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零細貧乏スタートアップ時代に欲しかった、成長を促す支援パターン10選

たむけん(@tamuken)です。まったく自慢できることではないのですが、近年のスタートアップの中で極貧時代の長さでは一二を争うレベルだったと思います。だいたいの人はもっと早く事業が伸びるか、事業が伸びなくて諦めて就職するか、ですからね。諦めの悪さは天下一品。続けてよかったスタートアップ。

最近はスタートアップ支援をやってみたい大企業の方向けにお話させて頂く機会も多いので、そんな時によくお話する「貧乏な時代にもらえてたらもっと早く成長できていたであろう10の支援パターン」についてまとめてみたいと思います。

最初のプロダクトでいきなり急成長できるケースは稀なので、健康的に生き延びながら長期間長時間頑張れる環境を提供しようぜ、というお話です。

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1:渋谷の安いシェアオフィス
シェアオフィスで嬉しいのは、管理コストを抑えられること。トイレ掃除したり、水回りや電子レンジ冷蔵庫など用意したり、掃除用具持ったり、そういう事業外のことをいったん忘れられるのは地味に大きい。マンションオフィスでは用意するのが難しい男女別トイレなんかも実現できると最高。

大企業さんだと気合を入れて内装とかがんばってしまいがちですが、そういうのはいらないです。IKEAで十分。安物でいいので、昼寝したり考え事したりできるソファーがあると最高。あと見栄えはするけど座りにくい椅子をやめて、中古でいいのでそこそこのワークチェアを。前の会社では、中古フィーゴチェアを1脚1.5万くらいで揃えてました。

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2:無限コーヒー/ドリンク
甘くないドリンクが充実している環境は、時間の節約という意味でも健康維持という意味でも大切。インスタントのマシンでもいいんですが、できれば安物でもいいのでちゃんと淹れたコーヒーや紅茶などが欲しいところ。ちょっとした息抜きにもなります。

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3:狭くていいから安い家
個室なしシェアハウスでもいいのでシャワーがあびれて眠れるところ。通勤時間は忙しい時にまっさきに削れる時間ではありますが、渋谷近辺に住もうと思うと高いんですよね。とりあえず眠れるところがあるだけで楽になります。渋谷に住める給与を払えばよいじゃないかという話ではあるんですが、これがあるとやる気がある地方学生インターンを取れるのが大きいです。彼らに恩を売って起業する時に投資させてもらえば支援側もペイするはず。

これがなくてオフィスに泊まったりオフィスに住み着いたり…というのはよくあることです。僕も何度オフィスのソファーで眠ったことか。

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4:栄養たっぷりの食事支給
若くてお腹が空いていて貧乏だと太ります。半額弁当や牛丼ばかり食べることになるので、炭水化物ばかりとって栄養不足になるパターン。別にインスタ映えしなくてもよいので、栄養たっぷりの食事が配給されるシステムがあれば安い飯屋を探す時間も節約できて最高です。

中国や東南アジアとかであるような、作りおきのおかずを米にエイヤっと乗っける感じだと楽かも。添付は深センの食堂で撮ったおかずが選べる食堂メシ。

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5:安いジム
オフィスにこもってずっと働いていると太ります。ストレスも溜まります。運動大事。でも忙しいと走りに行くのも面倒、ジムに行くお金もなかったりして。種類少なくていいので、気軽に使える運動用具があると良いです。たいていスタートアップコミュニティには筋トレマニアの人がいるので、そういう人と一緒に行ける感じだとコミュニケーション促進にもなります。土足OKで服レンタル可能で簡易シャワーなんかがあったりするとなお良し。

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6:電車乗り放題チケット
本当にお金がなくなると人間どうなるかというと、電車賃を払うのを躊躇するようになります。経済合理性がまったくないことは明らかであるにもかかわらず、少しでも節約しようと思って家まで3駅歩く、とかやりだします。1社限定でよいので乗り放題パスがもらえたりするとその不安がなくなるのはもちろん、その路線の沿線に家を借りるようになるので電鉄関連の不動産事業などにもプラス。株主優待での乗り放題チケットなんかと同じ形態でやれるはずなのでコストもあまりかからないのではと。東急電鉄さん東京メトロさんぜひ。

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7:美味いメシが出るミートアップイベント
大企業の人を呼んでコワーキングスペースでミートアップイベント! みたいなことはよくありますが、スタートアップ側が求めているのは熱いトークでもメンタリングでもなく、美味いメシです。寿司。焼肉弁当。ピザはだめです。わかりやすく豪華で若いメンバーがウォーできるメシが望ましいです。たらふくメシを食わせて、満腹になったところでスポンサーのトークを聞かせれば好感度上がること間違い無し。うっかり素晴らしいスタートアップが生まれたら恩義をツテに投資チャンスをゲットしましょう。

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8:良質なおやつの差し入れ
大切なのは値段よりも高級さよりも、数と見栄え。ケーキですかね。アルバイト学生の士気が上がったりします。こういう差し入れを囲んでチームで話したりすることでチーム力が上がります。ガチ支援じゃなくても、深い意味なくスタートアップを訪問して見物したいというタイプの方にもおすすめ。無用な来客は迷惑なのですが、なんかもらえるなら別です。

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9:合コンの斡旋
そろそろネタが無くなってきたのですが…スタートアップの失敗でありがちなのは、社長がストレスを溜めすぎた結果女遊びに走ったり、経営者仲間と早い時間から飲みに行ってしまったり。そこで領収書切っちゃう人もいたりして。安定してサポートしてくれるパートナーがいると、精神も安定してよいのでは。稼ぎの期待値自体は高いはずなのでメリットはある…はず…!

ちなみに僕はストレスを溜めすぎた結果、酒にも女にも手を出さず、二郎と牛丼屋にヘビーに通い太りました。結果としてパフォーマンスを落としたのは一緒。

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10:こざっぱりした応援のひとこと
なんだかんだいって、スタートアップが死ぬのは社長の気持ちが折れたときです。お金が尽きたときでも、事業が停滞したときでもなく。注目されている時は利益が出てなくても各所からチヤホヤされる一方で、事業が停滞すると株主とすらギクシャクしたりなどします。

そんな時に、スタートアップ支援をしているオジサンからのテキトーな応援の言葉が救いになったりすることもあります。注目されている時には「こいつ適当に応援してるだけで分かってないんだろうなー」と思ってた応援の言葉も、ほんとうに辛い時にはぐっときたりするものです。

ちなみに長時間拘束してネチネチ褒めるのはだめ。

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ちなみにありがちだけど要らないのは大企業のオジサンによるメンタリング。ふらっとオフィスにきて激励ついでに一言、とかのほうが効果的。あと事業提携なんかも零細時代はまとまりづらいと思うので、ある程度伸びてきてからのほうがいいんじゃないかなーと。

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さて、そんな僕も性懲りもなく次のスタートアップをはじめています。上記は「あったらいいな」でもあり「今欲しい」ものでもあるのですね。アクセラレーションプログラムなど運営されている大企業の皆様にはぜひ御一考いただきたく。あと創業メンバーをまだ募集しているので気になる方はTwitterFacebookで連絡をください。焼肉おごります。いま募集中のポジションは、サーバーサイドのエンジニア(Go)、あと実績とガッツがある営業。一部リモートOK。今ならなんとまだ初期価格で生株が買えます。採用のために焼肉はおごれても、オフィス賃料は節約したい、これ実情。

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