはボクは大きな疑問を持っていますし、お客さまに「タッチパネル」で注文させることなんか、「これはホンマにDXかいな~」とボクは不満に思うことも多いです。
お客さまとの接点ごとに、お客さまからの視点で考えられていないDXは、「なんちゃってDX」で逆効果になることもあるのだと思います。


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お客さまに寄り添い、より良い体験を提供するには、時間をかけて改善を続ける


B向けでも、C向けのビジネスでも、お客さまとの接点が増え、データを連携する重要性はますます高まっています。
容易なことではありませんが、避けて通れない未来なので、時間をかけて試行錯誤しながらでも取り組んでいくべきだと考えています。

1. リアルな店頭や展示で体感してもらう
2. リアルで見たものをデジタル上で買える
3. お客さまのデジタル行動履歴を把握
4. リアルとデジタルでポイントや購入履歴の同期
5. SNSでお客さまと直につながるコミュニケーション
6. アンバサダーやコミュニティ活動
7. コーポレイトサイトやオウンドメディアで自社を知ってもらう

かと言って「データ連携」することが目的になってしまうと、お客さま不在になってしまいます。
「お客さまに寄り添う」というのは、「お客さま側から発想する」ということで、「デジタルありきで発想する」ということとは対局にあると考えています。
「DX」「データ活用」と大ナタを振りかざす前に、出来ることからコツコツと接点ごとのお客さまの期待を101%に出来るようなデジタル活用を考えて、お客さまに寄り添うことのほうが大事なんだと思います。


デジタルとリアルを分けて考えると、「トランスフォーメーション」を誤る。

2030年頃までDXは失敗プロジェクトも多く、ずっと試行錯誤が続くと思っています。
そもそも企業のDX(変革)が終わることは、企業活動を止めない限りありませんから。
あらゆるテクノロジーがますます進化し、AIはどこにでも使われ、ARやVRも身近になるのは近い未来です。また、ブロックチェーンがインターネットや組織のあり方にも大きな変革をもたらすことも遠くないと思います。

新しい技術がリアルと融合することで、いろんな不便が解消されて、ますます便利になっていくのは間違いありません。
それが人にとって幸せなことか・どうか、それはボクにはわかりませんが。。(どんどん人間っぽく無くなっていくだろうな、と思ったりします。)


「デジタル」だけにフォーカスするのは、「トランスフォーメーション」を誤る

ますます進化するテクノロジーを取り入れながら、
「デジタル」でも「リアル」でも
「お客さまの接点ごとに少しでも良い体験を提供していくこと」。
DXはそう言うことだと思います。

 DXという言葉は、売り手側の言葉っぽいので、呼び方はDXでも、
・バリュー・トランスフォーメーション
・タッチポイント・トランスフォーメーション
別になんでもよくて、デジタルだけにこだわることなく、
「リアル」も「デジタル」も分け隔てなく考えていくことが重要だと思います。

お客さま側が、デジタルでもリアルでも、売り手側・事業者側に求めているのはなんでしょうか。
SNSやWebサイトやオンラン広告も含めたデジタル接点でも、
また、
対面での商談や電話の応対といった細かいことまで含めたリアルな接点でも、
お客さまが求めていることは、「嘘偽りのない・事実」だと思うのです。
買う側は、売り手からのメッセージをストレートに鵜呑みにしないようになったので、売る側が美辞麗句を並べることは、すでに意味がなくなったのだと思います。


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ありのままを伝えて好きになってもらえる会社がDX時代に強い


ありのままを見せられる組織、ありのままを伝えて好きになってもらえる会社を目指したい。

デジタルとリアルを分け隔てなく、お客さまに寄り添い、試行錯誤を繰り返して、少しでも良い体験を提供して行く。
きれいごとを並べるのではなく、良いことも、悪いことも、企業の活動や、組織の考え方を、デジタルでもリアルでも、「ありのまま伝える」ことは、DX時代にとても重要なことだと考えています。

なぜなら、企業とお客さまの間に情報格差がなくなり、お客さまは、いつでもどこでも、スマホでなんでも比較できるようになっているのでですから、ありのまま見せて伝えて好きになってもらえれば、それは最大のDXだと思うのです。
(伝えるべきものと、今は伝えないものにわける、そういうPR設計は大事だと思うのですが、これはDXとは少し観点が違いますから)

製品やサービスのことはもちろん、会社の日常の活動やスタッフの考え方、お客さまの対応や、組織の文化に至るまで、ありのままを伝えて「それでもなお、好きでいてもらえる」、そういう組織を目指して時間をかけて変わっていくことだと思うのです。

DXとは企業活動のすべて、なんだと思います。


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